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2021年11月 3日 (水曜日)

無名だが粋なブルックマイヤー盤

音楽のサブスク・サイトを彷徨っていて、ボブ・ブルックマイヤー(Bob Brookmeyer)の、とあるリーダー作に出会った。これは今までに聴いたことが無い。しかも、調べてみると、2003年の作品とのこと。確か、ブルックマイヤーって、2011年に亡くなっているので、彼のかなり晩年の、74歳の時点での録音になる。

ボブ・ブルックマイヤーは、トロンボーン & ピアノ奏者。1929年、ミズーリ州カンザスシティ生まれ。西海岸ジャズの重鎮、ジェリー・マリガンのカルテットに在籍して、その名が知られることとなる。1960年代終盤にはスタジオ・ミュージシャンになるが、1979年のサド=メルのジャズ・オケの音楽監督にてジャズ界にカムバック。

彼は生涯で8つのグラミー賞にノミネートされていて、逝去する直前の2011年、 Vanguard Jazz Orchestra『Forever Lasting』が、8回目のグラミー賞ノミネートだった。

Bob Brookmeyer『Stay Out Of The Sun』(写真左)。2003年7月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bob Brookmeyer (valve-tb, p), Larry Koonse (g), Tom Warrington (b), Michael Stephans (ds)。リーダーのブルックマイヤーが、バブル・トロボーンとピアノを兼ねた、ギター入りのカルテット編成、楽器的にはクインテットな編成になっている。
 

 Stay-out-of-the-sun-1

 
ブルックマイヤーが演奏する「バルブ・トロンボーン」は、スライドではなく、トランペットのように3本のピストンを備えたトロンボーン。トロンボーンらしい輝かしくウォームな音色を持ちながら、バルブの操作による切れの良い運動性を得ることが出来るのが特徴なのだが、この特徴がこの盤でも遺憾なく発揮されている。とにかく、トロンボーンの音が柔らかく暖かく優しく、それでいてフレーズが流麗で切れ味が良い。聴いていて、とても心地良い響きに魅了される。

全9曲中、3曲がスタンダード曲、残りの6曲がブルックマイヤー自身、もしくはバンド・メンバーの作曲。スタンダード曲もオリジナル曲も、どちらも演奏の出来は上々。ブルックマイヤーのトロンボーンは柔らかく暖かく優しく、クーンズのギターは硬質で切れ味良く、ブルックマイヤーのトロンボーンとの対比が抜群。

ユニゾン&ハーモニーも心地良く、落ち着いた、味のある「粋」な演奏が盤全体に展開される。ブルックマイヤーのピアノも味わい深く、ワリントン+ステファンのリズム隊はソリッドで堅実。

まず、書籍やネットでのジャズ盤紹介で、取り上げられたところは見たことが無いが、この盤、なかなかジャジーで「粋」で、ジャズ・トロンボーンの音をとことん楽しめる、聴いていて、これはジャズやなあ、と思わず演奏に身を委ねてしまう好盤である。
 
 
 
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