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2021年10月19日 (火曜日)

三輪の新作『Songs of Joy』

ジャズの本場、米国で活躍する我が国出身のジャズ・ミュージシャンは、思った以上にいる。日本のレコード会社は、新人のジャズマンは、男女ともルックスが良く、若くないと取り扱う機会が少ない。ベテランのジャズマンはネームバリューが無いと取り扱う機会が少ない。ということで、CDの時代はなかなか我が国のジャズ者の目に触れることは無かった。

が、ネットの時代になって、ダイレクトに情報が入って来る様になり、音源がダウンロードで直接聴くことが出来る様になって、米国で活躍する我が国出身のジャズ・ミュージシャンのリーダー作に触れる機会が劇的に増えた。また、サイドマンで参加した演奏に触れることも時々あって、良い時代になったものだ、と思わず感心する。

Yoko Miwa Trio『Songs of Joy』(写真左)。2021年の作品。ちなみにパーソネルは、Miwa Yoko [三輪洋子] (p), Will Slater (b), Scott Goulding (ds)。ボストン在住の実力派ピアニスト三輪洋子の9枚目となるリーダー盤である。ピアノ・トリオの編成。全11曲中、三輪のオリジナルが4曲、他の7曲は、ミュージシャンズ・チューン、若しくはスタンダード曲。
 

Songs-of-joy-1

 
冒頭の「Freedom」を聴いて、ちょっとビックリ。まるで、マッコイ・タイナーばりの左手の低音がガーン・ゴーンと鳴り響き、右手が「シーツ・オブ・サウンド」の様に、高速フレーズを弾きまくる。あれ、三輪のピアノ、志向が変わったのかな、と思って、2曲目「Largo Desolato」を聴くと、ダイナミックで、リリカルでモーダルな三輪のピアノに戻っていて、何だかホッとする。

3曲目のBilly Preston作の「Song of Joy」が絶品。ゴスペル風のフレーズが印象的で、リズム&ビートは実に「アーシー」。アメリカン・ルーツ・ミュージックの要素を織り交ぜながら、三輪の独特の個性を振り撒いている。R&B志向のソウルフルなジャズであるが、決して重くならない。軽快でアーシーなビートは三輪ならでは。これが良い。

6曲目のDuke Jordan作「No Problem」は、アレンジが小粋で聴き応えがある。Thelonious Monk作の「Think of One」も同様で、三輪のセンスの良いアレンジも十分に楽しめる。2001年の初リーダー作『In the Mist of Time』以来、9作目のリーダー作になるが、三輪のピアノの個性、アレンジの志向については、全く「ぶれ」が無い。安心して聴ける、好ピアノ・トリオ盤である。
 
 
 
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