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2021年8月24日 (火曜日)

エラとパスの小粋なデュオ盤

パブロ・レーベルは、元ヴァーヴのオーナー、ノーマン・グランツによって、1973年に設立された。クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ流行の時代に、レジェンド級のジャズマンを集めて、純ジャズのアルバムをリリースし続けた、骨のあるレーベルである。僕がちょうどジャズを本格的に聴き始めた頃、純ジャズ系のアルバムが入手し易いレーベルの1つだった。

1970年代での評価については、「昔の名前で出ています」的だの、昔の終わったジャズマンを集めた「懐メロジャズ」だの、我が国ではあまり評判は良くなかった。が、アルバムをちゃんと聴けば判るが「そんなことは無い」。平均的に「内容の整ったメインストリームな純ジャズ」のオンパレードで、聴いていて楽しいジャズばかりである。

Ella Fitzgerald & Joe Pass『Take Love Easy』(写真)。1973年8月28日、米国西海岸、LAでの録音。Pablo 2310-700 Seriesの702番。パブロ・レコードのカタログの2番目。ちなみにパーソネルは、Ella Fitzgerald (vo), Joe Pass (g)。モダン・ジャズギターの達人ジョー・パスのみを伴奏に従えて、エラ・フィッツジェラルドが唄うスタイル。
 

Take-love-easy-1

 
ギターだけの伴奏で唄う。シンプルだが、歌唱、ギターともに、かなりの力量が無いと飽きが来てしまい、LPサイズの所要時間がもたない。が、そこはまずは、ギターの達人「ジョー・パス」。ソロでも聴かせるギターを弾くくらいにそのテクニックと歌心は素晴らしいものがあり、ギター1本ではあるが、パスのギター伴奏は安心して身を委ねられるレベルである。

この盤の録音時、エラは56歳。ヴォーカリストとして、油の乗りきったベテランの域に達して、歌唱における説得力が半端ない。特にこの盤、バラード曲中心の選曲なので、その説得力に拍車がかかる。そもそも、ギター1本の伴奏である。ばりばりスキャットは無いだろう。バラード曲をジャジーに小粋に、しっとりしっかり唄い上げていく。ついつい引き込まれていく自分が判る。

とにかく、エラの歌唱テクニックは素晴らしい。ギター1本の伴奏なので、アップテンポの曲は無いが、その分、バラード曲のジャジーな歌唱にグッとくる。エラは盛りが過ぎているのでイマイチとか、若い頃と比べて、やれ「キレが無い」だの、やれ「ダイナミックさが薄れた」だの、好き勝手な評論も見るには見るが気にすることは無い。優れた女性ジャズ・ボーカル盤として一聴に値する内容である。
 
 
 
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