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2021年10月23日 (土曜日)

ファンクネス溢れるパーラン

ブルーノート・レーベルには、一般的に「人気ジャズ・ミュージシャン」として名前が挙がるもの以外に、技術的に内容的に優れたジャズ・ミュージシャンが沢山いる。まあ、我が国での「人気ジャズ・ミュージシャン」って、ジャズ関連雑誌が中心となって、メディアが創り出したものなので、ほとんどが、レコード会社などの為の「売らんがため」の選定。

よって、我が国のメディアが挙がる「人気ジャズ・ミュージシャン」は、技術的に内容的に優れたジャズ・ミュージシャンなのは確かなのだが、他にも、もっと沢山の技術的に内容的に優れたジャズ・ミュージシャンが存在する。その「隠れた」優秀なジャズ・ミュージシャンを手軽に体験するのに、ブルーノート・レーベルの諸盤が最適なのだ。ブルーノート・レーベルのパーソネルに並ぶミュージシャンに外れは無い。

Horace Parlan『Up and Down』(写真左)。ブルーノートの4082番。1961年6月18日の録音。ちなみにパーソネルは、Horace Parlan (p), Booker Ervin (ts), Grant Green (g), George Tucker (b), Al Harewood (ds)。パーランの『Us Three』トリオにアーヴィン、グリーンを加えた秀作。小粋なバッキングに乗って、こってこてブルージーでファンキーなハードバップ盤である。

少年時代にポリオを患い、そのために部分的に右手が変形したお陰で、独特の奏法を身につけた、ということがクローズ・アップされて、我が国ではちょっと「キワモノ」扱いのパーラン。
 

Up-down

 
そんな先入観を抜きにして、パーランのピアノだけに聴き耳を立てれば、コード弾きでグイグイ押しまくる、短い連続フレーズを間を取りながら繋げる独特のアドリブ・フレーズ、そして、右手のリズム・タッチのドライヴ感、シンプルで力感溢れる「ブルージーでファンキー」なピアノであることが良く判る。

そんなパーランのピアノに乗って、こってこてファンキーなパッキパキ・ギターのグラント・グリーンが加わり、ファンキー&モーダルなブッカー・アーヴィンのテナー・サックスが加わって、もともとパーラン・トリオが持っていた「ファンクネスの濃度」に拍車がかかって、洗練された素姓の良い、硬派なファンキー・ジャズがこの盤に溢れている。

この盤のファンクネスは、俗っぽさや商業主義とは全く無縁の「アーティスティック」なファンクネス。特に、アーヴィンのテナー・サックスの持つ「モーダル」な雰囲気が、自由度が高く洗練された雰囲気を醸し出している。タッカー+ヘアウッドのリズム隊のリズム&ビートも、当時として新しい響きを叩き出す工夫を施している様で興味深い。

ホレス・パーランって、我が国のメディアが挙がる「人気ジャズ・ミュージシャン」の中に、その名が挙がっているのは見たことが無いが、パーランのブルーノートにおけるリーダー作って、外れの無い、優れた内容のものばかり。21世紀に入ってからは、ブルーノートにおけるパーランのリーダー作は入手し易くなっているので、まだ聴いたことの無いジャズ者の皆さんは、是非、パーランを体験して頂きたいなあ、と思う。
 
 
 
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