真面目一直線なハードバップ
ブルーノート・レーベルは、ジャズ界での最重要なレーベル。ブルーノート・レーベルのカタログに載っているアルバムを全て押さえるだけで、ジャズの奏法やトレンドの歴史が理解出来、歴史に名を残したレジェンド級ジャズマンの若かりし頃のパフォーマンスを確認出来たりする。とにかく録音されたセッションの音源は、どれもが真摯でどれもが優れた内容で「捨て盤」が無い。
Jackie McLean『New Soil』(写真左)。1959年5月の録音。ブルーノートの4013番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Donald Byrd (tp), Walter Davis Jr. (p), Paul Chambers (b), Pete LaRoca (ds)。リーダーのマクリーンのアルト・サックス、ドナルド・バードのトランペットの2管がフロントのクインテット編成。ハードバップの王道な編成である。
とても硬派で真面目一直線なハードバップ盤である。リーダーのマクリーンが溌剌と自信満々にアルト・サックスを吹きまくっている。溌剌とテクニック良く吹きまくるマクリーンは無敵である。もともとマクリーンのブロウって、思いっ切り「癖」があって、ピッチがちょっと外れているのだ。クラシックではあり得ない、ちょっとフラットしたアルト・サックスの音色。
この盤に詰まっている、溌剌とした自信満々なマクリーンのブロウは、そんなフラットにちょっと外れたアルト・サックスのフレーズが、全く気にならない。どころか、ジャズにおける「好ましい個性」として響いてくるから不思議だ。そんなマクリーンが、真摯に堅実にハードバップなフレーズを吹き上げていく。
フロントのパートナー、ドナルド・バードのトランペットも硬調。バカテクでは無いが、堅実でブリリアントなトランペットはマクリーンのアルト・サックスと相性が良い。良い響きのユニゾン&ハーモニーは、ハードバップの良いところをしっかりと聴かせてくれる。
ピアノのウォルター・ビショップJr.のバッキングもハッピーにスイングしていて良好。このフロント2管とバッキングのピアノ、いかにもハードバップらしい、ハードバップの良いところをクローズアップして聴かせてくれるようだ。このフロント2管+バッキングのピアノは、ブルーノートの4018番のハードバップ好盤、ウォルターのリーダー作『Davis Cup』に繋がっていく。
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