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2021年10月28日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・221

1980年代、我が国ではバブル景気の追い風を受けて、お洒落で聴き心地の良いジャズがもてはやされた。そんな流行に乗って、我が国発のジャズ・レーベル、例えば「Electric Birdレーベル」などが、お洒落で聴き心地の良いコンテンポラリーな純ジャズ、フュージョン・ジャズをリリースしていた。

が、意外と内容的には平凡なものが多く、しばらくの間(20年ほどかな)、リイシューされること無く、ほぼ全ての盤が廃盤状態になっていた。探すにも流通在庫を探すほか無かったが、2014年、やっとまとめてCDリイシューがなされた。

Lew Soloff『Yesterdays』(写真左)。1986年9月15 &16日、NYのClinton Studiosでの録音。キングレコードの「Electric Bird」からのリリース。ちなみにパーソネルは、Lew Soloff (tp), Mike Stern (g), Charnett Moffett (b), Elvin Jones (ds) のピアノレスでトランペットがワンホーンのカルテット構成。デヴィッド・マシューズがプロデュース、そして、スーパーヴァイザーとして、ギル・エヴァンスが名を連ねている。

「Electric Bird」のリイシューの一枚。「Electric Bird」なので、フュージョン・ジャズかな、とも思うんだが、パーソネルを見ると、これは、コンテンポラリーな純ジャズ、基本はネオ・ハードバップである。ピアノレスなので、ワンホーンのルー・ソロフのトランペットが心ゆくまで楽しめる。ルー・ソロフはメインストリームなトランペッターなのだが、リーダー作が僅少。この盤は貴重なソロフのリーダー作になる。
 

Yesterdays-lew-soloff

 
ハイノート・ヒッターであり、バイタルなトランペッターであるルー・ソロフ。あまりにダイナミックで切れ味の良い吹きっぷりなので、時に耳に五月蠅く響く時があるが、テクニックは優秀、歌心もあるトランペットで聴き応えは十分。冒頭のタイトル曲であり、有名スタンダード曲「Yesterdays」での吹きっぷりは見事。この盤では抑制もしっかり効いていて、耳に付く瞬間は全く無い。安心して聴き耳を立てることが出来るのが嬉しい。

アレンジがとても雰囲気があって、どこかギル・エヴァンスを想起させるのだが、パーソネルを確認したら、スーパーヴァイザー兼ミュージカル・アドバイザーとして「ギル・エヴァンス」の名があった。恐らく、アレンジにも関与していると思われる音作り。これがまた良い。アルバムに収録されたどの曲にも、しっかりアレンジされた、独特の「ギル節」が底に流れていて、しっかりと演奏がまとまっている。

モフェットのベース、エルヴィンのドラムのリズム隊もガッチリしていて、演奏全体のリズム&ビートが安定していて安心して聴ける。そして、1番ビックリしたのが、マイク・スターンのエレギ。コンテンポラリーな純ジャズ風の弾き回しには、ほとほと感心した。

凡盤が多く、ちょっと辟易するくらいの1980年代の国内レーベルのジャズ盤であるが、この盤は違う。バンドサウンドの充実度合いも高く、ルー・ソロフの代表作の一枚と評価しても良いと思う。隠れ名盤の一枚。
 
 
 
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