« ケニー・ワーナーのソロ・ピアノ | トップページ | 1974年のトミフラのソロ盤です »

2021年8月11日 (水曜日)

変わった素性のピアノ・ソロ盤

とても変わった素性のピアノ・ソロ盤もある。音を聴けば、明らかにキース・ジャレットなんだが、タッチが少し違う。ピアノのタッチが重き霧クラシック寄りなのだ。しっかり堅実、端正に鍵盤を叩き、押し込む。昔、社会人になりたての頃、「秘密の喫茶店」で、ママさんにブラインド・テストみたいに聴かされた盤なんだが、しばらく忘れていた。

Dennis Russell Davies『Keith Jarrett / Ritual』(写真)。1977年6月の録音。1982年、ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Dennis Russell Davies (p)。デニス・ラッセル・デイヴィスのソロ・ピアノ盤。

デニス・ラッセル・デイヴィスは米国ジュリアード音楽院出身のクラシックの指揮者。ピアニストでもある。本業は指揮者、ピアニストは副業の位置づけだが、クラシック・ピアニストとしても十分に認められているらしい。 1944年生まれなので、このソロ盤の録音時は、まだ33歳。若きクラシックの有望株である。

改めて、この盤、キース・ジャレット作曲のピアノ・ソロ曲を、デニス・ラッセル・デイヴィスがピアノで弾く、という、ちょっと変わったソロ・ピアノ盤である。くどいようだが、キースは作曲のみで、演奏はしていない。
 

Ritual-dennis-russell-davis

 
さすがに、キース・ジャレットの作曲なので、演奏のそこかしこに「キース節」が散りばめられている。演奏を聴いていると、演奏の構成自体は、キースのソロ・パフォーマンスと同様で、キースのソロ・ピアノの即興演奏をそのまま、楽譜に落とした様な趣である。しかし、しばらく聴いていて「これってキースやん」って判る位なので、キースの紡ぎ出すフレーズって、思いっ切り個性的なんだなあ、と改めて感心する。

デニス・ラッセル・デイヴィスのピアニストとしての個性はほぼ無い。キースと比較すると、キースより、ピアノ・タッチがしっかり堅実、端正に鍵盤を叩き、押し込んでいる。高音域の切れ味についてはキースの方が先鋭的。アブストラクトにフリーに即興演奏として自由度を追求することは無い。あくまで基本はクラシック・ピアノ。キースの譜面通りに弾き進めている様子が強く感じられる。

このピアノ・ソロ盤の中にあるのは、キース独特の手癖やフレーズ、音のカラーや重ね方で、そういう意味では、デニス・ラッセル・デイヴィスのクラシックのピアニストとしての技術は相当高いものが有るように思う。

しかし、ユニークなソロ・ピアノ盤である。ネット上でのアルバム評を見ていると、この盤をキースのソロ・ピアノ盤と勘違いしている向きもある。まあ、無理も無いですね。でも、確かに、このピアノ・ソロ盤、キースのソロ・パフォーマンスの代わりとしても楽しめる内容になっています。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 本日更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« ケニー・ワーナーのソロ・ピアノ | トップページ | 1974年のトミフラのソロ盤です »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ケニー・ワーナーのソロ・ピアノ | トップページ | 1974年のトミフラのソロ盤です »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カテゴリー