リヴァーサイドらしいトリオ盤
リバーサイド・レーベル(Riverside Label)は、1953年にオリン・キープニュースとビル・グラウアーによって、NYに設立されたジャズ・レーベル。実質的な活動期間は約10年間だが、ブルーノート、プレスティッジと並んで、モダンジャズ3大レーベルの1つとされるだけあって、ならではのラインナップは魅力満載。
このリヴァーサイド・レーベルのアルバムを、カタログを参考に一気に聴き直しているのだが、まず、目に付いたのが「Randy Weston(ランディ・ウエストン)」。1926年、NY生まれのジャズ・ピアニストである。初リーダー作はリヴァーサイド・レーベルからで、1950年代半ばには、リヴァーサイドにて、3年間に6枚のリーダー作をリリースしている。リヴァーサイドの活動初期のお抱え看板ピアニストだったようである。
『Get Happy with the Randy Weston Trio』。1955年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Randy Weston (p), Sam Gill (b), Wilbert Hogan (ds)。ランディ・ウエストンをリーダーとしたピアノ・トリオ編成。トリオ編成なので、ランディ・ウエストンのピアノの個性が明快に理解出来る、優れもの盤である。
改めて、リバーサイド・レーベルの初期、1950年代中期の看板ピアニスト、ランディ・ウエストンのトリオ盤である。ウエストンのピアノは判り易い。パワフルなタッチで、ビ・バップ風に弾きまくる。力強くスイングし、潔い弾きっぷり。色気とか茶目っ気とかには全く無縁。ガンガングイグイ弾くタイプで、力感溢れ、ダンディズムな吹き回しは「ストイック」ですらある。
収録曲は全10曲。1曲が2〜4分台の曲がほどんどで、内容的にはハードバップというよりは、成熟したビ・バップという雰囲気に近い。ただ、ランディ・ウエストンの自作曲が2曲に留まり、他はスタンダード曲中心なので、ランディ・ウエストンのスタンダードの解釈、弾きっぷりの個性が明快。とにかくシンプルに弾き切り、判り易くアレンジ展開する。難解な部分、捻れた部分は全く無い。逆にちょっと単純過ぎる、というか、ちょっと淡泊すぎる点がちょっと気になる。
もともとリヴァーサイドのアルバム制作の方針が「聴かせるジャズ、聴いて楽しむジャズ」を標榜している様で、そういう意味では、ランディ・ウェストンの個性が良い方向に作用し、明快で「聴き易い」ピアノ・トリオ盤に仕上がっていると言える。オリン・キープニュースのプロデュース方針にピッタリと合致した好トリオ盤です。
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