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2021年7月29日 (木曜日)

パブロのホーキンス晩年の優秀盤

1970年代を中心に、パブロ・レーベルは、レジェンド級のベテラン・ジャズマンを起用し、旧来のハードバップを演奏させるという、明快なコンセプトを持ったレーベルであったが、我が国の評論家の面々からのウケは良く無かった記憶がある。「古いジャズだね、いいんじゃない」という透かした感じで、僕がジャズ者初心者の頃、そんな評論を読んで、あまり良い気持ちはしなかった。

Coleman Hawkins『Sirius』(写真)。1966年12月20日の録音。パブロ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Coleman Hawkins (ts), Barry Harris (p), Bob Cranshaw (b), Eddie Locke (ds)。テナー・レジェンド、コールマン・ホーキンスの1管フロントの「ワンホーン・カルテット」。ジャケットはLP時代の白黒写真のジャケットが一番良い。

コールマン・ホーキンスは1904年生まれ。スイング期からビ・バップ期に活躍、ハードバップ期にもなかなかの好盤を残している。この『Sirius』を録音した時点では、ホーキンスは62歳。大ベテランである。このアルバムでのホーキンスのテナー・サックスの演奏スタイルは完全に成熟していて、目新しいものは全く無い。しかし、その成熟したテナー・サックスは、ジャズ・テナーのお手本の様なエモーショナルでテクニカルな内容。
 

Sirius

 
パーソネルを見れば、ハードバップ期を活躍したベテラン・ジャズマンばかりで、特にバリー・ハリスをピアノに据えたリズム・セクションはとても味のあるパフォーマンスを聴かせてくれる。そんな素敵なリズム・セクションのバッキングを受けて、ホーキンスが気持ち良くテナー・サックスを吹き上げていく。

速いパッセージがある訳では無い。悠然とミッドテンポで印象的なフレーズを吹き上げていく。コルトレーン至上主義のジャズ者の方々からすると、「フレーズの終わりにビブラートを掛ける」癖が駄目なのだそうだが、これはジャズのサックスの吹き方のスタイルからすると、コルトレーン以前のオールド・スタイルの吹き方で、以前はこれがウケにウケていたのだから、頭ごなしに否定することは無いと思う。

この「悠然とミッドテンポで印象的なフレーズを吹き上げていく」ところがホーキンスの一番良いところ。だからこそ、バラードの吹きっぷりが素晴らしいのだ。バラードの解釈に関しては、他のサックス奏者だけで無く、マイルスやロリンズのような他の器楽奏者にも大きなインパクトを与えている。
 
 
 
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