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2021年12月 6日 (月曜日)

マクリーンの息子のリーダー盤

1970年代の欧州ジャズは、メインストリームな純ジャズ路線を頑なに守っていたフシがある。エレクトリック・ジャズへのアプローチは必要最小限に留め、アコースティック楽器中心のハードバップか、新しいジャズの響きを求めた「ニュー・ジャズ」がメインだった。スティープルチェイス然り、エンヤ然り、ECM然り、である。

René McLean『Watch Out』(写真)。1975年7月9日、NYでの録音。スティープルチェイス・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、René McLean (sax, fl), Danny Coleman (tp, flh). Nathan Page (g), Hubert Eaves III (p), Buster Williams (b), Freddie Waits (ds)。名アルト・サックス奏者、ジャキー・マクリーンの息子、ルネ・マクリーンの初リーダー作になる。

ルネ・マクリーンは1946年生まれ。マルチ・リード奏者。ワールド・ミュージック志向の純ジャズがメイン。教育者、プロデューサーとしての「顔」もあり、リーダー作は現在まで3枚に留まる。そんな寡作のリーダー作の一枚になる。脇を固めるサイドマンは米国のジャズマンで占められてはいるが、さすがジャズが斜陽の時代、名前がメジャーなサイドマンはベースのバスター・ウィリアムスくらいかな。
 

Watch-out

 
エレギが入ったコンテンポラリーな純ジャズ志向のエレ・ジャズになる。音の志向はあからさまではないが「ワールド・ミュージック」志向。アフリカやカリブやラテンなど、ワールドワイドな音の要素が色々と混ざっている。リズム&ビートの基本はハードバップ。モード・ジャズであるが、アフリカン・ネイティヴな音の雰囲気がそこかしこに感じられて、1970年代ならではのエレ・ジャズがこの盤に詰まっている。

ルネのサックスは「コルトレーンのフォロワー」の音であり、モーダルなフレーズ、シーツ・オブ・サウンドなアドリブ展開など、コルトレーンほど重厚では無いが、フットワーク良く軽快なブロウで、「コルトレーン・ライク」なサックスが展開される。バックがエレ・ジャズ志向なので、コルトレーンが1970年代も生きていて、エレ・ジャズをやるなら、こういう音になるのかな、という雰囲気。演奏テクニックも優秀で、収録されたどの楽曲も、良い感じの「力作」に仕上がっている。

このワールド・ミュージック志向のエレ・ジャズって、当時、意外と珍しく、ルネ・マクリーンについても、この志向のリーダー作が、続いて制作されなかったことは残念である。もっと突き詰め深化させていけば、なかなか面白いワールド・ミュージック志向のエレ・ジャズが成立したと思うのだがどうだろう。冒頭の「Bilad as Sudan (Land of the Blacks)」からタイトル含め、演奏にも力が入っていて、なかなか聴かせてくれる。
 
 
 
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