« 明日〜来月2日までお休みです | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・226 »

2022年1月 3日 (月曜日)

エスニック&ユートピアへ変化

明けましておめでとうごさいます。今年もヴァーチャル音楽喫茶『松和』の当ブログをよろしくお願いします。

毎年、年が明けると「エレクトリック・ジャズ」が聴きたくなる。恐らく、マイルス・デイヴィスの1975年伝説の来日公演の思い出がそうさせるのだろう。当時、マイルスの来日公演の収録音源がFMで流れていて、これが当時、「なんだこれ」とショックを受けたと当時に、とても気に入った出来事がそうさせるのだろう。よって今年も、年が明けると「エレ・ジャズ」。

丁度、昨年の暮れから、Weather Report(WR)の聴き直しをしている。WRと言えば、エレ・ジャズ系バンドの最高峰のひとつ。ナイス・タイミングである。

Weather Report『Mysterious Traveller』(写真)。1974年の作品。ちなみにパーソネルは、Josef Zawinul (key), Wayne Shorter (sax), Miroslav Vitouš (ac-b : track 2 only), Alphonso Johnson (b), Ishmael Wilburn (ds), Skip Hadden (ds : tracks 1 and 4 only), Dom Um Romão (perc, ds)。

前作『Sweetnighter』で、創立当時の共同リーダーの1人、ミロスラフ・ビトウスと音楽的志向の相違によって袂を分かって、ウェイン・ショーターとの双頭リーダーになったジョー・ザビヌル。WRの音楽的志向を「エスニック&ユートピア」に舵を切る。リズム&ビートは「ファンク」なんだが、メロディーにはエスニックの味付け。エスニック志向のエレ・ファンクと形容しても良いかもしれない。

その最初の成果がこの『Mysterious Traveller』。冒頭の「Nubian Sundance」を聴くと、その「エスニック志向のエレ・ファンク」という味付けが良く判る。マイルスでも無い、ハービーでも無い、チックでも無い、ザビヌルならではの「エレ・ファンク」。その一番最初のプロトタイプ的な音がこの盤に詰まっている。そういう意味で、この盤は「ザビヌル流エレ・ファンク」の最初の1枚と評価しても良いと思う。
 

Mysterious-traveller

 
WRの変化と言えば、この盤については、双頭リーダーの片割れ「ウェイン・ショーター」の影が薄くなってきている。冒頭の2曲、ショーターは全く目立たない。プライベートにいろいろあったようだが、当時のショーターはWRの活動には、さほど強い興味は無かった様だ。2曲目の「American Tango」の途中、ショーターがやっと出てくる有様。

ただ、6曲目の「Scarlet Woman」では、ショーターのソプラノ・サックスが大活躍。この1曲を聴けば、ショーターのサックスって、WRには必要不可欠だと思う。この迫力と説得力は生のサックスじゃないと、しかもショーター・クラスの一流サックス奏者では出せないもの。決して、シンセサイザーでは代替できない。

ザビヌルはそれを理解していた。よって、ザビヌルはショーターを追い出すことは無かった。この曲は明らかにショーターの「コズミック&ミステリアス」志向の産物だが、ザビヌルはそれを容認している。

しかし、この盤は明らかに「ザビヌルの単独志向」のアルバムである。そのザビヌルの志向である「エスニック志向のエレ・ファンク」を完全表現するまで、ザビヌルのシンセ・テクニックは追いついていないが、その志向を的確に表現しようとする意欲は強く伝わってくる。

新規参入のベーシストについても、複数参加のドラム&パーカッションについては、ゲスト・ジャズメンについても、固定化せず、まだまだ、「エスニック志向のエレ・ファンク」に端緒を付けたばかりのアルバムであることが良く判る。

WRのキャリアを見渡す中で、この盤をWRの傑作と評価する訳にはいかない。それでも、この盤は、「ザビヌル流エレ・ファンク」=「エスニック志向のエレ・ファンク」なWRを表現した最初の1枚であることで、特別な存在であることは確かである。 
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« 明日〜来月2日までお休みです | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・226 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 明日〜来月2日までお休みです | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・226 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー