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2021年9月24日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・218

ボサノバ&サンバのジャズについては、こってこてにボサノバ、若しくはサンバの要素を前面に押し出して、リズム&ビート、及び即興演奏部分だけが「ジャズ」を踏襲しているものもあれば、演奏全体はフュージョン、若しくはコンテンポラリーな純ジャズで、その中にボサノバ&サンバの要素を織り交ぜているものもある。

どちらもボサノバ&サンバのジャズには違いないのだが、前者は明らかにウケ狙いで、1960年代から1970年代に多く存在する。フュージョン・ジャズの時代から以降は、ジャズに他ジャンルの音楽要素を融合する手法が確立していて、1980年代以降については、コンテンポラリーな純ジャズのカテゴリーに、ボサノバ&サンバの要素を融合したジャズが多く存在する。

Toninho Horta『Moonstone』(写真左)。アメリカとブラジルのミュージシャンの混成メンツによるかなり豪華な顔触れ。特にパット・メセニー・グループ(PMG)関係のミュージシャンが多数参加。ちなみにパーソネルは以下の通り。

Toninho Horta (g, vo), Pat Metheny (g), Eliane Elias (p), Onaje Allan Gumbs, Willa Bassen, Russell Ferrante (key, Syn), Mark Egan, Steve Rodby, Luizão Maia (b), Danny Gottlieb, Paulinho Braga (ds), Randy Brecker (fly), Billy Drewes, Billy Egan (sax), Rudi Berger (vln), Armando Marçal, Robertinho Silva, Steve Thornton (perc), Boca Livre, Lourenco Baeta, Mauricio Maestro, José Renato, David Tygel (vo), Naná Vasconcelos (perc, vo)。
 

Moonstone-toninho-horta

 
Toninho Horta(トニーニョ・オルタ)は1948年ブラジルのミナス・ジェライス州生まれのギタリスト。1960年代後半から現在まで多方面でコンスタントに活躍。初リーダー作が1980年になるので、1960年代の最初のボサノバ&サンバ・ジャズのブームとは無縁。オルタの音世界は「演奏全体はフュージョン、若しくはコンテンポラリーな純ジャズで、その中にボサノバ&サンバの要素を織り交ぜているもの」に近い。

この『Moonstone』だってそうだ。初めて聴いた時「これってパット・メセニーちゃうん」と思った。ただ、良く聴くと主役のオルタのギターがパットとは違う。切れ味の良いアコギ風で、それも弾き込むのでは無い、適度に緩く適度にテンションを張った独特のギターの音色であり、リズム感である。リーダーの名前を確認して、このギターがボサノバ&サンバ系のギターであることで合点がいった。

確かにこの盤、PMG系のミュージシャンが多く参加しているので、PMGの音世界に近づくのも無理は無い。というか、意識してそうしているように感じる。フォーキーでネーチャーなコンテンポラリーなニュー・ジャズ、ワールド・ミュージック志向のコンテンポラリーな純ジャズをバックに、ボサノバ&サンバ系のギターが乱舞する。これがとても心地良い。聴いていて、ストレスがスッと抜けて、大きく深呼吸して大いにリラックス出来る、素敵な内容のネーチャー・ジャズである。

パット・メセニーの音世界の様で、そうではない。オルタのボサノバ&サンバ系のギターが、オルタの音世界のオリジナリティーをしっかりと留めている。しかし、本当に聴いていて心地良い、耳に心地良いボサノバ&サンバ系のギターであることか。好盤である。
 
 
 
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