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2021年6月の記事

2021年6月30日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・210

ブルーノート・レーベルは、売れるであろう人気ジャズマンのリーダー作ばかりで無く、将来有望な新人を発掘〜初リーダー作を作らせたり、作曲の才能に着目、その自作曲がメインの作品を作らせたり、はたまた、ジャズのルーツである「アフリカン」なリズム&ビートに特化した企画盤を作ったり、ジャズを総合芸術とした捉え、多面的なジャズ音源を残してくれている。

Freddie Redd Quintet『Shades of Redd』(写真左)。1960年8月13日の録音。ブルーノートの4045番。ちなみにパーソネルは、Freddie Redd (p), Jackie McLean (as), Tina Brooks (ts), Paul Chambers (b), Louis Hayes (ds)。マクリーンのアルト・サックス、ブルックスのテナー・サックスがフロント2管のクインテット編成。

この盤に収録された曲の全てが、リーダーのフレディ・レッドの作。この盤のイメージは「フレディ・レッド作品集」。フレディ・レッドの作曲の才能に着目して制作されたアルバムと思われる。そう言えば、4027番の『The Music From The Connection』も、フレディ・レッドの書いたミュージカルの曲を収録していて、フレディ・レッドの作曲の才能を十分に確認出来るものだった。
 

Shades-of-red

 
レッドの作品の特徴はジャジーでブルージーで、マイナー調な哀愁感が色濃く漂う独特なもの。セロニアス・モンクの様に聴けばすぐ判る「癖」は無いが、レッドの作品は、ジャジーでアーバンな「大人のジャズ」の雰囲気が素敵な曲が多い。明るい曲調でも、どこか哀愁感が漂うところが興味深い。とにかく、聴いていて、この哀愁感が耳に心地良い曲ばかりが詰まっている『Shades of Redd』である。この哀愁感漂う、ジャジーで

なレッドの曲を演奏するのに、ピッタリ合ったサックス奏者が「ジャキー・マクリーン」。『The Music From The Connection』でもマクリーンのアルト・サックスがレッドの曲にピッタリだったのだが、この盤でのその人選を踏襲している。加えて、これまた哀愁テナーのティナ・ブルックスを2管フロントの相棒に招聘し、レッドの曲の「哀愁感」を増幅している。

「ジャジーでブルージーで、マイナー調な哀愁感が色濃く漂う」ところが、レッドの自作曲の特徴であれば、日本のジャズ者の感性にピッタリ合うように感じるのだが、この盤、あんまり話題に上ることがないんですよね。これが昔から不思議。ジャズ盤紹介本などで取り上げられることが殆ど無い盤なのが原因だと思っていて、一度聴けば、結構、皆、お気に入りになりと思うのですが、どうでしょう。
 
 
 

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2021年6月29日 (火曜日)

これぞハードバップなバード盤

ドナルド・バードというトランペッターも、ブルーノート御用達の1人であった。他のレーベルにもリーダー作の録音はあるが、バードのリーダー作の半数以上がブルーノート・レーベルでの録音である。しかも、ブルーノートでのリーダー作については「捨て盤」が無い。どれもが内容の濃い、水準以上のリーダー作ばかりである。

Donald Byrd『Byrd In Flight』(写真左)。ブルーノートの4048番。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Jackie McLean (as), Hank Mobley (ts), Duke Pearson (p), Lex Humphries (ds), Doug Watkins (b, tracks 1, 3, 4), Reggie Workman (b, tracks 2, 5, 6)。ベーシストだけ、2人を使い分けている。

ブルーノートの4000番台の録音としては珍しいが、録音日は3つに分かれる。1960年1月17日 (#3 "Gate City"), 1960年1月25日 (#1 "Ghana", #4 "Lex"), 1960年7月10日 (#2 "Little Girl Blue", #5 "Bo", #6 "My Girl Shirl")。

3日に分かれたセッションの寄せ集め盤であるが、聴いてみると統一感バッチリ。ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンの手腕、恐るべしである。
 

Byrd-in-flight

 
ドナルド・バードのトランペットは常に安定していて素晴らしいが、この盤でのバードのトランペットは突出して素晴らしい。思索的でクールでハードバップなトランペットであり、力業で吹き上げるファンキー・ジャズなトランペッターでもある。バードのトランペットは「バップ出身」では無い。彼の吹き上げるフレーズはテクニカルで高速な吹き回しでは無い。思索がしっかりと入ったクールでファンキーなトラペットである。

そんなバードのトランペットがブリリアントにテクニカルに自由自在に疾走している。とにかく「上手い」。そして、そんなバードのトランペットに、これまた絶好調のモブレーとマクリーンが絡む。このフロント3管のユニゾン&ハーモニー、そしてアドリブ・ソロは素晴らしいの一言。

ピアソンの小粋にブルージーでファンキーなピアノをベースにしたリズム隊が、このフロント3管をしっかりサポートしている。これがまた良い。

ほんと、この盤には「絵に描いた様なハードバップ」な演奏がギッシリ詰まっている。何故かジャズ盤紹介本などでは採り上げられない盤なのだが、ハードバップを体感するのに最適なアルバムの一枚である。
 
 
 

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2021年6月28日 (月曜日)

エヴァンスの「Ronnie Scott's」

Bill Evans『Live at Ronnie Scott's』(写真)。1968年7月に英ロンドンの老舗ジャズクラブ「Ronnie Scott's」で4週間の連続公演を行った時の模様を収めたライヴ音源。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Eddie Gomez (b), Jack DeJohnette (ds)。ベースは長年のパートナーであったエディ・ゴメス。ドラムはジャック・デジョネット。このトリオは短命だったので、今回のライヴ盤のリリースは貴重な音源発掘になる。

ドラムがジャック・デジョネットのトリオ演奏は、正式盤としては、Verveレーベルからの『At The Montreux Jazz Festival』のライヴ盤が唯一だったが、2016年、そのわずか5日後にスタジオ録音が発掘されたのが『Some Other Time: The Lost Session From The Black Forest』。2017年、さらにその2日後のオランダでのコンサートの音源が発掘されたのが『Another Time : The Hilversum Concert』。「モントルー」のみの状態から、2016〜17年で2枚のライブ音源が発掘されたことになる。

このトリオは短命だったのだが、ゴメスもデジョネットもインタビューで「Ronnie Scott'sでの演奏が一番よかった」という発言をしていて、この音源は無いのかなあ、と思ったのだが、当時は「その音源は残っていない」と言われていたのを覚えている。が、今回、発掘された。ということで、ドラムがジャック・デジョネットのトリオ演奏について、今回もう一枚、貴重な音源が加わったことになる。
 

Live-at-ronnie-scotts
 

聴き始めてビックリ。ブートレグと間違う位の音の悪さ(聴けないほどでは無いけど)。録音のバランスも悪くて(これも聴けないほどでは無いけど)、主役のピアノよりも、ベースにシンバル、はては観客の拍手が一番マイクに近いところにある感じのバランスの悪さ。ただ、今回に関しては「Ronnie Scott's」の音源が残っていたことに「価値がある」。

演奏の雰囲気は、長年唯一であった『At The Montreux Jazz Festival』と同じ。この「モントルー」よりも演奏に一体感がある。録音バランスが悪いので判り難いが、リズム隊のゴメスのベースとデジョネットのドラムのダイナミズムが均等で、デジョネットのドラマーとしての実力が遺憾なく発揮されている。そんな極上のリズム隊に乗って、エバンスがダイナミックな「バップなピアノ」を弾きまくっている。

この「Ronnie Scott's」のライブをマイルスが観ており「あのドラマーをよこせ」となったらしい。このデジョネットの「バップのピアノをクールに新しい響きのポリリズムで鼓舞する」ドラムをエレ・マイルスに適用するというのだから、マイルスの慧眼、恐るべしである。そして、このデジョネットのドラムを、キース・ジャレットが招聘して「スタンダーズ」を結成するのである。この辺り、マイルスとキースって、感性の底で繋がっているんだなあ、て妙に感心する。
 
 
 

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2021年6月27日 (日曜日)

ヴィンセント・ハーリングの快作

Nat Adderley Quintet『The Old Country』というアルバムで、この人のアルト・サックスを耳にして以来、ずっとお気に入りのアルト・サックス奏者として、パーソネルにその名前を見る度に、そのアルト・サックスのプレイを楽しんでいる。そのアルト・サックス奏者とは、ヴィンセント・ハーリング(Vincent Herring)。

ヴィンセント・ハーリングは、1964年、ケンタッキー州生まれ。今年で57歳になる。そうか、もうヴィンセントも57歳になるのか。聴き始めた時は、まだまだ若手。威勢が良くて、ダイナミック&スピーディーな展開、仄かにファンクネス漂い、ソウルフルに吹き上げる「鯔背な」アルト・サックス奏者だった。歳を重ねる毎に「深み」と「コク」が備わって、ハッピー・スウィンガーなアルト・サックス奏者として、いよいよベテランの域に達している。

Vincent Herring『Preaching to the Choir』(写真左)。2021年4月のリリース。リリースしたてのホヤホヤである。ちなみにパーソネルは、Vincent Herring (as), Cyrus Chestnut (p), Yasushi Nakamura(中村恭士) (b), Johnathan Blake (ds)。リーダーのヴィンセント・ハーリングのアルト・サックスが一管フロントのカルテット編成。いわゆるヴィンセント・ハーリングの「ワン・ホーン・カルテット」である。
 

Preaching-to-the-choir

 
サックスの「ワン・ホーン・カルテット」は、そのサックス奏者の「個性」と「録音時の状態」が良く判る。このヴィンセントの新盤、とにかくヴィンセントが吹きまくっている。ヴィンセントのアルト・サックスが「鯔背」に「小粋」に唄いまくっている。ほんと、現在の状態の良さがとても良く判る、年齢の深みを備えたハッピー・スウィンガーなヴィンセントがこの盤にどっしりと腰を据えている。

ヴィンセントのアルト・サックスと同傾向のピアノがこれまた良い。誰だろうと思ってパーソネルを見たら、あぁやっぱり「サイラス・チェスナット」でした。テクニック申し分無く、ソロを取らせればダイナミック、歌心溢れ、オーソドックスではあるが、その溌剌とした弾きっぷりは、ヴィンセントのアルト・サックスとの相性は抜群。中村恭士のベース、ジョナサン・ブレイクのドラムの「リズム隊」の好調を維持。ヴィンセントとチェスナットを、硬軟自在、変幻自在に支え、鼓舞する。

ヴィンセント・ハーリングって、コロナウィルスに感染して、後遺症(関節リウマチ)に悩まされつつ、この盤の録音に臨んだそうだ。この録音以来、幸いにもハーリングは専門家の助けを借りて、痛みをかなり抑えることが出来たそうで、良かった。この盤が最後になるかも、とヴィンセントは思ったそうだが、いやいや、まだ57歳。これからも、良好なネオ・ハードバップ盤を出し続けて欲しい。
 
 

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2021年6月26日 (土曜日)

テイラーのドラミングを愛でる

僕はこの人のドラミングを聴く度に、何も強烈な個性の持ち主でなくても、自己主張が希薄でも、ジャズという演奏には絶対必要なものがある、と思い直す。

例えば、アート・ブレイキーやエルヴィン・ジョーンズの様に、そのドラミングに強烈な個性があるドラマー、そして、マックス・ローチやトニー・ウィリアムスの様に、基本的に前面に出たがるドラマーなど、ジャズ・ドラマーは癖が強い人が多いが、この人のドラミングは違う。

アート・テイラー(Art Taylor)。ハードバップ時代のファースト・コール・ドラマー1人。ハードバップの数多くのセッションのドラマーを担当していて、ハードバップ時代のジャズ名盤を聴き進めて行くと、必ず、このドラマーの名前に目にすることになる。

Art Taylor『A.T.'s Delight』(写真左)。1960年8月6日の録音。ブルーノートの4047番。ちなみにパーソネルは、Art Taylor (ds), Dave Burns (tp), Stanley Turrentine (ts), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Carlos "Patato" Valdes (conga)。ディヴ・バーンズのトランペットとスタンリー・タレンタインのテナーが2管フロントのクインテット編成にコンガが客演する。
 

Ats-delight

 
アート・テイラーって、一言で言うと、地味ではあるがテクニックは確か、フロントのジャズマンを引き立てる、地道に汗をかくことが出来るドラマーである。基本的に目立たない。リーダー然としてフロントを鼓舞する訳でも無い。ドラミングは整然として堅実。大向こうを張るプレイはしない。つまりはリズム隊の一員として、リーダーを引き立て、フロント楽器を引き立てる、玄人好みの粋で安定したドラミングを供給するのだ。

そんなテイラーである。リーダー作は非常に少ない。この『A.T.'s Delight』はブルーノート・レーベルに残した、数少ないリーダー作の中の一枚。1曲目のコルトレーンの「Syeeda's Song Flute」が来て、2曲目にモンクの「Epistrophy」が来る。こういうところに、ブルーノートの総帥プロデューサーのライオンの、このメンバーでもコルトレーンやモンクを内容良く演奏出来るんだよ、という矜持を感じる。

テイラーはリーダーでありながら、時折、長めのドラム・ソロが入るところに「あぁ、この盤のリーダーはドラマーなのだ」ということを感じるのだが、あくまでフロント楽器を引き立てる役に徹している。これがテイラーのドラミングの個性なのだから、この盤の内容は正解なんだろう。曲によってはコンガも入って、実に聴きやすく判り易いハードバップな演奏が、この盤にぎっしり詰まっている。
 
 
 

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2021年6月25日 (金曜日)

切々と叙情的な変則トリオ

ジャズの演奏形態って、これが絶対という「定型」が無い。例えば「ピアノ・トリオ」を例に取ってみても、基本は「ピアノ+ベース+ドラム」なんだが、「ピアノ+ベース+ギター」というのもあるし、「ピアノ+ベース+サックス」というものある。基本的には楽器同士の相性をベースに編成するが、相性の悪い楽器同士で編成を組むケースもある。つまりは「何でもアリ」なんですね(笑)。

Carla Bley, Andy Sheppard & Steve Swallow『Trios』(写真左)。2013年4月の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、’Carla Bley (p), Andy Sheppard (sax)、Steve Swallow (b)。ピアノ・トリオ編成とはいっても、ピアノ+ベース+サックスという、ECMレーベルらしい、捻った編成のトリオである。

自由度の高いピアノを弾くカーラ・ブレイという印象が強いが、この盤でのカーラのピアノは、意外ではあるが、とても叙情的でリリカル。欧州ジャズらしい響きであり、ECMらしい響きでもある。収録曲5曲全て、カーラ・ブレイの作曲。それぞれの曲の出来が良く、作曲者本人、自らがピアノを弾くので、やはり、当然のことながら内容が良い。
 

Trios-carla

 
カーラのピアノに、アンディ・シェパードのサックスが効果的に絡む。シェパードのサックスの響きも実に「欧州的でリリカル」。そんなピアノとサックスの相乗効果で、このアルバム全体の雰囲気である「切々と叙情的で欧州的な」響きが増幅される。ドラムが無い分、このピアノとサックスの絡みが詳細に渡って聴き取ることが出来るので、この盤の全体に漂う「切々と叙情的で欧州的な」響きを十分に堪能することが出来る。

そして、カーラとシェパードのサックスの絡みをガッチリとサポートするのが、スワローのベース。スワローのベースは「エレクトリック」。カーラのピアノのタッチが硬質で切れ味が良く、そして、シェパードのサックスも同様に音が固くて切れ味が良い。そんなピアノ&サックスを、スワローのエレベ(エレクトリック・ベース)が包み込む様にサポートする。このピアノとサックスをサポートするベースはやはり「エレベ」が最適だろう。

ドラムレスの「ピアノ+ベース+サックス」という変則ピアノ・トリオであるが、ドラムレスが正解だし、ベースは「エレベ」が正解。プロデュースは「マンフレート・アイヒャー」。へ〜っ、カーラ・ブレイのセルフ・プロデュースやないんや。ということは、アイヒャーのプロデューサーとしての手腕、まだまだ衰えていない、ということになる。凄いなあ、アイヒャー。
 
 
 

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2021年6月24日 (木曜日)

ストイックで真摯なマクリーン

ジャキー・マクリーン(Jackie McLean)は、進化に向かって努力するアルト・サックス奏者であった。ハードバップ初期に頭角を現し、ハードバップを代表するアルト・サックス奏者の1人になった。しかし、当時のジャズは急速に進化していた。マクリーンは、そのジャズの急速な進化に乗り遅れる事無く、積極的に進化に向かってチャレンジしていった「改革者志向」のジャズマンであった。

Jackie McLean『Capuchin Swing』(写真左)。1960年4月の録音。ブルーノートの4038番。 ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Blue Mitchell (tp), Walter Bishop, Jr. (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。リーダーのマクリーンのアルト・サックスとブルー・ミッチェルのトランペットの2管フロント。クインテット編成である。

この盤を聴くと面白いのは、演奏の響きの中に、ハードバップな音からモーダルな音にシフトする兆しが見え隠れするところ。いわゆる後の「新主流派」の音の雰囲気が、この盤のところどころに顔を覗かせている。ただし、この「兆し」は、マクリーンのアルト・サックスのパフォーマンスにのみ感じるもので、他のメンバーのパフォーマンスについては、基本的に「ハードバップ」の雰囲気を色濃く踏襲している。
 

Capuchin-swing

 
マクリーンのアルト・サックスは、何時でも「真摯で実直」。遊びや破綻とは無縁の、ストイックなアルト・サックス。アドリブ・フレーズでの「他の名曲のフレーズの引用」などの遊びは全く無い。この盤では、コードをベースにしたハードバップのアドリブ展開の中で、如何に自由度高く吹くことが出来るか、に挑戦しているかのような、「思考している」アドリブ・フレーズが印象的。

ミッチェルのトランペットもファンキー・ジャズな吹き回しを封印し、ストイックなマクリーンのフレーズに追従する。面白いのはハッピー・スインガーのビショップJr.のピアノが、まるで「新主流派」の様な、ちょっとモーダルなフレーズを取り込んでいるところ。そう、この盤には、マクリーンの「新主流派」への進化「一歩手前」の、ストイックで真摯なハードバップな演奏が詰まっている。

クインテットのメンバー全員好調で、選曲についても、ジャズ・スタンダード曲は1曲のみと潔い。聴き手に迎合すること無く、ジャズの進化に積極的にチャレンジしていたマクリーンのパフォーマンスがこの盤に記録されている。我が国ではほとんど話題に上る事の無い盤だが、音的にもブルーノートらしい、ハードバップ者の方々には必聴の「隠れ好盤」です。
 
 
 

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2021年6月23日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・209

このアルバムのジャケットは素晴らしい。ブルーノート・レーベルらしさが溢れている。大胆なタイポグラフィー、大胆なレイアウト。しかも、このジャケットにはリーダーのジャズマンの顔写真が無い。恐らく、当時、必要が無かったんだろう。それだけ、この盤のリーダーはジャズ・ファンの間では顔なじみだったのかもしれない。

Lou Donaldson『Sunny Side Up』(写真左)。ブルーノートの4036番。1960年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Bill Hardman (tp), Horace Parlan (p), Laymon Jackson (b), Sam Jones (b), Al Harewood (ds)。リーダーのルーさんのアルト・サックス、ビル・ハードマンのトランペットのフロント2管。ピアノに新進気鋭のホレス・パーランが座る、新しい響きのリズム隊。クインテットの編成である。

この盤の録音時、ルーさんは34歳。ハードマンは27歳。ホレス・パーランは29歳、サム・ジョーンズは36歳、ヘアウッドは37歳。ルーさんは30歳台メンバーで最若手。ハードマンとパーランはまだ20歳台。ジャズマンの年代レベルからすると「若手中堅」。そんな若手中堅が、「ジャズの多様化」が始まった1960年という時代に、従来からの「ハードバップ」を奏でている。
 

Sonny-sideup

 
が、その「ハードバップ」な響きは、新しい雰囲気を宿している。別にモードをやってる訳じゃ無いし、ファンクネス濃厚でポップな「ファンキー・ジャズ」をやっている訳でも無い。それでも、この盤には当時の「ハードバップの新しい響き」が詰まっているし、この盤の演奏の全体的な雰囲気や響きはどこまでも「ブルーノート・レーベルらしい」のだ。

この盤、シュッとしたブルース・フィーリングが横溢していて、結構、硬派でダンディズム溢れる「ハードバップ」な演奏である。ルーさんのアルトは心地良く唄い、ハードマンのペットはマイナー・ムードでリリカルに響く。パーランのピアノは伴奏上手。アーシーな左手のブロックコードが「合いの手」の様に響き、右手の右手のリズム・タッチのドライヴ感は、フロント楽器をサポートし鼓舞する。実に良い感じのクインテットである。

そう、この盤はジャジーとかファンキーというよりは、ブルージーな盤。溢れんばかりのブルース感覚が、意外と「ハードバップ」の演奏フォーマットの中で新しい感覚で響くのだ。単純な「ハードバップ」な演奏では無い。この盤での濃厚なファンクネスは、この「ブルージー」な感覚を増幅させる為にある。もっともっと評価されるべき「ブルーノート」らしい、ルーさんのリーダー作である。
 
 

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2021年6月22日 (火曜日)

デューク・ジョーダンを愛でる

こういう録音をちゃんと残しているから、ブルーノート・レーベルは、ジャズの老舗レーベルとして、常に一目置かれるし、リスペクトの対象にもなるのだなあ、と改めて感心する。

この盤のリーダーは当時、優れたジャズ・ピアニストでありコンポーザーでもあった。しかし、如何せん人気が出ない。当然、リーダー作は売れない。一時、タクシー・ドライバーに転じて、糊口を凌いだ時期もあった。しかし、最終的にジャズ・ピアノのレジェンドの一人として名を残している。

Duke Jordan『Flight to Jordan』(写真左)。1960年8月4日の録音。ブルーノートの4046番。ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Dizzy Reece (tp), Stanley Turrentine (ts), Reggie Workman (b), Art Taylor (ds)。ディジー・リースのトランペットとスタンリー・タレンタインのテナー・サックスの2管がフロントのクインテット編成。

デューク・ジョーダンはビ・バップ時代から活躍していたジャズ・ピアニスト。マイナーな響きが癖になる、ブルージーでクールなファンクネスを漂わせたピアノが個性。タッチは端正で破綻は無い。作曲やアレンジの才にも優れ、特にフロントに管を配したアレンジは秀逸なものが多い。コンポーザーとしての代表曲は「No Problem(邦題:危険な関係のブルース)」。
 

Flight-to-jordan-1

 
この唯一のブルーノートでのリーダー作である『Flight to Jordan』は、そんなジョーダンのピアノの個性と作曲&アレンジの才の両方をしっかり体感し確認出来る好盤である。さすが、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンのアルバム作りのセンスの良さが光っている。

ジョーダンの伴奏上手なピアノを引き立て、ジョーダンの書く曲の良さを伝えてくれる、フロントのディジー・リースのトランペットとスタンリー・タレンタインのテナー・サックスの2管の存在。取り立ててジャズとして先進的な内容では無い、しかし、極上のハードバップな演奏がこの盤に詰まっている。ハードバップの良いところがてんこ盛り。

この盤がリリース当時、売れなかったのも意外だし、ジョーダン自身が売れなかったのも意外である。音楽なんてそんなものかもしれないが、売れていないがジャズマンとして優れたテクニックを持ち、コンポーザーとしての優れた才能を持ったジャズマンの波fーマンスを、こうやって、しっかりと記録に残すジャズ・レーベルって、やっぱり凄いなあと思うのだ。

ジャケット・デザインも秀逸。1960年という時期に、ジョーダンのピアノの個性と作曲&アレンジの才の両方をしっかり体感し確認出来る盤を記録として残したこと、ブルーノートらしい素晴らしい仕事だったと思います。
 
 
 

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2021年6月21日 (月曜日)

スリー・サウンズの好盤の一枚

1950年代から1960年代のブルーノート・レーベルの最初の黄金時代、唯一のピアノ・トリオを企画し、ブルーノートの人気ピアノ・トリオに押し上げ、ブルーノートの「ドル箱」となったのが「the 3 sounds(スリー・サウンズ)」。我が国ではこの「企画された」ところが作為的に捉えられたのか、スタンダード曲中心の判り易い演奏が「俗っぽい」捉えられたのか、何故か人気、評価共にあまり高く無い。

the 3 sounds『Moods』(写真左)。1960年6月28日の録音。ブルーノートの4044番。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。ブルーノート・レーベルの「お抱え」ピアノ・トリオ、スリー・サウンズのスタンダード集である。ちなみに、艶めかしいジャケットの女性は、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの細君であるルース夫人。

このアルバムだけは、スリー・サウンズのアルバムの中で、我が国のジャズ盤紹介本やジャズ雑誌のピアノ・トリオの特集によく挙がるアルバムである。選曲もスタンダード曲がメイン。とりたてて、スリー・サウンズが他のアルバムと比べて、レベルの高い演奏を繰り広げている訳でも無い。アルバム・ジャケットも女性の横顔だけという平凡なもの。なのに我が国ではスリー・サウンズの代表盤の様に扱われている。
 

Moods-the-3-sounds

 
改めて、この盤のスリー・サウンズの演奏は、他のアルバムと比べても、その演奏レベルは同等。判り易くシンプルな展開、それでいて、演奏テクニックは高く、やっていることは意外と難度が高い。ただ、演奏の雰囲気がとても判り易くシンプルなので、カクテル・ピアノっぽいトリオ演奏と誤解されやすい。それでもこの盤は「スリー・サウンズの代表盤」として、もてはやされる。

恐らく、選曲が「どスタンダード曲」が目立つので、例えば「Love for Sale」「On Green Dolphin Street」「Li'l Darlin'」「Things Ain't What They Used to Be」などだが、ジャズ者初心者向けにピッタリだと、昔の評論家の方々が考えたのかも。

でも、ソニー・スティットの「Loose Walk」や、クリフォード・ブラウンの「Sandu」など、渋い内容のミュージシャンズ・チューンが選曲されていたりで、この辺りはジャズ者初心者向けとは思えないんですけどねえ。

この盤、スリー・サウンズの代表盤という位置づけでは無く、他のスリー・サウンズと同様の、判り易くシンプルな展開の「極上のピアノ・トリオ演奏」がギッシリ詰まっています。この盤も「スリー・サウンズの好盤の一枚」という位置づけでしょうか。
 
 
 

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2021年6月20日 (日曜日)

近年のロイドの「屈指の好盤」

ジャズの最重要な老舗レーベルである「ブルーノート・レーベル」。1950年代〜1960年代のカタログ番号、1500番台、4000番台、4100番台、4200番台はジャズの進化の歴史が体感できる「モダン・ジャズの宝庫」なんだが、現代の「ブルーノート・レーベル」も、先進的で個性的なジャズをリリースし続ける、ジャズの最重要なレーベルである。

Charles Lloyd & The Marvels『Tone Poem』。2021年のリリース。ちなみにパーソネルは、Charles Lloyd (ts, fl), Bill Frisell (g), Greg Leisz (steel-g), Reuben Rogers (b), Eric Harland (ds)。ピアノレス、チャールズ・ロイドのテナー・サックスが1管フロントのクインテット編成。ギターが通常のギターと、ジャズでは珍しいスチール・ギターが参加している。

不思議な響きが詰まったジャズ盤である。1970年代のECMレーベルがお得意の「ニュー・ジャズ」の雰囲気でもあり、現代の静的なスピリチュアル・ジャズの雰囲気もあり、米国ルーツ・ミュージックをベースとした「ネイチャー・ジャズ」の雰囲気もあり、とにかく、今までに無い、ネオ・ハードバップとは全く対極の、クールでスピリチュアルな雰囲気が満載である。
 

Tone-poem

 
この不思議な音の雰囲気に貢献しているのが「選曲」で、オーネット・コールマン作の「Peace」「Ramblin'」(1〜2曲目)、レナード・コーエン作の「Anthem」(3曲目)、セロニアス・モンク作の「Monk's Mood」(6曲目)、ガボール・サボ作の「Lady Gabor」(8曲目)など、一癖も二癖もある「素敵に捻れた楽曲」が選曲されている。これが「ミソ」なのだ。

これらの「素敵に捻れた楽曲」が、ロイドのテナー、フルート、そして、フリゼールの捻れギター、そして、レイズのスチール・ギターのクールでスピリチュアルな音とぴったりマッチして、ニュー・ジャズの様な、スピリチュアル・ジャズの様な、ネイチャー・ジャズの様な、適度に緩い、不思議な雰囲気の響きが充満している。

近年のロイドのリーダー作、充実している。ロイドのテナーは激しく吹きまくる訳でも無く、淡々として落ち着いた語り口だが説得力は抜群。フリーゼルとレイズのギターも全編に渡って効いていて、思いっ切り印象に残る。ロジャースのベースとハーランドのドラムのリズム隊は、そんな自由度溢れるインプロビゼーションを、変幻自在にサポートしている。これ、ロイドのリーダー作として、屈指の好盤ではないかしら。とにかく現代のモダン・ジャズとして一聴すべき好盤だと思います。
 
 
 

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2021年6月19日 (土曜日)

ランディとイリアーヌの「娘よ」

ジャズ盤のリイシューには目が離せない。CDの時代になって、既に35年が過ぎて、LPでリリースされていたアルバムのCDfーマットでのリイシューは随分進んだ。しかし、リイシューして売れるアルバムは複数回リイシューされているが、売れそうも無いマニアックなアルバムは未リイシューのままだった。

しかし、ネットのサーバーに音源をアップした「音源ダウンロード」の時代になると、LP時代の音源(ほとんどが磁気テープ)をデジタル音源化してハードディスクにアップする作業が進み、そのデジタル化した音源をネットのサーバーにそのままアップして、ダウンロードして聴くことが出来る様になった。その動きの中で、売れそうも無いマニアックなアルバムもリイシューされることが多くなった。

Randy Brecker & Eliane Elias『Amanda』(写真)。1985年の録音。ちなみにパーソネルは、Randy Brecker (tp), Eliane Elias (p, vo), Will Lee (b), Jeff Mironov (g), Chris Parker (ds), Mark Egan (b), Danny Gottlieb (ds), Michael Brecker (ts, afl), Barry Finnerty (g), Dave Weckl (ds), Manolo Badrena (per), Cyro Badrena (per), Sadao Watanabe (as) 。
 

Amanda_1

 
パーソネルを見渡すと、ブームが過ぎ去ったフュージョン・ジャズの「名手」達が大集合。我が国から「渡辺貞夫」さんの参加もある。音の雰囲気としては「ブレッカー・ブラザース」。イリアーヌの参加によって「ブラジル」色の強い音もそこかしこにある。1985年の録音なんだが、音的には「フュージョン・ジャズ」のブーム真っ只中の典型的なフュージョン・ジャズが展開されている。

特に、ランディ・ブレッカーのトランペットは「はっちゃけて」いる。喜び爆発という感じでトランペットを吹きまくる。イリアーヌもピアノを弾きつつ、唄いまくる。特にイリアーヌのボーカルが良い感じ。気合いが入っている。ランディの弟、マイケル・ブレッカーのサックスも唄っていて、そう、この盤は、ブラジリアン・フュージョン志向のブレッカー・ブラザースだ。

アルバム・タイトルの「Amanda(アマンダ)」は、この盤の録音の前年、1984年に生まれたランディとイリアーヌの間に生まれた娘の名前。そう、ランディとイリアーヌって以前は夫婦だったんですね。なるほど、そういう背景から、娘の「アマンダ」に捧げられたこの盤、ランディとイリアーヌの気合いの入り具合が突出しているんですね。なんだか微笑ましいエピソードです。
 
 
 

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2021年6月18日 (金曜日)

音は悪いが質の高いライヴ盤

スタジオ録音は何度でもやり直せたり、観客がいないので冷静に演奏出来たりするので、そのリーダーのジャズマンの「真の実力」が掴みにくい。やはりジャズマンの「真の実力」を感じるのはライヴである。一番良いのはライヴハウスに足を運んで、お目当てのジャズマンのライヴ・パフォーマンスを聴けば良いのだが、NYまで行く訳にいかない。そこで活躍するのが「ライヴ盤」である。

Joshua Redman『Blues for Pat: Live In San Francisco』(写真左)。1994年、サンフランシスコでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Joshua Redman (ts), Pat Metheny (g), Christian McBride (b), Billy Higgins (ds)。ジョシュア・レッドマンのテナー1管がフロントの「ワンホーン・カルテット」。

ピアノレスで、ギターにパット・メセニーが参加。ベースに若きマクブライド、ドラムに自由奔放、硬軟自在なベテランドラマー、ビリー・ヒギンス。ジョシュアは録音当時25歳。マクブライドは22歳。パットは40歳。ヒギンスは58歳。フロント1管、テナー・サックスとベースが若手の超有望株。そんな若手二人をパットとヒギンスがガッチリとサポートする。

このライヴ盤、録音状態にちょっと難があって(恐らくブートレグかと)、ジャズ者万民にはお勧めしかねるが、当時25歳、若手超有望株のジョシュアの個性と実力のほどが、とても良く判るライヴ盤である。

このライヴ盤のパフォーマンスを聴くと、ジョシュアはコルトレーンのフォロワーでも無いし、オールド・スタイルの踏襲でも無い。敢えて言うとロリンズに近いが、ロリンズほど自由奔放では無い。
 

Blues-for-pat
 

ジョシュアのテナーは堅実でクールで豪快である。テクニックをひけらかすような吹き方はしない。でも、テクニックはかなり優秀。テナーを良く鳴らしているなあと感心した。

パットはこういう「コンテンポラリーな純ジャズ」をやらせるとむっちゃ上手い。パットというと、純ジャズ路線は「オーネット・コールマン」かと思ったが、この盤ではジョシュアのテナーの個性と特徴を見抜いて、ジョシュアの個性と特徴を引き立てる、見事なサポート・プレイを聴かせてくれる。これ、結構、凄いです。弾きまくりながら、堅実なサポート。パットの凄みを感じます。

加えて、ヒギンスのドラミングもパットのギターと同様。ジョシュアのテナーの個性と特徴を見抜いて、ジョシュアの個性と特徴を引き立てる、柔軟なドラミングを聴かせてくれる。

マクブライドは最若手ですが、このベースのパフォーマンスはもう「ベテランの域」。テクニックは突出して素晴らしく、申し分無い。このライヴでも、結構長いソロ・パフォーマンスがフィーチャーされていて、当時としても、注目の若手ベーシストであったことが窺い知れる。

このライヴ盤、音はイマイチだけど、リーダーのジョシュアのテナーの個性と特徴が掴みやすい好ライヴ盤。そして、参加したサイドマンそれぞれの個性と特徴も良く判るという、なかなか優れものの、質の高いライヴ盤です。もうちょっと音が良かったらなあ。音のバランスとレベルを再調整して、正式盤として出し直して欲しいくらい、内容の濃いライヴ盤です。
 
 
 

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2021年6月17日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・208

一日の終わり、寝る前に聴くジャズ盤を「今日のラスト」と称して、ほぼ毎日、Twitterで呟いている。最近のテーマは「初心にかえってブルーノート4000番台の聴き直し」。

ブルーノートの4000番台のアルバムをカタログ番号順に聴き直しているのだが、ブルーノート・レーベルには、このレーベルに録音を残していなければ、恐らく、ジャズの歴史の中に埋没して、忘れ去られただろうと思われる、玄人好みの「渋いジャズマン」が幾人かいる。

ディジー・リース(Dizzy Reece)も、そんなジャズマンの1人だろう。もともとはジャマイカ出身の英国のジャズマン。リースのマネージャーがマイルスにアルバムを送ったところ、マイルスが感激し一言「英国には俺と同じくらい上手いトランペッターがいる」。それがブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの耳に入り、録音に至ったとのこと。初リーダー作は、録音エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーが海を渡っての録音。かなりの力の入れようだったようだ。

Dizzy Reece『Soundin' Off』(写真左)。1960年5月12日、NYの「Van Gelder Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Dizzy Reece (tp), Walter Bishop Jr. (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。当時、ブルーノートで売り出し中だったピアノのビショップ、早逝の職人ベーシストのワトキンス、当時のファースト・コール・ドラマーのテイラーの「ブルーノート」らしいリズム隊をバックに、リースのトランペットがワンホーンのカルテット編成。
 

Soundin-off

 
この盤が一番、リースの個性を掴みやすい。テクニックはまずまず、当時、最先端のモード奏法をやる訳でも無く、いわんやフリーなんてとんでもない。僕は何故、マイルスが「英国には俺と同じくらい上手いトランペッターがいる」と評価したのか、よく判らないでいたのだが、この盤で合点がいった。

リースのトランペットの音がとても心地良いのだ。リースのアドリブ・フレーズが流麗なのだ。つまりマイルスのいう「クール」なトランペットであり、女性を口説けるトランペットなのだ。テクニックの凄さやジャズの進化の音には全く意に介さず、「音楽」としての、「音を楽しむもの」としての「ジャズ」がこの盤に記録されている。

リースのトランペットで奏でられるスタンダード曲がとても心地良い。バックのリズム隊、ビショップJr.の明るくスインギーなピアノ、ワトキンスの骨太ウォーキング・ベース、そして、テイラーの職人芸ドラミングも実に聴いて心地良いバッキング。この盤には、聴いて心地良い「ハードバップ」な音が充満している。

ジャケットがブルーノートらしくないところが面白い。ブルーノートの「メインのジャズ」とはちょっと雰囲気が違う、そんな差別化をジャケットでも表現したかったのかもしれない。
 
 
 

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2021年6月16日 (水曜日)

1981年の硬派な純ジャズ

ネットの音楽サブスク・サイトを徘徊していて、久し振りに「Mal Waldron(マル・ウォルドロン)」の名前に出くわした。僕はジャズ者初心者の頃から、この人のピアノが意外と好きで、振り返ってみると、マルのリーダー作を結構、所有していたりするから面白い。やはり、ジャズ・ピアニストは「個性派」の方が僕は好きかな。

マル・ウォルドロンはピアニスト。タッチは深く、それでいて流麗。右手の奏でるフレーズの基本はマイナーでブルージー。その左手は印象的な重低音のビートを叩き続ける。つけられたニックネームが「黒い情念」。右手のマイナーフレーズ+左手の重低音ビートが「黒い情念」の核。

Mal Waldron『What it Is』(写真左)。1981年11月15日の録音。Enjaレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Mal Waldron (p), Clifford Jordan (ts), Cecil McBee (b), Dannie Richmond (ds)。1981年の録音なので、フュージョン・ジャズの大流行の後半真っ只中の録音。しかし、パーソネルを見渡せば判る。曲者揃いの硬派なメインストリーム・ジャズである。
 

What-it-is-mal-waldron

 
収録曲は3曲。中身は硬派なモード中心の純ジャズ。クリフォード・ジョーダンのテナー・サックスのフロント1管、ワンホーン・カルテットな編成。何時になく、ジョーダンのテナーが好調である。その好調なモーダルなテナーをフロントに、マルのピアノが絶妙な伴奏を付けている。

マルの右手のタッチは硬質、左手は叩き付ける様なパーカッシヴなブロックコードなので音が派手。下手するとフロントのパフォーマンスの邪魔をしかねないのだが、マルは絶妙の間合いでフロントのテナーをサポートし鼓舞する。マクビーのベースも、リッチモンドのドラムもそんなマルに追従し、マルを支える。癖はあるが、なかなか高度な伴奏をクールに展開するリズム隊である。

パッキパキの硬派なモード中心の純ジャズ。1981年というフュージョン・ジャズの全盛後期、こんな硬派過ぎる内容、Enjaレーベルのメインエリアである欧州でしかウケなかったろうなあ。実はこの盤、僕は今回初めて聴きました。ちょっと調べてみたら「日本初CD化」だそうです。なるほど、LP時代は時期的にこの盤は知らなかっただろうな。
 
 
 

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2021年6月15日 (火曜日)

オルガン・ジャズの新しい融合

う〜ん、実に雰囲気のあるジャケットだなあ。タイポグラフィーも秀逸。まるで往年のブルーノート・レーベルのアルバムのよう。ジャズ者であれば、パッと見ただけで「ああ、これはジャズ盤のジャケやなあ」と思う。ジャケの文字をたどると「ジャズ・オルガン」がメインのアルバムだと判る。思わず「ジャケ買い」風にポチッである(笑)。

Delvon Lamarr Organ Trio『I Told You So』(写真左)。2021年1月のリリース。シアトルで活動するオルガン・ジャズ・ファンク・トリオの3枚目のアルバム。Delvon Lamarr (key), Jimmy James (gt), David McGraw (ds) の3人によって2015年にシアトルにて結成、ローカルシーンから全米に名を馳せていった実力派トリオのヴィンテージでポップなジャズ・ファンク。

全8曲、オルガン・ジャズを収録したインスト・アルバム。まず、グルーヴ感が半端ない。オルガン・ジャズは抑揚を付けるにはコツがあって、下手すると単調ポップで平凡な演奏になるのだが、この盤はそうはならない。アルバム全体がグルーヴの塊の様で、冒頭の「Hole In One」から、ラストの「I Don't Know」まで、ファンクネス滴る、こってこてのグルーヴ感が満載。
 

I-told-you-so

 
旧来のオルガン・ジャズを踏襲していない。基本はあくまで「オルガン・ジャズ」。しかし、リズム&ビートが今までに無い響き。フレーズやビートの展開にはヒップホップの要素を融合していて、独特の「ループ感」が漂っているところなど、今までの「オルガン・ジャズ」には無かった音の要素が耳に刺さって、ついつい引き込まれてしまう。

とにかく、オルガンがユニーク。伝統的なジャズ・オルガンの音なのですが、濁りが軽くて切れ味良く軽快、そして、反復が執拗なのと、ちょっと捻れたフレーズが癖になる。このオルガンは唯一無二。過去にこの音は無かった。エレギは、これも面白くて「こってこての従来のジャズ・ファンク」なギター。これが、ユニークなオルガンと絡んで、独特のグルーヴ感を生み出しているのだ。

オルガン・ジャズって、我が国ではあまり人気が無かった様に思う。オルガン・ジャズ独特のグルーヴ感が「俗っぽい」とされ、ちょっと横に置かれてきた様に思う。しかし、ジャズは「融合」の音楽である。この盤の様に「ヒップホップ」と融合して独特のグルーヴ感を生み出し、今までに無い新しい「オルガン・ジャズ」を創造する。いやはや、ジャズはまだまだ深化しているなあ、と思わず感心した次第。好盤です。
 
 
 
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2021年6月14日 (月曜日)

マルのソロ盤『All Alone』です

唐突であるが、ジャズ・ピアニストって、やっぱり個性がハッキリしていた方が面白い、と思うのだ。21世紀に入ってから、特にその傾向が強くなっていると感じるのだが、出てくる有望な新人ピアニストは「総合力で勝負するタイプ」が多くなった。

この総合力で勝負するタイプって、一聴して直ぐ判る様な強烈な個性が無い分、ピアニスト個人の判別は難しい。しかし、テクニック、歌心、バッキングなど、ピアニストの総合力で勝負するタイプである。このタイプ、数が多いと皆、同じに聴こえてくるから始末が悪い。

逆に、個性的なスタイルや奏法を「ウリ」にするタイプは、聴けば「あ〜あの人や」と判る位の強烈な個性で、例えば、バド・パウエルやビル・エヴァンス、マッコイ・タイナーなど、1950年代のレジェンド級のピアニストは皆、強烈な個性の持ち主である。

Mal Waldron『All Alone』(写真左)。1966年3月1日、イタリアのミラノでの録音。Mal Waldron (p) のソロ・ピアノ盤になる。1968年度 スイングジャーナル ジャズ・ディスク大賞 銀賞を受賞している好盤(この頃のイングジャーナル ジャズ・ディスク大賞は信頼できる)。
 

All-alone
 

ソロ・ピアノって、そのジャズ・ピアニストの個性がハッキリ判る演奏フォーマットで、特に、個性的なスタイルや奏法を「ウリ」にするタイプについては、このソロ・ピアノの演奏を聴けば、個性が強烈な場合はワン・フレーズ聴けば、通常は1曲レベル、3〜4分聴けば、おおよそ、このソロ・ピアノは誰のピアノかが判る。

このマル・ウォルドロンのソロ・ピアノ盤、聴けば直ぐにマルのピアノだということが良く判る。思いっ切り硬質で力感溢れるタッチ、歯切れの良いアドリブ・フレーズ、叩く様なコンピング、ブルージーなブロックコード。そして、演奏全体に漂う哀愁感。

冒頭のタイトル曲「All Alone(オール・アローン〜映画「マンハッタンの哀愁」より)」を聴くだけで、このピアノの主は「マル・ウォルドロン」だと判る位、その個性が強い。マルのピアノには、最近の有望な新人ピアニストによくある「流麗さ」や「ロマンティシズム」は皆無。ダンディズム溢れ「哀愁感漂う」、硬派で純ジャズなピアノがマルのピアノの個性である。

このマルのソロ盤、当時の日本のレコード会社の制作と聞く。1960年代の日本のレコード会社の企画盤って、結構、優秀な内容が多い。1970年代以降の「売らんがため」では無い、良いジャズのアルバムを制作するという、純粋にアーティスティックな「志」の下で制作された雰囲気が強く漂う。ジャケ・デザインも優秀。好盤です。
 
 
 

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2021年6月13日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・207

ブルーノート・レーベルには、今となっては「ほぼ無名」だが、個性溢れるジャズマンの数少ない録音がある。それも、とても「ブルーノート」らしい音で記録されているのだから、絶対に無視出来ない。こういう内容のある、希少価値のある録音が残っているところが、ブルーノートは「ジャズの老舗レーベル」と一目置かれる所以である。

Sonny Redd『Out of the Blue』(写真)。全8曲中、1-6曲目が1959年12月5日、7-8曲目が1960年1月23日の録音。ブルーノートの4032番。ちなみにパーソネルは、1-6曲目が、Sonny Red (as), Wynton Kelly (p), Sam Jones (b), Roy Brooks (ds)、7-8曲目が、Sonny Red (as), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。CDリイシュー盤は、この8曲に5曲のボートラが追加されている。このボートラ部分の録音は、7-8曲目と同じく1960年1月23日の録音。

ブルーノート・レーベルのアルバム作りには珍しく、複数に録音日がまたがる構成になっている。聴いてみても、あまり明確な理由は見当たらない。CDリイシュー盤の全13曲仕様を全曲聴き通すと、1959年12月5日の録音と1960年1月23日の録音、共にリーダーのソニー・レッドのアルト・サックスと、リズム隊の要、ウィントン・ケリーのピアノが、突出して良いパフォーマンスを展開しているのが印象に残る。
 

Out-og-blue

 
リーダーのソニー・レッドのアルト・サックスの音がとても良い。とても良く鳴っている。ブラスのブリリアントな響きを伴って、とても良い音で気持ちよさそうにアルト・サックスを吹き上げている。テクニックは中庸、速弾きをする訳でも無いし、情感タップリにバラードを吹き上げる訳でも無い。レッドはとても良い音で、ゆったりとしたミッド・テンポで、スタンダード曲を自作曲を印象的なフレーズで吹き上げる。

そして、そのアルト・サックスを支えるのが、ウィントン・ケリーのハッビー・スインガーなピアノ。そこはかとないファンクネスとマイナーな響きを宿しつつ、明るくハッピーでスインギーなピアノで、フロントのレッドのアルトを鼓舞し、サポートする。ベースとドラムのリズム隊はいずれも、安心かつ安定したハードバップなリズム&ビートを供給する。

録音年が1959-60年。ハードバップ全盛期を過ぎて「ハードバップ多様化」の時代。そんな時代に「ハードバップど真ん中」な、とりたてて注目する特徴は無いが、とても良い音でアルト・サックスが鳴る。そして、そんなアルト・サックスに、ブルーノート・レーベルらしい独特のエコーがかかって、それはそれはとてもブルーノートらしい音で鳴り響く。ジャケ・デザインもブルーノートらしくて秀逸。ジャケ良し、演奏良し、録音良し、有名盤では無いけど、一聴に値する3方良しの好盤です。
 
 
 

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2021年6月12日 (土曜日)

新しくポップなビッグバンド

もうこのベーシストも今年で49歳。中堅ジャズマンである。初デビュー盤『Gettin' to It(邦題:ファースト・ベース)』が1994年の録音。弱冠22歳での初リーダー作だったのだが、この時のこの人のベースにはほとほと参った。伝統的なベースだが、テクニックは抜群。特にソリッドに弾ける様な大音量の重低音は、そのテクニックがかなり高度なものだということを教えてくれる。

そのベーシストとは「クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)」。若き頃は「ファースト・コール・ベーシスト」。歳がいって、落ち着いて、今では、バンドやビッグバンドを主宰するその手腕、純ジャズに留まらずフュージョンやヒップホップなどボーダーレスな音の取り込みなど、プロデュース能力をバリバリに発揮する「伝統的な優秀テクニックなベーシスト」。

Christian McBride Big Band『For Jimmy, Wes and Oliver』(写真左)。2020年9月のリリース。ちなみにメインバンドのパーソネルは、Christian McBride (b), Joey DeFrancesco (org), Mark Whitfield (g), Quincy Phillips (ds)。2011年の『Good Feeling』、2017年の『Bringun' It』が、グラミー賞のベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル部門を受賞するという快挙を成し遂げたクリスチャン・マクブライドのビッグ・バンドの最新作。
 

For-jimmy-wes-and-oliver-cmbb
 

ビッグバンド演奏にオルガンが参入している。オルガン担当は「ジョーイ・デフランセスコ」。タイトルとメインバンドの構成からも判る様に、ジミー・スミスとウエス・モンゴメリーの共演盤『Further Adventures of Jimmy and Wes』『The Dynamic Duo』と、これらの盤のアレンジを担当した、オリヴァー・ネルソンへのオマージュ盤である。

ファンキーかつゴスペル的なデフランセスコのオルガン、ファンキーでオクターブ奏法も芳しいホィットフィールドのギター。そして、バックを司るビッグバンドを、骨太でソリッドで弾ける様な重低音を響かせながらコントロールするマクブライドのベース。まず、ソロイストとしてこの3人が大活躍。マクブライドと共にリズムを作り出すフィリップスのドラムは、このビッグバンドのレギュラーとして、バンドサウンド全体のリズム&ビートを束ねる。

『The Dynamic Duo』からの「Night Train」「Down by the Riverside」、『Further Adventures of Jimmy and Wes』からの「Road Song」「Milestones」がやはり聴きもの。ビッグバンドのサウンドながら、軽快で爽快でポップ。新しいビッグバンド・サウンドがこの盤に詰まっている。
 
 
 

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2021年6月11日 (金曜日)

爽快感抜群の「TPサウンド」

雑誌 Jazz Life の「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事を読んでいて、懐かしいバンドの名前に出くわした。「Tower of Power(タワー・オブ・パワー)」である。凄く懐かしいバンド名。「タワー・オブ・パワー」は、米国カリフォルニア州オークランドを起源とした「ファンク+R&B」志向のホーン・セクション&バンド。1970年のデビュー。

特にホーン・セクションの威力抜群で、1970年代前半は「ブラス・ロック」なんて形容されていた。しかし、ベースはソウル・ミュージック志向のジャズ・ファンクで、採用されたリズム&ビートは明らかに「ジャズ」。ただロック風の展開もあるので、音の位置づけとしては、ホーン・セクションを駆使したクロスオーバー・ジャズ志向のファンク・バンドだろう。

さて、このタワー・オブ・パワー、活動の最盛期は1970年代前半から中盤。ディスコ・ブームに乗り遅れ、その名前は忘れられていったが、バンド活動は継続。2021年の現在もバンドは活動出来る状態で存在する。2018年『Soul Side of Town』が秀逸な出来で復活を印象付け、昨年のこの盤は、往年のタワー・オブ・パワーのアルバムの中でも白眉の出来。クロスオーバー・ジャズ志向のファンク+R&Bの音作りが今の耳に新鮮に響いている。
 

Step-up-tower-of-power
 

Tower of Power『Step Up』(写真左)。2020年3月のリリース。オリジナルメンバーである4人、エミリオ、スティーヴン“ドク”クプカ、デヴィッド・ガリバルディ、フランシス“ロッコ”プレスティアは健在。ほぼ現在のメンバーに落ち着いてから20 年以上経つとのこと。当然、出てくる音は1970年代に僕が聴き親しんだ「TPサウンド」。

音作りの傾向から、前作『SOUL SIDE OF TOWN』と対をなす「兄弟盤」と言える。もともと、2016年夏の時点で優にアルバム2枚分の楽曲をレコーディングしており、そこから13曲を仕上げて、前作『SOUL SIDE OF TOWN』に収録。残った中から再び13曲を完成させて、この新作『STEP UP』にした、ということらしい。

なるほど、音の志向&傾向が同じですよね。心地良い、1970年代から培ってきた「クロスオーバー・ジャズ志向のファンク+R&Bの音」が、これまた懐かしいホーン・セクションの独特のアレンジの下、鳴り響いている。良いアルバムです。純ジャズの合間に、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの好盤を愛でる。爽快感抜群です。
 
 
 

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2021年6月10日 (木曜日)

チック・コリアの遺作盤である。

チックが亡くなったのが、今年の2月9日。4ヶ月が経ったことになる。僕の大のお気に入り、一番推しのピアニストだっただけに、ショックはかなり大きかった。チックが亡くなってまだ4ヶ月しか経っていないのに、もう相当長い時間が経った、と思う位に喪失感は大きい。今でも信じられない位だ。

Chick Corea『Plays』(写真)。2020年8月のリリース。Chick Corea (p) のソロ・ライヴ盤である。2018年、欧州や米国のコンサート・ホールでのソロ・パフォーマンスを収録。ちなみにパーソネルは当然のことながら Chick Corea (p), 2曲のみ異なるピアノストとのデュオで、Yaron Herman(p. 2-8)、Charles Heisser(p, 2-9)となる。

CD2枚組のボリュームでのソロ・ピアノなので「飽きるかな」と聴く前はちょっと心配したが、杞憂であった。他人の曲を前半に、後半に自作曲を持ってくるなど、選曲や曲順について十分な配慮がなされており、CD2枚組、聴き始めたら一気に最後まで聴き切ってしまった。まあ、僕の大のお気に入り、一番推しのピアニストなので当然と言えば当然か。
 

Plays-chick-corea
 

ガーシュイン、モンク、スカルラッティ、エヴァンス、ジョビン、ショパン、スクリャービン、ワンダー等、そして自作曲と、自らを含めた、偉大な作曲家の系譜を探求するかの如き選曲であり、パフォーマンスである。タッチやフレーズはもちろん「チックのマナー」で弾き進められる。

冒頭の「Mozart: Piano Sonata in F, KV332」の冒頭の1フレーズを聴くだけで「ああ、これはチックのピアノだ」とすぐ判る位、チックの個性全開で、全てのソロ・パフォーマンスが展開される。他の誰かの作曲の曲だって、あの癖の強いモンクの曲だって、全てがチックのピアノなのだ。しかも、迷い、淀み、マンネリなど微塵も感じられない。

確信に満ちた、切れ味の良い、ビート感溢れるチックのソロ・パフォーマンスは見事という他は無い。温かくウィットに富んだ観客との対話も興味深く(声を聞くだけでしみじみする)、本当に楽しそうにチックはピアノを弾いている。現時点でのこのアルバムが、チック・コリアの遺作となる。演奏だけでなくコリアの語りも収録した本作は、チック者の僕にとっては聴き応え十分。

ああ、もっともっとチックのピアノを聴きたかったなあ。
 
 
 

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2021年6月 9日 (水曜日)

渡辺貞夫 with GJTのライヴ盤

このアルバムのリリースは1983年。当時からこのジャケット・デザイン、むっちゃチープで、ロン・カーター名義だったので、ジャケットにある参加ミュージシャンの名前も見ずにスルーしていた。どうやったら、こんなチープなデザインになるのかが判らない。で、最近、このジャケットにある参加ミュージシャンを見たら「SADAO WATANABE」とある。

他のメンバーの名前も書かれており、あれ、これって「グレート・ジャズ・トリオ(GJT)」じゃないの、と思い立った。貞夫さんとGJTと言えば、1970年代後半に幾つかの共演盤があって、もしかしたらその流れで録音されたのでは、と思い始めた。しかし、1983年のリリース。その近辺で貞夫さんとGJTの共演ってあったのかしら、と考えたが、思い当たる節が無い。

Ron Carter, Hank Jones, Sadao Watanabe, Tony Williams『Carnaval』(写真左)。1978年7月30日、東京田園コロシアムで開催された「Live Under the Sky」でのライヴ録音である。ちなみにパーソネルは、Sadao Watanabe (as), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。なんと、1978年の「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」での、渡辺貞夫 with GJT のライヴ録音である。
 

Carnaval-with-gjt
 

ジャケットにビビらずに、ちゃんと聴けば良かった、と反省しながら一気聴きしたのだが、さすがに「渡辺貞夫 with GJT」である。趣味の良いハードバピッシュな「ワン・ホーン・カルテット」。決して懐古趣味に走らない、1970年代後半での「最先端」のハードバップな演奏がここに記録されている。

ライヴ・フェスだからといって、安易に聴衆に迎合していないのが、この「ワン・ホーン・カルテット」の隅に置けないところで、収録された曲が実に渋い。バップなアルト・サックスが根っこにあるフロントの貞夫さんを、GJTがしっかりフィーチャー出来る楽曲が並んでいる。演奏のテンポもライヴ・フェスなら、アップテンポのノリノリの演奏になりがちだが、この盤では地に足着いた堅実なテンポで、メンバーそれぞれが素敵で印象的なソロ・パフォーマンスを繰り広げている。

1970年代後半のライヴ・フェスなので、ピアノの音がエレピっぽかったり、ロンのベースがアタッチメントで電気的に増幅されて「ブヨンブヨン」と緩んだ音を出していたりするが、演奏されるフレーズは確かなもの。いやはや、なかなか充実した内容のライヴ盤である。完全に、このチープなジャケットに騙されたなあ(笑)。
 
 
 

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2021年6月 8日 (火曜日)

コンガは決して俗っぽくない

オールドなジャズ者の方々を中心に、コンガやボンゴなどのパーカッションについては「俗っぽい」ものとされていた。カウベルやスチールパンなども駄目。とにかく、パーカッションの入った、特にコンガやボンゴの入ったジャズは「俗っぽい」ものとされ、アーティスティックなものでは無いとされた。

僕はジャズを聴き始めた頃から、この感覚が全く理解出来ない。もともと、ジャズを聴き始めた頃、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの中で、ワールド・ミュージック志向のアフリカン・ネイティブなパーカッションや中南米音楽のパーカッションに慣れ親しんでいたので、パーカッションについては違和感は全くない。どころか「俗っぽい」と感じたことは一度も無い。

Lou Donaldson『The Time Is Right』(写真左)。1959年10月31日と11月28日の2セッションでの録音。ブルーノートの4025番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Horace Parlan (p), Blue Mitchell (tp) が2セッション共通で、Tracks 1, 2, 4-7のリズム隊が、Laymon Jackson (b), Dave Bailey (ds), Ray Barretto (congas)。Track 3のリズム隊が、Sam Jones (b), Al Harewood (ds)。
 

The-time-is-right
 

ルーさんはコンガ好き。この盤も全7曲中6曲がコンガ入り。冒頭の「Lou's Blues」なんて、イントロからコンガ。恐らく、オールドなジャズ者の方々からすれば、この冒頭イントロのコンガを聴くだけで、ジャズ喫茶の席を立ったと思われる(笑)。でも、今の耳で聴いても、そんなに俗っぽい響きは感じられない。逆に、演奏全体に漂うファンクネスを増幅する役割を果たしている。

ピアノがホレス・パーランなので、リズム・セクションのリズム&ビートは古くない。当時の先端を行くクールなリズム&ビートで、コンガは入っているが、なかなか硬派なファンキー・ジャズが展開されている。ルーさんとトランペットのミッチェルの2管フロントの相性が抜群で、ユニゾン&ハーモニーの響きはとっても「ブルーノートらしい」。ルーさんのアルトも実にブルージーでファンキーで、当時のハードバップの先端を行く音だ。決して古く無い。

多弁で底抜けに明るいアルトなので、俗っぽいと低く見られがちなルーさんのアルトだが、とんでもない。多弁はバップなアルトなので当然だし、ファンキー・ジャズを奏でる中では、ルーさんのアルトはブルージーでクールな音で鳴り響く。音全体の印象はドップリと「ブルーノート・サウンド」。典型的なブルーノートなファンキー・ジャズが素敵な好盤です。
 
 
 

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2021年6月 7日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・206

ジャズ・レジェンドの未発表音源というのはまだまだある訳で、今回のこのトミー・フラガナン(Tommy Flanagan・愛称「トミフラ」)のソロ・ピアノ盤の情報を見た時には、トミフラにもまだ未発表音源が残っていたのか、とちょっとビックリした。ビル・エヴァンスならともかく、トミフラについては、現在でも一般的に人気の高いピアニスト、という印象は無かったからだ。

Tommy Flanagan『In His Own Sweet Time』(写真左)。1994年10月9日、ドイツのノイブルク「バードランド・クラブ」でのライヴ録音。なんと、トミー・フラナガンのソロ・パフォーマンスを記録したライヴ盤で、これはトミフラ盤として珍しい。もともとはEnjaレーベルの音源。トミフラのソロ盤と言えば、我が国のデンオン・レーベルからリリースされた、1977年録音の『Alone Too Long』が浮かぶが、他にトミフラのソロ盤を僕は知らない。

もともと、トミフラのピアノは、優雅でハッキリとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなくファンクネス芳るもの。アグレッシブで刺激的なフラナガン。もともと、バップ・ピアニスト出身、これが彼の本質でしょう。決して力任せではない、抑制されたドライブ感が素晴らしい。この未発表音源であるライブ盤でも、トミフラのピアノは「バップ」。フレーズがしっかり立った明確なタッチが清々しい。
 

In-his-own-sweet-time

 
加えて、このソロ・パフォーマンスで感じるのは「典雅さ」。典雅とは「整っていて上品に美しいさま」の意なんだが、この形容がピッタリ当てはまる。バップなピアノでありながら、スウィンギーなフレーズ、流麗なメロディ・ライン、もともとトミフラのピアノには典雅な部分が見え隠れしたが、このライヴ・パフォーマンスでは、その「典雅さ」が露わになっている。

ミュージシャンズ・スタンダード曲や有名スタンダード曲、そして、その合間にトミフラの自作曲を織り交ぜて、トミフラは典雅にバップに切れ味の良いタッチで弾きまくる。聴いていてどこかキース・ジャレットの「スタンダーズ」でのピアノを思い出した。そのキースのピアノよりも、バップしていて端正で切れ味が良いトミフラのピアノ。このソロ・パフォーマンスにはほとほと感心した。

トミフラは特に我が国で人気が高かったピアニスト。しかし「名盤請負人」という、サイドマンに回ったパフォーマンスのみに評価が偏って、ちょっとピント外れな感が強かった。トミフラはメインのソロ・パフォーマーとしても超一流。このソロのライヴ盤を聴いてみれはそれが良く判る。まだこういう未発表音源があったんですね。他にあるんなら、出し惜しみせず、早く出して欲しいですね。
 
 
 

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2021年6月 6日 (日曜日)

充実の現代のオルガン・ジャズ

最近、内容の良いオルガン・ジャズ盤に出会うことが多い。オルガン・ジャズは大のお気に入りで、特にハモンド・オルガンのジャジーでファンキーな音は堪らない。ただ、オルガン・ジャズの担い手がピアノほど多くは無いので、幾人かのオルガン奏者に好みが偏ってしまうのが難点。ただ、21世紀になって、次世代を担うオルガン奏者も出てきたから頼もしい。

Cory Weeds『O Sole Mio!』(写真左)。2019年10月6, 12日カナダのバンクーバーでの録音。ちなみにパーソネルは、Cory Weeds (as), Eric Alexander (ts), Peter Bernstein (g), Mike LeDonne (org), Joe Farnsworth (ds)。Cellar Live レーベルからのリリース。この盤は、このCellar Live レーベルのオーナーで、カナダ・ジャズ界を代表する人気サックス奏者でもあるコリー・ウィーズ(写真右)のリーダー作。

収録曲を眺めれば判るが、この盤はリーダーのコリー・ウィーズ自身のルーツでもあるイタリアのポピュラー音楽を題材にした企画盤である。バックのリズム・セクションが、バーンスタインのギター、マイク・ルドーンのオルガン、ファンズワースのドラムの「NYの人気オルガン・トリオ」。フロントは、ウィーズのアルト・サックス、アレキサンダーのテナー・サックスの2管。編成としてはクインテットになる。
 

O-sole-mio
 

リーダーの担当楽器はアルト・サックスなんだが、全編、ルドーンのオルガンが大活躍。オルガン・ジャズ盤として鑑賞するほうがシックリくる。ダウン・トゥ・アースな、かつ、軽快なファンクネスとポジティヴな歌心溢れるオルガンがとても素敵。イタリアのポピュラー音楽の持つ馴染み易い旋律と相まって、ご機嫌なオルガン・パフォーマンスが実に楽しい。

そこに切れの良いウィーズのアルト・サックス、重厚かつ悠然とスインギーなアレキサンダーのテナー・サックスが絡んで、ネオ・ハードバップど真ん中な「オルガン・ジャズ」が展開されている。隠し味の様に、ピリリと好フレーズを連発するバーンスタインのギターも良い感じ。ファンズワースのドラミングが演奏全体のリズム&ビートをビシッと締める。小難しいところや捻れたところは一切無い、聴き易く、聴いて楽しいポップなネオ・ハードバップな演奏がとにかくハッピー。

タイトルがイタリアの超有名なカンツォーネ曲「オー・ソレ・ミオ」なので、俗っぽいイタリアのポピュラー音楽のカヴァーかと一見思いますが「とんでもない」。内容充実の現代のネオ・ハードバップなオルガン・ジャズ盤です。ジャズ・オルガンのファンには是非お勧めです。
 
 
 

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2021年6月 5日 (土曜日)

バレルを心ゆくまで愛でる盤

ケニー・バレルというギタリスト、僕は大好きである。最初に彼のギターを聴いたのは、1980年頃、『Guiter Forms(ケニー・バレルの肖像)』だったと思う。邦題通り、様々な編成でバレルのギターの魅力を引き出した好盤なのだが、このバレルのギターが良かった。僕は「漆黒ファンキーなアーバン・ギター」と形容している。

Kenny Burrell With Art Blakey『On View At The Five Spot Cafe』。1959年8月25日、NYの「Five Spot Cafe」でのライヴ録音。ブルーノートの4021番。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell (g), Art Blakey (ds), Bobby Timmons (p), Roland Hanna (p), Tina Brooks (ts), Ben Tucker (b)。 リーダーはギターのバレルとドラムのブレイキーの双頭リーダー盤。バレルのギター、ブルックスのテナーの2人がフロントのクインテット編成。

パーソネルを見渡すと、とても個性の強いメンバーが集められている。漆黒ファンキーなアーバン・ギターのバレルに、大胆かつ繊細なドラマーのブレイキー、どっぷりとブルージーなテナーのブルックス、ハードバップ・ベースの名手のタッカー。そして、ピアノは、明快なファンキー・ピアニストのティモンズと、典雅なピアノ職人のハナの2人を使い分けている。
 

On-view-at-the-five-spot-cafe
 

このメンバーはとってもブルーノートらしいラインナップ。そして、ブルーノートらしいブルースなサウンドが充満している。バレルのギターはファンネス溢れ、滴るようにブルージー。どのソロ・パフォーマンスも申し分無し。ピアノが明快なファンキー・ピアニストのティモンズだと、バレルの「ファンクネス」が強調され、ピアノが典雅なピアノ職人のハナだと、バレルの「アーバン」な雰囲気が強調されるのが面白い。

双頭リーダーのブレイキーについては、その「ドラミングの妙」に感心する。このライブでのバンド・サウンドの要である「ファンクネス」と「アーバン」そして「ブルージー」をしっかり踏まえて、ドラミングを最適化している。決して仰々しくフロントを鼓舞することは無い。逆に趣味良く粋なドラミングで、バンド・サウンド全体をしっかりとコントロールしているように感じる。

「Birk's Works」におけるバレルのギターとティモンズのピアノの「ファンクネス」な絡み、バレルの自作曲「36-23-36」のアーバンでブルージーな展開が良い感じ。テナーのブルックスも好調で、タッカーのベースは盤石。ジャケット・デザインも、バレルの横顔のアップを半分切り取った印象的なもので「グッド」。バレルの「漆黒ファンキーなアーバン・ギター」を心ゆくまで愛でることが出来る好ライヴ盤です。
 
 
 

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2021年6月 4日 (金曜日)

コロナ禍でのピザレリのソロ盤

昨年2月以降、コロナ禍がずっと継続している訳だが、「不要不急のものは控えろ」の号令のもと、音楽関係の活動は相当に制限された。ジャズもその波をモロに受けており、ライヴ活動から、コロナ禍初期の頃には、訳が判らなかったので、レコーディング関連の作業なども大幅に制限された。とにかく、一時はほとんど活動停止状態になった。

時が経つにつれ、コロナ禍について訳が判ってきたところがあって、徐々にレコーディング関連作業から再開された。それでも、ここ半年間の世界レベルでリリースされた新盤の数は、コロナ禍以前よりかなり減っているようだ。それと大人数の録音を控えて、ソロとかデュオの最少人数のレコーディングが多くなっている様に感じる。

John Pizzarelli『Better Days Ahead 〜 Solo Guitar Takes on Pat Metheny』(写真左)。2021年4月のリリース。タイトルにあるように、ギタリスト、ジョン・ピザレリのソロ・ギター盤になる。サブタイトルが「Solo Guitar Takes on Pat Metheny」。パット・メセニーの楽曲を選んでのソロ・パフォーマンス。これは意外と珍しい。

ジョン・ピザレリって「ギターを弾くボーカリスト」というイメージがあって、ピザレリのギターについては、実はしっかり耳を傾けて聴き込んだことが無かった。で、このソロ盤である。
 

Better-days-ahead

 
ピザレリのギターって大丈夫なん?、ってちょっと不安になりながら、プレイヤーのスタートボタンを押したんですが、冒頭の「Better Days Ahead」を聴いて「どうもスミマセンでした」。どうして、素晴らしいテクニックのソロ・ギターではないですか。しかも、今回、この新盤では全く唄っていない。ギター一本で「勝負」です。

パット・メセニーの楽曲をしっかりとした落ち着いたテクニックで、淡々と弾き進めて行きます。しかし、じっくり耳を傾けると、リズム&ビートの切れ味良く弾むような表現が絶妙で、演奏にダレたり、単調になったりする印象はありません。ガット・ギターの音は適度にエコーがかかった「フュージョン・ジャズ」風の音で、聴き心地が良く、リラックスして楽しむ事が出来ます。

パット・メセニーの楽曲って、意外と難しい曲が多いと思うのですが、ピザレリは難なくさりげなく印象的に弾き進めていきます。僕はこのソロ・ギターの演奏、好きですね。今の季節から夏の昼下がりに涼しい部屋の中で聴くと、相当にリラックス出来て、ストレス発散です。

最後に、ジャケットの「マスクをした」ピザレリのイラストに思わずニヤリ。コロナ禍での録音だったことが良く判ります。
 
 
 

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2021年6月 3日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・206

ジャズは米国だけのものでは無い。欧州においては、1950年代半ばには、独特の響きと雰囲気を持った「北欧ジャズ」が、同時期に英国ジャズも出現していた。あと有名なエリアとしては、フランス、ドイツ、イタリアが挙げられる。イタリア・ジャズについては、第二次世界大戦にて降伏した後、イタリア国内に米国文化が流入、その中にジャズがあった。1950年代には音楽文化の1ジャンルとして定着し、1960年代に最初の絶頂を迎えている。

21世紀に入ってから、ネットでジャズの情報の流通速度が格段に速くなったこともあって、欧州各国で「純ジャズ復古」の動きが拡散し、特にイタリアではその傾向が強く、加えて、若い才能あるジャズマンが多く輩出されたこともあって、新旧のジャズマン入り交じった、イタリアならではの「ネオ・ハードバップ」の好盤が多くリリースされている。

Enrico Rava & Stefano Bollani『Third Man』(写真左)。2006年11月の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Enrico Rava (tp), Stefano Bollani (p)。イタリアを代表する大御所トランペッター、エンリコ・ラヴァと、精鋭ピアニストのテファノ・ボラーニの2人によるデュオ作品。まず、ピアノとトランペットのデュオという演奏形態からして「珍しい」。選曲がユニークで、有名なジャズ・スタンダード曲は見当たらない。
 

The-third-man
 

ブルーノ・マルティーノ、ジョビン、モアシル・サントスなどをチョイスしているところが「曲者」っぽくって好感が持てる。ちょっと古い録音になるが、当時のイタリア・ジャズのレベルの高さを体感出来る素晴らしい内容。イメージ的には、ピアノは旋律のみならず、打楽器とベースも兼ねることが出来るオールマイティーな楽器なので、ピアノをリズム隊に見立てた「トランペット主体のワンホーン」風かと思ったら「違った」。

ラヴァのトランペット、ボラーニのピアノ、双方、秘術を尽くした、パッキパキにテンション張った、凄まじいほどの即興性溢れるインタープレイの応酬。まず、ボラーニのピアノの弾きっぷりが見事。旋律とリズム&ビートの両方の役割を、いともたやすそうに縦横無尽、変幻自在に繰り出している。そして、その両方の役割毎に、ラヴァのトランペットがこれまた縦横無尽、変幻自在にレスポンスする。

収録曲全12曲、ダレたところは皆無、飽きることは無い。ECMからのリリースなので「ニュー・ジャズ」な雰囲気なのかと思ったら「違った」。あくまで「現代のネオ・ハードバップ」なデュオ・パフォーマンスである。総帥プロデューサーのマンフレート・アイヒャー、誠に「懐が深い」。
 
 
 

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2021年6月 2日 (水曜日)

やはりズートのテナーは良い

Zoot Sims(ズート・シムス)を聴いている。1925年10月、カリフォルニア州イングルウッドに生まれ。レスター・ヤングの足跡を追ってサックス奏者になり、生涯を通じて、様々な著名なビッグバンドと共演している。1950年代と1960年代は、アル・コーンと共同名義のクィンテットで「アルとズート」名義での録音を多く残した。しかし、1985年、59歳の若さで急逝している。

昔から、このズート・シムスというサックス奏者、我が国ではかなりの「過小評価」ジャズマンの1人に甘んじている様に見える。聴けば「このテナー奏者、ええよな」となって、幾枚かリーダー作を漁り、遂にはお気に入りサックス奏者の1人に名を連ねるのだが、ジャズ盤紹介本とかジャズの歴史本などでは、ほんの少ししか触れない、若しくは無視である。

恐らく「アルとズート」名義での録音が多いこと、そして、単独リーダー名義の盤は結構な数があるのだが、以前より意外と入手し難くかったこと、西海岸出身なので「米国西海岸ジャズ」のジャズマンとして括られてしまっていて、レアなサックス奏者と誤解されていること、これらが絡まって、ズート・シムスを「知る人ぞ知る」存在に追いやっている様に思われる。一度聴けば、ドップリ填まる可能性は高いサックスなんだけどなあ。
 

Zoot-sims-in-paris-1961

 
『Zoot Sims in Paris』(写真左)。1961年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Zoot Sims (ts), Henri Renaud (p), Bob Whitlock (b), Jean-Louis Viale (ds)。フランス映画のナイトクラブのセットに客入れして本物のクラブの雰囲気そのままで演奏されたもの、とのこと。いわゆる擬似ライヴ録音ということですね。紹介アナウンスがあったり、拍手など観客の雰囲気があるのはそれが理由。納得。

この盤、ズートのワンホーン・カルテットなので、ズートのテナーの個性と特徴が良く判る。スケールの大きいブロウ、スイングの雰囲気がそこはかと漂いながらも、吹きっぷりはテクニックは確かでハードバップ。中高音域を好んで用いるらしく、テナーにしてはフレーズの音が高い。これがテナーのワンホーン盤ながら、軽快な聴き心地の良さに貢献している。

良いテナーです。コルトレーンの様にシーツ・オブ・サウンドする訳でなく、ロリンズの様に豪放磊落に吹き上げる訳でも無い。力強くはあるが、堅実で少し柔らかなテナーは個性的。音のブレやブロウの癖はほとんど無く、ブロウの質については、全くヨレること無く、しっかりとハードバップしている。心地良い、力強くも柔らかなズートのテナー。僕はこの擬似ライヴ盤で「ズートを再認識」です。やはり、ズートのテナーは良い。
 
 
 

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2021年6月 1日 (火曜日)

「今」のフュージョン・ジャズ

1970年代後半から1980年代前半は「フュージョン・ジャズ」の時代。「フュージョン・ジャズ」はジャズの派生ジャンルの1つで、
ジャズを基調にロックやラテン音楽、R&B、電子音楽、時にはクラシック音楽などを融合(フューズ)させたもの(Wikipediaより)。ビートの基本は「8ビート」。ロックよりも演奏テクニックが高く、音楽性が豊かで、聴き応えがある。

純ジャズ者の方々からは忌み嫌われる「フュージョン・ジャズ」であるが、演奏テクニック、音楽性、どれをとっても純ジャズと比べて遜色ない。ジャズの派生ジャンルの1つなのだから、ならではの「個性と優秀性」があって然るべきで、どうして感情的になって忌み嫌われるかが判らない。まあ、僕にとっては、フュージョン・ジャズはフリー・ジャズやファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、モード・ジャズと同じレベルのものなので、あまり気にしていない。

Brian Bromberg『A Little Driving Music』(写真左)。2021年5月のリリース。ちなみにパーソネルは、Brian Bromberg (b), Dave Koz, Everette Harp,Marion Meadows, Darren Rahn, Elan Trotman (sax), Nick Colionne (g),Jerry Cortez (g, Tower of Power), Charlie Bisharat (vln), Lenny Castro (per), Mitch Forman (key), Mitch Forman (acc), Andrew Neu (cl) 等々。フュージョン〜スムース・ジャズ畑の強者の面々が顔を連ねている。
 

A-little-driving-music_brian-bromberg

 
さらには、ドミニカ共和国の国立オーケストラのセレクト・メンバーによるストリングス・セクションも加わっている。パーソネルを見て想像出来るのだが、この盤は典型的な「現代のフュージョン・ジャズ」盤である。リズム&ビート、アレンジ、フレーズ、どれをとっても、1970年代後半から1980年代前半の「フュージョン・ジャズ」の音である。

冒頭の「Froggy's」を聴くだけでワクワク。タワー・オブ・パワーばりの力強いホーン・セクションのユニゾン&ハーモニー、1970年代のR&Bを彷彿とさせるファンク・グルーヴ。そう、ホーン・セクションのアレンジも、リズム&ビートのアレンジも皆、フュージョン・ジャズの志向を踏襲している。他にも「タンゴ」あり、「ブルーグラス」あり、実にバラエティーに富んだフュージョン・ジャズである。聴いていてとても楽しい。

そんなフュージョン・ジャズ志向の音世界野中で、ブロンバーグはハイテクニックなベースを弾きまくる。エレギとユニゾン&ハーモニーするエレベ。ジャコやマーカス・ミラーと比肩する「唄う様に」速いフレーズを、さり気なく、バンバン弾きまくるブロンバーグは凄い。フュージョン者の方々は必聴の好盤です。今の耳にも十分訴求する「フュージョン・ジャズ」。やっぱり、これもジャズですね。
 
 
 

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