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2021年9月10日 (金曜日)

スピリチュアルなタイナー

マッコイ・タイナーは「コルトレーン・ジャズの継承者の1人」として認知されている。1970年代は、しっかりとコルトレーン・ミュージックを継承。フリー&アブストラクトなジャズには傾倒しなかったが、モーダルで、アフリカン・ネイティヴなコルトレーンの音世界をピアノ中心のジャズに置き換えて、1970年代を走り抜けた。

Mccoy Tyner『Inner Voices』(写真左)。1977年9月の録音。ちなみにパーソネルは、McCoy Tyner (p, arr), Cecil Bridgewater, Jon Faddis, Eddie Preston:, Ernie Royal (tp), Dick Griffin, Janice Robinson, Charles Stephens, Earl McIntyre (tb), Joe Ford (as), Jerry Dodgion (as, fl), Alex Foster (ts), Ed Xiques (bs, as), Earl Klugh (g), Ron Carter (b), Eric Gravatt, Jack DeJohnette (ds), :Guilherme Franco (perc)。加えて、男女混声コーラスが参加している。

何ともはや、複雑な編成である。トランペットが4本、トロンボーンが4本、サックスが4本。アコギが入って、ドラムは2人を使い分けている。男女混声コーラスの参加がこの盤の特徴で、聴いてみると、この盤では明らかに「スピリチュアル・ジャズ」へのチャレンジが聴いて取れる。

いわゆる「内面の精神世界」をジャズで表現するのだが、タイナーは「コルトレーン・ジャズの継承者の1人」として、スピリチュアル・ジャズにも決着を付けておきたかったのかもしれない。
 

Innervoices

 
ジャズ・オーケストラでは無いのだが、管楽器が計12本のユニゾン&ハーモニーが迫力である。が、大胆に男女混声コーラスを導入しているにも拘わらず、あまりスピリチュアル・ジャズの雰囲気がしないのが面白い。

タイナーのピアノをメインとするリズム・セクションは、明らかにモード・ジャズをベースに当時最先端を行く、メインストリームなパフォーマンスで、男女混声コーラスと重厚な管楽器のユニゾン&ハーモニーをサポートするのだが、実はこのリズム・セクションのパフォーマンスが突出している。

スピリチュアル・ジャズって、僕は「思い込み」と「陶酔」、そして「自己満足」が基本だと思っているが、この盤でのタイナーは至って冷静。モーダルなジャズの下、アレンジされたスピリチュアル・ジャズという雰囲気で、他のスピリチュアル・ジャズのパフォーマンスとは一線を画している。実はこれがタイナーの狙いだったのかもしれない。

男女混声コーラスですら、モーダルなフレーズを唄い上げているところなんか、実にユニーク。スピリチュアル・ジャズとして成功しているとは思わないが、タイナーの考える「アレンジされたモーダルなスピリチュアル・ジャズ」として聴く分には、意外と面白い発見がここかしこにある。まあ、いわゆる「問題作」の一枚ではある。
 
 
 
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