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2021年8月29日 (日曜日)

ゲイリー・バーツの異色盤です

ゲイリー・バーツ(Gary Bartz)は、スピリチャル・ジャズ系のアルト・サックス奏者。1970年にマイルス・バンドに抜擢されたことで、メジャーな存在になった。アフリカ回帰的なスピリチャル・ジャズがメインの音楽性を推し進め、1980年代後半以降のレア・グルーヴ・ムーブメントからヒップホップ、クラブジャズにおいて、バーツの作品がしばしばサンプリングされていて、バーツ再評価の動きが高まっている。

僕がジャズを聴き始めた1970年代後半、ゲイリー・バーツはまだまだ尖っていて、バーツのアフロ回帰なスピリチュアル・ジャズは、アフリカン・ネイティヴな響きが心地良いながら、そのスピリチュアルなアルト・サックスは何となく「強面」で、すぐには手を出すことが出来なかった。バーツのスピリチュアルなジャズを抵抗なく聴き始めたのは、ここ20年位かな。

Gary Bartz『Love Affair』(写真)。1978年の作品。ゲイリー・バーツのソフト&メロウ・フュージョン期の一枚。ちなみにパーソネルはおおよそ以下の通り。

Gary Bartz (as, ss, cl, per, vo), Juewett Bostick, Wah Wah Watson, John Rowin (g), George Cables (key), Nate Morgan (syn), Welton Gite (b), Curtis Robertson (b), Tony Robertson, Howard King (ds), Bill Summers (perc, congas), Vince Charles (perc, timbale) Dorothy Ashby (harp), Beloyd Taylor, Patryce "Chocolate" Banks, Sybil Thomas (vo) 等々。
 

Love-affair-1

 
スピリチュアル・ジャズの闘士的アルト・サックス奏者が、ソフト&メロウなフュージョンに手を染めた訳だから、聴く前は半信半疑。聴いて思わず苦笑い。ヴォーカルをフィーチャーした、流麗でスピリチュアルな「フュージョン風ジャズ・ファンク」がてんこ盛り。硬派で尖ったスピリチュアルな要素はどっかへ行ってしまった(笑)。しかし、この音世界を「フュージョン・ジャズ」とするには、ちょっと乱暴かと思う。あくまで、フュージョン風のジャズ・ファンクである。

冒頭「Big Apple Love」は、重厚なホーンのグルーヴにゴスペルチックなコーラスが絡むソウルフルなジャズ・ファンク。4曲目の「At Last」は、チョッパー・ベースが黒く、ブラック・フィーリング効きまくり、ラストの「Giant Steps」は、コルトレーンの名曲だが、ここではブラジリアン・フュージョンなアレンジの「ソフト&メロウなフュージョン・ファンク」曲に変身していて、思わずビックリ。

2曲目では、我が国ではポールモーリア楽団で有名なイージーリスニング曲「エーゲ海の真珠」をカヴァーしていて、これはやり過ぎやろう、と思いきや、バーツの切れ味良く流麗なアルト・サックスを堪能できる、ソフト&メロウなフュージョン調の仕上がりで、意外と聴かせてくれる。

純粋に流麗でスピリチュアルな「ソフト&メロウなフュージョン・ファンク」盤として聴くと、なかなかの内容。バーツのアルト・サックスは、切れ味良く流麗。ファンクネスを湛えつつ、印象的でリリカルなフレーズを連発している。加えて、ドロシー・アシュビーのドリーミーなハープが要所要所で効いている。意外と出来映えの良いフュージョン・ファンク盤である。
 
 
 
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