« 西海岸のソウルフルなジャズ | トップページ | パブロのJ.A.T.Pの極上ライヴ »

2021年7月26日 (月曜日)

パブロ・レーベルらしい優秀盤

パブロ・レコード(Pablo Records)は1973年にノーマン・グランツによって設立されたジャズ・レコード・レーベル。ビ・バップ期以降のレジェンド〜ベテラン級のジャズマンをメインにセッションをセットアップし、1970年代、フュージョン・ジャズ全盛時にありながら、純ジャズに特化したアルバムを多数リリースした。

Milt Jackson『The Big 3』(写真)。1975年8月25日の録音。パブロ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Joe Pass (g), Ray Brown (b)。ジャズ・ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソンが筆頭リーダーのドラムレス・トリオ。管は全く無し。

ジャケットについては2種類あって、カラー版とモノクロ版。私たち、オールドなジャズ者からすると、LP時代のモノクロ版のジャケットに親近感がある。

フロント楽器の役割は、ミルトのヴァイブとパスのギターが担い、リズム&ビートは、パスのギターとブラウンのベースが担う。このヴァイブ+ギター+ベースのドラムレス・トリオの場合、3人の演奏テクニックについて、相当な力量が必要になる。特に、ギターとベースは大変忙しい。
 

The-big-3_1

 
まず、ミルトのヴァイブが絶好調。奇をてらうこと無く、ハードバップ期の好調時のミルトのヴァイブが帰ってきている。目新しさは全く無いが、品の良いファンクネスを偲ばせた、スインギーでジャジーな、成熟したヴァイブを聴かせてくれる。これが良い。「これぞ、極上のモダン・ジャズ」と思わず感じ入る。

他の2人に目を向けると、旋律楽器とリズム楽器の両方の役割を担うパスのギターは大変で、これをいとも容易い風に弾きこなしていくパスのギターについては「凄いなあ」の一言。レイ・ブラウンのベースも凄い。骨太でソリッドなベースでリズム&ビートをキープするのは当然、ソロ・パフォーマンスもハイ・テクニックを駆使して、唄うが如く、素晴らしい旋律弾きを披露している。

私がジャズを聴き始めたのが1970年代後半。この頃の我が国のパブロ・レーベルの評価は「過去のジャズメンを集めて、懐メロよろしく、旧来のハードバップをやらせてアルバムを量産する、商業ジャズ・レーベル」と揶揄されていた。が、そんなことは全く無い。たまに凡盤はあるが、概ね、良好なハードバップなジャズが記録されている。

パブロ・レーベルのアルバムを初めて聴いて以来40年。そんなパブロ・レーベルを再評価したい、と思っている。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》

 
 ★ AORの風に吹かれて        
【更新しました】 2021.06.10 更新。

  ・Santana『Inner Secrets』1978

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2021.06.10 更新。

  ・イエスの原点となるアルバム

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2021.06.10 更新。

  ・この熱い魂を伝えたいんや

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« 西海岸のソウルフルなジャズ | トップページ | パブロのJ.A.T.Pの極上ライヴ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 西海岸のソウルフルなジャズ | トップページ | パブロのJ.A.T.Pの極上ライヴ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー