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2021年12月22日 (水曜日)

スティープルチェイスの異色盤

スティープルチェイス・レーベルは、1970〜80年代を中心に、ジャズ史に残る名盤を数多く生み出した欧州ジャズ・レーベルの老舗。比較的、米国系のレーベルに近い演奏の色や雰囲気を持っていて、ハードバップ系の演奏に秀作が多い。さしずめ欧州の「ブルーノート」と言っても良い「欧州発ハードバップ」の宝庫。

そんな「欧州発ハードバップ」の宝庫にも、1970年代、当時にして新しい「コンテンポラリーな純ジャズ」なアルバムがあったりするから面白い。

Michael Carvin『The Camel』(写真左)。1975年7月8日の録音。スティープルチェイス・レーベルのSCS1038番。ちなみにパーソネルは、Sonny Fortune (as. ss), Cecil Bridgewater (tp, flh), Ron Burton (p), Calvin Hill (b), Michael Carvin (ds)。リーダーは、ドラムのマイケル・カーヴィン。フォーチュンのサックス、ブリッジウォーターのトランペットが2管のクインテット編成。

欧州ジャズの世界に、バリバリ、エレ・マイルスの世界で吹きまくっていたサックス奏者と、マックス・ローチの長年の右腕トランペッター、セシル・ブリッジウォーターを迎えてのレコーディング。
 

The-camel

 
冒頭「Osun」から、カリプソチックでトロピカルな雰囲気の、ワールド・ミュージック志向な「ニュー・ジャズ」が展開される。フォーチュンとブリッジウォーターがノリに乗って、陽気に吹きまくっているのが面白い。どう聴いたって「欧州ジャズ」の雰囲気じゃない(笑)。リーダーのカーヴィンのドラムもノリに乗っている。

2曲目の「Naima」は、コルトレーンのバラードの名曲。ゆったりと展開するリズム&ビートをバックに、フォーチュンが素敵なソプラノ・サックスを披露する。静的なフレーズから、ラストはサイケデリックでスピリチュアルなフレーズで締めくくる。コルトレーン・ジャズへのオマージュ的演奏。

アルバム全体の雰囲気は、当時の米国ジャズの最前線のコンテンポラリーな純ジャズ。ワールド・ミュージック志向のニュー・ジャズあり、コルトレーンのオマージュあり、スピリチュアルなバップ曲あり、で、当時の欧州ジャズのトレンドからは逸脱した、1970年代の米国に流行っていた「コンテンポラリーな純ジャズ」な雰囲気が面白い。

スティープルチェイス・レーベルの諸作の中では異色盤でしょう。ジャケット・デザインも「強面」なので、あまり人気が無いみたいですね。それでも、一度聴けば、意外と時々引っ張り出して来て聴く「息の長いヘビロテな盤」になるのではないでしょうか。意外と充実した内容の好盤です。
 
 
 
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