和ジャズの新しい才能の登場
和ジャズの新しい才能の登場である。またまた女性ピアニストである。梅井美咲。ネットの紹介文を引用させてもらうと「音大に通う19歳。子供の頃からピアノと作曲を学び、数々のコンクールに入賞。16歳でブルーノート東京に出演して上原ひろみと共演したという天才肌のミュージシャン」とある。
梅井美咲トリオ『humoresque』(写真左)。2021年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、梅井美咲 (p), 熊代崇人 (b), 橋本現輝 (ds)。収録された全8曲、全て、梅井美咲の自作曲で固めた初リーダー作。作曲の才能も去ることながら、ジャジーなピアノ・トリオ演奏を前提にしたアレンジの才能も素晴らしい好盤である。
クラッシックの作曲を学ぶ傍ら、ポピュラーからジャズまで幅広いジャンルの作曲と演奏に取り組んでいる、とある通り、ピアノのタッチと弾きっぷりが、スケールの広いクラシック・ピアノの様でもあり、ファンクネス希薄なニュー・ジャズっぽくもあり。リズム隊のダイナミズムと併せて、在りし日の「Chick Corea Akoustic Band」のパフォーマンスを思い出した。
従来のジャジーなピアノでは全く無い。というか「ジャズ・ピアノ」の弾き方では無い。広いスケールでダイナミックでリリカル、ファンクネス希薄で切れ味の良いオフビート。まず、今までのジャズ・ピアノには無い弾きっぷり。雰囲気的には、クラシック風に傾いた時の「チック・コリア」を彷彿とさせる。テクニックはかなり高いものがあって、聴き終えた時に清々しい「爽快感」が残る。
この盤は、ピアニストとしての個性を楽しむよりは、リーダーの梅井の作曲・アレンジを含めた「ピアノ・トリオ演奏」の作品を楽しむ盤だと思う。僕は、梅井のピアニストとしての個性より、コンポーザー&アレンジャーとしての個性に感じ入った。この梅井の作品を聴いていて、ふと、カーラ・ブレイや挾間美帆の名が頭に浮かんだ。
このピアノ・トリオについても、まだまだポテンシャルは大いにあると思う。このピアノ・トリオを前提とした、梅井のコンポーザー&アレンジャーの手腕を振るった作品をもっと聴きたい気持ちにさせられる、それほど、聴いていて面白く、聴いていて気持ちが良い、ピアノ・トリオの演奏が詰まっている。早くも次作を心待ちにしている。
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