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2021年10月12日 (火曜日)

kudu時代のワシントンJr. 再評価

10月に入って、季節外れの暑い日が続いているが、朝夜は涼しくなった。涼しくなると、決まってクロスオーバー&フュージョン・ジャズが聴きたくなる。これだけ涼しくなると、電気楽器の熱い音を、ホットな8ビートなリズム&ビートを汗をかきかき聴くこともない。夏の間、お休みしていたクロスオーバー&フュージョン・ジャズを再び聴き始めた。

Grover Washington, Jr.『Feels So Good』(写真)。1975年5月, 7月、Van Gelder Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、メイン・メンバーとして、Grover Washington Jr. (ss, ts), Bob James (key, arr), Eric Gale (g), Gary King, Louis Johnson (b), Steve Gadd, Jimmy Madison, Kenneth "Spider Webb" Rice (ds), Ralph MacDonald (perc), Sid Weinberg (oboe, English horn)。オーボエ&イングリッシュ・ホルンが入って、ベース、ドラムは曲によって使い分ける、セプテット編成(7人編成)。

そこに加わるブラス・セクションが、Alan Raph, Dave Taylor, Barry Rogers (tb), Randy Brecker, Jon Faddis, John Frosk and Bob Millikan (tp, flh)。これがなかなかのメンバーで編成されている。そして、スリングスが加わる、大掛かりな編成のフュージョン・ジャズ。

リーダーはサックス奏者のグローヴァー・ワシントン・ジュニア(以降、ワシントンJr. と略す)。1980年の大ヒット作『Winelight』が突出していて、他のリーダー作はあまり顧みられていない。しかし、初リーダー作『Inner City Blues』以降、なかなかの秀作をリリースし続けている。基本的に「駄盤」は無いのが、フュージョン・ジャズの寵児、ワシントンJr. の真骨頂。
 

Feels-so-good

 
この盤は、ボブ・ジェームスが全面的にバックアップしている。プロデュースこそ、クリード・テイラーが担当しているが、アレンジ、そして、キーボード全般はボブ・ジェームスが担当。しかも、アレンジ、キーボード、共に、ボブ・ジェームスの最高のパフォーマンスがこの盤に詰まっている。

ワシントンJr. のサックスは、ボブ・ジェームスのアレンジとの相性が良い。ワシントンJr. の流麗で「ソフト&メロウ」なサックスをしっかり引き立てる、ボブ・ジェームスの「クールでパンチの効いた」アレンジ。リズム隊は、フュージョン・ジャズ系の独特な縦ノリ8ビートを叩きだして、演奏全体の「ソフト&メロウ」な雰囲気をグッと引き締めて、甘きに流れず、意外とダンディズム溢れるフュージョン・ジャズを展開している。

この盤では、これまでのリーダー作で、必ず数曲入っていたソウル、ポップスのカヴァー演奏が無くなって、メンバーのオリジナル曲で占められていること。リズム&ビートや音作りが、硬派ではあるが「ソフト&メロウ」にシフトしていること。ワシントンJr.にとって、イージーリスニングなエレ・ジャズから、フュージョン・ジャズへの移行期の秀作である。

kudu時代のワシントンJr. は、以前は入手し難い状態が続いたので、あまり話題にもならなかったし、注目もされなかった。が、今では、リイシューも完了し、気軽に聴くことが出来る環境にある。フュージョン・ジャズ者の方々は、このkudu時代のワシントンJr. の一聴をお勧めしたい。フュージョン・ジャズ時代前期の、なかなかの内容のパフォーマンスを聴くことが出来ます。
 
 
 
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