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2021年8月 2日 (月曜日)

ニューオリンズでの他流試合

1970年代、何故か、我が国では「キャノンボール兄弟」はウケが悪かった。兄弟が奏でる「ジャズ・ファンク」が、殊の外、我が国の硬派なジャズ者の方々のお気に召さなかったみたいで、兄のキャノンボールは「ファンクの商人」と揶揄され、弟のナットは「ファンクの商人の弟」と揶揄された。でも、僕は「キャノンボール兄弟」がお気に入りなんですけどね(笑)。

Nat Adderley『In the Bag』(写真左)。1962年5月19日、ニューオリンズでの録音。別タイトル『The Adderley Brothers in New Orleans』でリリースされたこともある。ちなみにパーソネルは、Nat Adderley (cor), Cannonball Adderley (as), Nat Perrilliat (ts), Ellis Marsalis (p), Sam Jones (b), James N. Black (ds)。

キャノンボール兄弟の「ニューオリンズ詣」である。パーソネルを見ると、ニューオリンズから、テナー・サックスのナット・ペリリアット、ドラムのジェームス・N・ブラック、そして、ピアノにエリス・マルサリス(ウィントン・マルサリスのお父さん)が参加している。NYからキャノンボール兄弟、そして、ベースのサム・ジョーンズ。フロント3管のセクステット編成である。
 

In-the-bag

 
面白いのは、この盤、わざわざニューオリンズまで出向いての録音なのに、LP時代に収録の7曲は「小粋なハードバップ」。ハードバップな演奏となれば、ニューオリンズから参加のメンバーは若くてちょっと弱い。逆に、キャノンボール兄弟の張りのあるパフォーマンスが際立っている。年齢的にも充実していた時期で、兄弟の吹き回しは見事。特に、ナットのコルネットが良い音している。

しかし、この内容ではわざわざニューオリンズまで出向いた意味が無いのだが、CDリイシュー時にボートラとして収録された2曲「The Popeye」や「The Gospel Truth」は、思い切りニューオリンズ・ディキシー風。あまりにあからさまにニューオリンズ風な演奏なので、LP時代には収録する場所が無かったのかな。

いずれにしろ、CDリイシュー時のボートラ収録で、ニューオリンズでの録音だったんやな、ということが腹落ちした次第。ただ、キャノンボール兄弟にとって、何か特別な意味を持つ盤かと言えば、そうでは無かった。この後、キャノンボール兄弟がニューオリンズ・ジャズに接近した風も無いし、逆に急速にファンキー・ジャズからジャズ・ファンクへ傾倒していく。今の耳から振り返ると、何とも不思議な位置づけの企画盤である。
 
 
 
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