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2021年11月21日 (日曜日)

ヴィーナスの硬派な純ジャズ・1

ヴィーナス・レコードは、硬派なジャズ者の方々から、どうにも評判が悪い。「昔の名前で出ています」的アプローチで、1950年代から1960年代に活躍したベテラン級のジャズマンをスカウトして、当時、絶対しかなったであろうスタンダード曲をハードバップ風に演奏させたりするから、「金の力で、ベテラン級ジャズマンにスタンダード曲を演奏させる」と硬派なジャズ者の方々はカンカン(笑)。

本当のところはそうでは無かった様ですが。それでも、確かに、このジャズマンがどうして今、スタンダード曲でハードバップをやるのか、という盤もあるにはありました。しかし、しっかりとしたコンテンポラリーな純ジャズ風の、内容の確かな盤も結構あるんですよね。そういう面については、ヴィーナス・レコードについても評価してあげないと、と思っています。

Lonnie Smith Trio『Foxy Lady - Tribute To Jimi Hendrix』(写真左)。1994年3月19日、NYの「Sound Designer Studio」での録音。ヴィーナス・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Lonnie Smith (org), John Abercrombie (e-g), Marvin "Smitty" Smith (ds)。早逝の天才ロック・ギタリスト、ジミ・ヘンドリックス(ジミヘンと略)の曲を題材にした「トリビュート盤」。
 

Foxy-lady

 
ロニー・スミス(写真右)のオルガンは「アグレッシヴでプログレッシヴ」。ファンキーでポップな「甘い」要素はほとんど無い。そんなロニーが、ロックギタリストとして最も「アグレッシヴでプログレッシヴ」なジミヘンの楽曲をカヴァーする。誰の発想なのか判りませんが、なかなかの企画だと思うんですね。しかも、相棒となるギタリストが「アグレッシヴでプログレッシヴ」なジャズ・ギタリストのアバークロンビー。ドラムが「アグレッシヴでプログレッシヴ」なドラマー、スミッティースミス。

このトリオ編成を思い立った人って凄いと思う。ジミヘンのカヴァー演奏に最適なトリオ編成。ジミヘンの楽曲が持つ「アグレッシヴでプログレッシヴ」そして「サイケデリック」な響きを上手く、ジャズ演奏の中で表現していて感心することしきり。しかも、しっかりコンテンポラリーなジャズしていて、硬派なエレ・ジャズとしても秀逸な内容。思わず、これって、ヴィーナス・レコードからのリリースなの?、とレーベルを見直してしまう。

興味深いのは、ロニー、アバークロンビー、スミッティースミスのトリオ、そして、ジミヘンのカヴァー、と、とことん「アグレッシヴでプログレッシヴ」なんだが、ヴィーナス・レコードの深いエコーの録音と耽美的な音作りが、この「尖り」を、ちょっとジェントルな「尖り」にしていて、最終的に聴き易いレベルでの「尖ったコンテンポラリーなエレ・ジャズ」に落ち着いているところ。トリオの個性とレーベルの個性のマッチング良好な佳作である。
 
 
 
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