ジャズ喫茶で流したい・210
ブルーノート・レーベルは、売れるであろう人気ジャズマンのリーダー作ばかりで無く、将来有望な新人を発掘〜初リーダー作を作らせたり、作曲の才能に着目、その自作曲がメインの作品を作らせたり、はたまた、ジャズのルーツである「アフリカン」なリズム&ビートに特化した企画盤を作ったり、ジャズを総合芸術とした捉え、多面的なジャズ音源を残してくれている。
Freddie Redd Quintet『Shades of Redd』(写真左)。1960年8月13日の録音。ブルーノートの4045番。ちなみにパーソネルは、Freddie Redd (p), Jackie McLean (as), Tina Brooks (ts), Paul Chambers (b), Louis Hayes (ds)。マクリーンのアルト・サックス、ブルックスのテナー・サックスがフロント2管のクインテット編成。
この盤に収録された曲の全てが、リーダーのフレディ・レッドの作。この盤のイメージは「フレディ・レッド作品集」。フレディ・レッドの作曲の才能に着目して制作されたアルバムと思われる。そう言えば、4027番の『The Music From The Connection』も、フレディ・レッドの書いたミュージカルの曲を収録していて、フレディ・レッドの作曲の才能を十分に確認出来るものだった。
レッドの作品の特徴はジャジーでブルージーで、マイナー調な哀愁感が色濃く漂う独特なもの。セロニアス・モンクの様に聴けばすぐ判る「癖」は無いが、レッドの作品は、ジャジーでアーバンな「大人のジャズ」の雰囲気が素敵な曲が多い。明るい曲調でも、どこか哀愁感が漂うところが興味深い。とにかく、聴いていて、この哀愁感が耳に心地良い曲ばかりが詰まっている『Shades of Redd』である。この哀愁感漂う、ジャジーで
なレッドの曲を演奏するのに、ピッタリ合ったサックス奏者が「ジャキー・マクリーン」。『The Music From The Connection』でもマクリーンのアルト・サックスがレッドの曲にピッタリだったのだが、この盤でのその人選を踏襲している。加えて、これまた哀愁テナーのティナ・ブルックスを2管フロントの相棒に招聘し、レッドの曲の「哀愁感」を増幅している。
「ジャジーでブルージーで、マイナー調な哀愁感が色濃く漂う」ところが、レッドの自作曲の特徴であれば、日本のジャズ者の感性にピッタリ合うように感じるのだが、この盤、あんまり話題に上ることがないんですよね。これが昔から不思議。ジャズ盤紹介本などで取り上げられることが殆ど無い盤なのが原因だと思っていて、一度聴けば、結構、皆、お気に入りになりと思うのですが、どうでしょう。
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