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2021年8月 4日 (水曜日)

コードからモードへの変化。

モダン・ジャズの発端が「ビ・バップ」、そして、それが進化した「ハードバップ」。これらは「コード」による演奏展開。アドリブ・フレーズを複雑化すればするほど「コード」は複雑化。複雑化の限界が来てマンネリに陥る。コードの複雑化に限界が来て、演奏の響きや雰囲気が皆同じに聴こえるようになる。

そこで、そのマンネリを打破すべく、マイルス・デイヴィスが西洋の古い教会音楽の音階を応用して作った演奏展開が「モード」。モード・ジャズは、それまでの「コード」中心の演奏展開とは全く逆の発想で、コード進行を徹底的に単純化(コードが2つとか3つ程度)、単純化された音階の中で自由度を高め、フレキシブルな変化を作り出す。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Meet You at the Jazz Corner of the World Vol.1 & 2』(写真)。ブルーノートの4054 & 4055番。1960年9月14日、NYのジャズクラブ「Birdland」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Pee Wee Marquette (announcer)。

そんな「コード」と「モード」の音の響きがとても良く判るメッセンジャーズのライヴ盤。パーソネルを見ると、テナー・サックスが、ベニー・ゴルソンからウェイン・ショーターに代わっている。
 

Meet-you-at-the-jazz-corner

 
その他のメンバーは、ファンキー・ジャズの名盤『Moanin'』と同じ。でも『Moanin'』と当ライヴ盤とでは、演奏展開、演奏の響きが全く異なるから面白い。

ゴルソンとショーター、両者ともメッセンジャーズの中での役割が「テナーと音楽監督の兼務」。音楽監督の演奏志向がガラッと変わり、その新しい演奏志向を担当のテナー・サックスで吹き上げていく。『Moanin'』と当ライヴ盤とを聴き比べると、「コード」による演奏展開と「モード」による演奏展開との、音の響きと雰囲気の違いが実に良く判る。

同時に演奏するジャズマン、特に旋律楽器において、「モード」に対する適用度合いに大きな差が出てくる。テナーのショーターは当たり前ながら、トランペットのモーガンも「モード」にしっかり適用してきているように聴こえる。

しかし、ティモンズのピアノは、何とか「モード」に適用しているが、気持ち良く弾いている訳ではなさそう。モードがベースのファンキー・ジャズをやっている時の躍動感が希薄になり、意外と窮屈そうなのだ。

ショーターが音楽監督を担当し、ジャズ・メッセンジャーズはモード演奏の先端を行くバンドに変化する。その変化によって、バンドのメンバー構成が大きく変化していく。
 
 
 
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