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2021年6月18日 (金曜日)

音は悪いが質の高いライヴ盤

スタジオ録音は何度でもやり直せたり、観客がいないので冷静に演奏出来たりするので、そのリーダーのジャズマンの「真の実力」が掴みにくい。やはりジャズマンの「真の実力」を感じるのはライヴである。一番良いのはライヴハウスに足を運んで、お目当てのジャズマンのライヴ・パフォーマンスを聴けば良いのだが、NYまで行く訳にいかない。そこで活躍するのが「ライヴ盤」である。

Joshua Redman『Blues for Pat: Live In San Francisco』(写真左)。1994年、サンフランシスコでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Joshua Redman (ts), Pat Metheny (g), Christian McBride (b), Billy Higgins (ds)。ジョシュア・レッドマンのテナー1管がフロントの「ワンホーン・カルテット」。

ピアノレスで、ギターにパット・メセニーが参加。ベースに若きマクブライド、ドラムに自由奔放、硬軟自在なベテランドラマー、ビリー・ヒギンス。ジョシュアは録音当時25歳。マクブライドは22歳。パットは40歳。ヒギンスは58歳。フロント1管、テナー・サックスとベースが若手の超有望株。そんな若手二人をパットとヒギンスがガッチリとサポートする。

このライヴ盤、録音状態にちょっと難があって(恐らくブートレグかと)、ジャズ者万民にはお勧めしかねるが、当時25歳、若手超有望株のジョシュアの個性と実力のほどが、とても良く判るライヴ盤である。

このライヴ盤のパフォーマンスを聴くと、ジョシュアはコルトレーンのフォロワーでも無いし、オールド・スタイルの踏襲でも無い。敢えて言うとロリンズに近いが、ロリンズほど自由奔放では無い。
 

Blues-for-pat
 

ジョシュアのテナーは堅実でクールで豪快である。テクニックをひけらかすような吹き方はしない。でも、テクニックはかなり優秀。テナーを良く鳴らしているなあと感心した。

パットはこういう「コンテンポラリーな純ジャズ」をやらせるとむっちゃ上手い。パットというと、純ジャズ路線は「オーネット・コールマン」かと思ったが、この盤ではジョシュアのテナーの個性と特徴を見抜いて、ジョシュアの個性と特徴を引き立てる、見事なサポート・プレイを聴かせてくれる。これ、結構、凄いです。弾きまくりながら、堅実なサポート。パットの凄みを感じます。

加えて、ヒギンスのドラミングもパットのギターと同様。ジョシュアのテナーの個性と特徴を見抜いて、ジョシュアの個性と特徴を引き立てる、柔軟なドラミングを聴かせてくれる。

マクブライドは最若手ですが、このベースのパフォーマンスはもう「ベテランの域」。テクニックは突出して素晴らしく、申し分無い。このライヴでも、結構長いソロ・パフォーマンスがフィーチャーされていて、当時としても、注目の若手ベーシストであったことが窺い知れる。

このライヴ盤、音はイマイチだけど、リーダーのジョシュアのテナーの個性と特徴が掴みやすい好ライヴ盤。そして、参加したサイドマンそれぞれの個性と特徴も良く判るという、なかなか優れものの、質の高いライヴ盤です。もうちょっと音が良かったらなあ。音のバランスとレベルを再調整して、正式盤として出し直して欲しいくらい、内容の濃いライヴ盤です。
 
 
 

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