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2021年12月27日 (月曜日)

どスタンダード曲の 3 Sounds

ブルーノート・レーベルには、意外とピアノ・トリオ盤が少ない。もともと、米国人はフロント管が入ったジャズ盤を好む傾向があったらしく、ピアノ・トリオが地味という理由で、あまりウケが良く無かったそうだ。逆に我が国では、結構、ピアノ・トリオは好まれる。ブルーノート・レーベルはイマイチだ、と評するジャズ者の方々は、意外とこの「ピアノ・トリオの少なさ」を指摘する。

が、そこはさすがに、ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオン。これはというピアニストには、ピアニストの個性が良く判る、優れた内容の「トリオ盤」を制作している。そして、レーベルとしての企画型のピアノ・トリオ「スリー・サウンズ」をプロデュースしている。

The 3 Sounds『Here We Come』(写真左)。1960年12月13–14日の録音。ブルーノートの4088番。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。ブルーノート・レーベルのプロデュース、唯一のお抱えピアノ・トリオ「The 3 Sounds(スリー・サウンズ)」である。
 

Here-we-come

 
収録曲を見ると「どスタンダード曲」のオンパレードなので、ちょっと引く。この盤こそ、売らんが為のポップなイージーリスニング風のトリオ盤なのでは、と危惧する。が、そこはレーベルとしての企画型のピアノ・トリオ「スリー・サウンズ」。決して、イージーリスニング風のトリオ演奏には陥らない。

まず、それぞれの「どスタンダード曲」に施されるアレンジが意外と「プログレッシヴ」。これだけ「ドスタンダード」だと、ちょっとポップで甘めの聴き易いアレンジをしがちだが、スリー・サウンズは違う。結構、新しい響きで、聴き応えのある、切れ味の良いアレンジを施している。これはいつ聴いても流石だなあ、と思う。

レーベルが企画したピアノ・トリオだからといって、売らんが為のポップなイージーリスニング風のトリオと誤解しては損をする。そこはさすがブルーノート、唯一の企画型ピアノ・トリオ、普通のアプローチで来るわけが無い。確かに、このピアノ・トリオは意外と「プログレッシヴ」。そういうところにも、ブルーノート・レーベルの矜持を感じる。
 
 
 

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