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2021年5月の記事

2021年5月31日 (月曜日)

「アフロ・キューバン」の先駆け

ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンは、アート・ブレイキーと組んで、後に「ライオンの狂気」と形容される、打楽器中心のリズム&ビートを前面に押し出した企画盤を3種類出している。1つは『Orgy In Rhythm』、そしてもう1つは、今回ご紹介する『Holiday for Skins』そして『The African Beat』。

これらの企画盤は「ライオンの狂気」として片付けるにはあまりに短絡的だろう。確かにこの企画盤は売れないだろう。しかし、音楽芸術として鑑賞にしっかり耐える内容であり、演奏内容は実に優れたものだ。

Art Blakey『Holiday for Skins vol.1 & 2』(写真)。1958年11月9日の録音。ブルーノートの4004、4005番。1554、1555番の『Orgy In Rhythm』に続く、ブレイキーの打楽器中心のリズム&ビートを前面に押し出した企画盤の第二弾。

ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds, chanting), Donald Byrd (tp), Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b), Art Taylor (ds), Philly Joe Jones (ds, chanting, vo), Ray Barretto, Victor Gonzales, Julio Martinez, Sabu Martinez, Chonguito Vincente (bongos, congas), Fred Pagani (timbales), Andy Delannoy (maracas), Austin Cromer, Hal Rasheed (chanting)。

第一弾の『Orgy In Rhythm』は「アフリカン・ネイティブ」な打楽器の饗宴。どう聴いても「ジャズ」ではない。アフリカのリズム&ビートの洪水。が、この第二弾は、パーソネルの担当楽器を見渡せば何となく判る。そう「アフロ・キューバン」。アフロ・キューバンなリズム&ビートの洪水である。
 

Holiday-for-skins
 
 
しかし、メンバーについては、第一弾の時の Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b), Arthur Taylor (ds), Sabu Martinez (perc.vo) は引き続きサイドマンとして参加している。つまり、リズム&ビートの要となる「リズム・セクション」は、第一弾の『Orgy In Rhythm』のリズム・セクションを継続している。

この辺が、リーダーのブレイキーとプロデューサーのライオンの明快な「深慮遠謀」が感じられる。単に思いつきと気合いだけで、この企画盤を企図して制作した訳では無い。

「アフロ・キューバン」なので、トランペットを補強。ドナルド・バードが担当している。このトランペットの存在が、演奏全体のメロディやフレーズを明確にしていて、この盤については、第一弾の『Orgy In Rhythm』とは異なり、しっかり「ジャズ」している。つまりは、演奏全体の雰囲気は「アフロ・キューバン・ジャズ」なのだ。

サブー 率いるパーカッシヨン隊の「リズムの洪水」の様なポリリズムが見事で、ボンゴ、コンガ、マラカスなどの打楽器の音そのものが「アフロ・キューバン」な雰囲気を濃厚なものにしている。

「アフロ・キューバン」の先駆けであり、ワールド・ミュージック志向の先駆けでもあり、まさに時代を先取りした驚異的な実験作。1958年という時期に、よくまあ、こんな先進的な盤を企図し録音したと思います。ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの「ジャズの根源、ジャズの本質」を突いたプロデュース。そして、それを的確に実現したリーダーのブレイキー。当時のブルーノートでしか為し得ない「快挙」だと思います。
 
 
 

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2021年5月30日 (日曜日)

21世紀のアーマッド・ジャマル

アーマッド・ジャマルは「年代によって異なる顔を持つ」ジャズ・ピアニスト。1950年代は、「間」を活かし、弾く音を限りなく厳選し、シンプルな右手のフレーズと合いの手の様に入る左手のブロックコードが特徴のジャマルのピアノ。ビ・バップのピアノの真逆を行く、ハードバップ時代ならではの個性とアプローチ。マイルスが名指しで共演を望んだとか、レッド・ガーランドに彼の様に弾けと言ったとか、逸話にも事欠かない。

1960年代終わり〜1970年代の作品は「アーシーで豪快なメリハリのあるサウンド」が、1980年代になって、アーシーさがすっかり抜けきって、豪快でメリハリのある力強いタッチが特徴に変化。左手の叩き付けるようなガーン、ゴーンという骨太な音はマッコイ・タイナーばり。右手の早弾きテクニックがフィーチャーされる。しかし、劇的な変化は、この1980年代で一旦の終息をみる。

1990年代のジャマルは、豪快でメリハリのある力強いタッチが特徴。テクニックの素晴らしさは相変わらず。煌びやかなピアノの音が実に魅力的である。右手のフレーズがとてもシンプルで判り易い。カクテル・ピアノっぽくなりそうなんだが、左手の骨太なタッチがジャジーなので、極上のジャズ・ピアノとしてのトリオ演奏が成立している。
 

Blue-moon-ahmad-jamal
 

Ahmad Jamal『Blue Moon』(写真左)。2011年10月、NYの「Avatar Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Ahmad Jamal (p), Reginald Veal (b), Herlin Riley (ds), Manolo Badrena (perc)。ジャズ・ピアノのレジェンド、ジャマルがリーダーのピアノ・トリオ盤。21世紀のジャマルの個性が良く判る好盤。パーカッションのマノロ・バドレナの参加が効いている。

テクニック素晴らしく、豪快でメリハリのある力強いタッチは変わらないが、「間」を活かしたモーダルな弾きっぷりが、21世紀のジャマルの個性だろう。ネオ・ハードバップでは無い、ちょっとエキゾチックなモードの響きが特徴。加えて、リズム&ビートもパーカッションを入れて、ポリリズミックで、どこかアフリカン・ネイティヴなワールド・ミュージック風のアーシーなリズム&ビートが印象的。

20世紀のジャマルの印象は全く継承していない、21世紀に入って、これまた個性的なピアノ・トリオ演奏を聴かせてくれる。少しフリーに少し傾くところも今までのジャマルには無い「新境地」。20世紀のECMの様な、21世紀の「ニュー・ジャズ」の響きと形容しても良いかもしれない。録音当時、既に81歳。しかし、この盤でのパフォーマンスはとても新鮮。レジェンド=ジャマル、恐るべし、である。
 
 
 

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2021年5月29日 (土曜日)

ケイブルスのソロ・ピアノ盤

この人もジャズ・ピアノ好きの我が国で人気が低い、というか、存在感が薄いピアニストである。George Cables(ジョージ・ケイブルス)。1944年生まれなので、確かにハードバップが衰退し、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズが全盛の1975年が初リーダー作なので、恐らく、初リーダー作をリリースしたことは、我が国では気に止められることは無かったと思われる。

それでも、米国では人気が高く、リーダー作は40枚を超える。伴奏上手でもあるため、サイドマンとしての他のリーダー作への参加も多く、アート・ペッパー、ボビー・ハッチャーソン、フランク・モーガン、バド・シャンクなど、1970年代にも生き残ったメインストリーム系の純ジャズの担い手との共演がメイン。ジャズマンからしても、サイドマンに誘いたくなるような「一流ジャズ・ピアニスト」だったみたい。

George Cables『Person to Person』(写真左)。1995年4月5日、デンマークのジーランにある「SteepleChase Digital Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p)。ケイブルスのソロ・ピアノ盤になる。ソロ・ピアノという演奏フォーマットは、そのピアニストの個性と資質が明快に判る演奏フォーマットで、この盤を聴けば、ケイブルスのピアノの個性と資質をしっかりと確認することが出来る。
 

Person-to-person-georgecables
 

ケイブルスのピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが個性。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、シーツ・オブ・サウンドほど多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活かすことは無い。

そんなケイブルスのピアノがこのソロ盤に詰まっている。全12曲中、8曲がスタンダード曲なので、特に、このスタンダード曲において、それぞれのスタンダード曲のケイブルスなりの解釈が明快になって、ケイブルスの個性が前面に押し出ている。冒頭の「My Funny Valentine」を聴くとその個性が良く判る。適度に多弁で、適度にしなやかなで硬質なタッチで弾き回す「バレンタイン」は何故か、新しい音の響きがあって面白い。

このソロ・ピアノ盤を聴いて、やはり、何故、我が国で、ケイブルスのピアノは人気が薄いのか、またまた良く判らないなった。若干「黒い」適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが魅力。ケイブルスは1944年生まれなので、今年で77歳。この盤の録音時が51歳。レジェントなジャズマンとして、良質のジャズ・ピアノとして再評価が待たれるピアニストの1人である。
 
 
 
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2021年5月28日 (金曜日)

サザンロックとフュージョンと

もともと僕がジャズを本格的に聴き始めた頃は、フュージョン・ジャズの全盛期。ハードバップな純ジャズは片隅に追いやられ、猫も杓子もフュージョン・ジャズの時代だった。よって、フュージョン・ジャズについては造詣が深いほうである。純ジャズの「過去の名盤」を蒐集して聴く傍ら、FMのエアチェックや貸しレコード中心にフュージョン・ジャズを聴いていた。

フュージョン・ジャズの基本は、その前のトレンドである、クロスオーバー・ジャズの「ジャズとロックの融合」。そこに、様々な他のジャンルの音楽要素を織り交ぜる。ビートは8ビートが基本。ジャズからロックへのアプローチと、ロックからジャズへのアプローチとで、音の雰囲気は大きく変わる。

簡単に言うと、ジャズからロックへのアプローチの場合は「あくまでジャズ」で、オフビートが強く、8ビートがスインギー。ロックからジャズへのアプローチの場合は「あくまでロック」で、オフビートは薄くて、8ビートは疾走感溢れる。当たり前と言えば当たり前なんだが、僕にとっては、このアプローチの違いがフュージョン・ジャズの「面白味」の1つで、今でもなかなか興味深い要素のひとつである。
 

Cats-on-the-coast-sea-level
 

Sea Level『Cats on the Coast』(写真左)。1977年の作品。邦題はなんと「海猫」。ちなみにパーソネルは、Chuck Leavell (p, org, el-p, syn, clavinet, perc, vo), Jimmy Nalls (g, vo), Lamar Williams (b), George Weaver (ds), Randall Bramblett (org, as, ss, vo, perc), Davis Causey (g, vo), Jai Johanny Johanson (congas)。サザンロックの雄、オールマン・ブラザース・バンド(略して「オールマンズ」)のリズム・セクションが独立したバンド「シー・レベル」のセカンド盤。リーダーはキーボード担当の「チャック・レーベル」(写真右)。

音の志向はサザンロックとクロスオーバー・ジャズの融合。ボーカルものも入っていて、この盤については、ロックからジャズへのアプローチの「フュージョン・ロック」。サザンロック・テイストのインストものもあれば、アーバンな雰囲気濃厚のフュージョン・ジャズっぽいものもある。ロックからのアプローチゆえ、R&B的な要素やファンクネスは相当に希薄。

それでも聴いて楽しい「フュージョン・ロック」。特にサザンロック、それもオールマンズ者にとっては必聴盤であろう。サザンロックの「おいしい音」とクロスオーバー・ジャズの「おいしい音」が絶妙な融合が堪らない。我が国ではほとんど知られていない盤ではあるが、僕はリリースされた1977年以来、ずっとこの盤を時々引っ張り出してきては聴いている。長いレンジでの「ヘビロテ盤」である。
 
 
 

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2021年5月27日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・205

ジャキー・マクリーンはいかにも「ジャズらしい」アルト・サックス奏者である。マクリーンのアルトはピッチが「少しフラット」している。クラシックの世界からすると「論外」。しかし、ジャズの世界ではこれが「味」になり「個性」になる。これがジャズの面白いところ。聴いた時の感覚と雰囲気がジャジーであれば、それは「ジャズ」である。

Jackie McLean『Swing Swang Swingin'』(写真左)。1959年10月20日の録音。ブルーノートの4024番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Walter Bishop Jr. (p), Jimmy Garrison (b), Art Taylor (ds)。なかなか玄人ごのみのリズム・セクションをバックに、マクリーンのアルト・サックス1管のカルテット編成。ブルーノート盤らしく、しっかりリハーサルを積んだようで、演奏について破綻が全く無い。充実のハードバップである。

マクリーンのワンホーン・カルテット。マクリーンの癖のある、ピッチが「少しフラット」したアルト・サックスが心ゆくまで楽しめる。まず、これがこの盤の一番の「売り」ポイント。加えて、収録曲全7曲中、マクリーンの自作曲は1曲のみ。残りの6曲は全てスタンダード曲で、マクリーンのスタンダード曲の解釈が良く判り、個性的なアルトの音色が上手く活かされているのに感心する。
 

Swing-swang-swingin
 

冒頭の「What's New?」を聴けば、それが良く判る。このバラード曲のテーマを朗々とユッタリ情感豊かに吹くと、マクリーンのピッチが「少しフラット」したアルトが「良く無い方向」に目立つ。短くストレートに硬派に吹き上がることにより、マクリーンの個性あるアルトが「良い方向」に作用する。勢いがついて、このスタンダード曲の持つ印象的なフレーズがダイレクトに耳に残る。マクリーンは自分のアルトの音色の長所ち短所を良く把握している。

バックにリズム・セクションも実に良い雰囲気を醸し出す。マクリーンはピッチが「少しフラット」する。吹くだけで「マイナー調」。バックのピアノはハッピー・スインガーが良い。明朗で楽しく元気の良いピアノの方がバランスが良い。そして、ギャリソンの骨太ベースがしっかりと演奏のベースラインを支えていて、安心してアドリブを吹きまくれる。テイラーのドラムは変幻自在、硬軟自在、様々なパターンのリズム対する要求に柔軟に応える。

良きリズム・セクションに恵まれ、好調のマクリーンのアルトは無敵だ。ジャケットのデザインもブルーノートらしく、アーティスティックで実に雰囲気が良い。選曲良し、内容良し、ジャケット良しの「揃いも揃った三拍子」。とてもブルーノートらしい好盤である。
 
 
 

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2021年5月26日 (水曜日)

現代の4ビートなピアノ・トリオ

まだまだよく知らないピアニストがいるなあ、なんて感心した。ビル・カンリフ(Bill Cunliffe・写真右)。ブラジリアン・テイストをまぶした西海岸スムース・ジャズ畑のキーボーディストというイメージがあったが、以前、アコースティック・ピアノに絞って、コンテンポラリーな純ジャズ・トリオなリーダー作をリリースしていて、実は「あれれ」と思っていたのだが・・・・。

John Patitucci, Vinnie Colaiuta, Bill Cunliffe『Trio』(写真左)。2021年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bill Cunliffe (p), John Patitucci (b), Vinnie Colaiuta (ds)。僕としては、チック・コリアのアコースティック系のトリオで、その名を知った、ベースのパティトゥッチ、ドラムのビニー・カリウタが「リズム隊」を担当している。これは「聴かなければ」盤である。

この盤、アルバム上の表記を見れば、トリオの構成メンバーの3人がそれぞれ対等にリーダーを張っている。が、プロデュースは「カンリフ」。コンテンポラリーな純ジャズ・トリオを「カンリフ」のピアノをメインに、現代のピアノ・トリオ演奏を創り上げていく。リズム隊に不足は全く無い。これは面白い。興味津々である。
 

John-patitucci-vinnie-colaiuta-bill-cunl
 

演奏は「現代の」4ビートなピアノ・トリオの雰囲気濃厚。アレンジはアッサリしていて、恐らく、簡単な打合せをメインにヘッドアレンジっぽいまとめ方で作られている感じがする。が、このシンプルさが良い。そんなシンプルなアレンジの中で、強力リズム隊が丁々発止と極上のパフォーマンスを披露する。特にカリウタの自由度溢れるダイナミックなドラミングはいつ聴いても惚れ惚れする。

選曲は、チック者の僕好みで、特に4曲目の「The One Step」などは感謝感激雨あられである。チックの『Friends』の冒頭の1曲目のミッド・テンポの名曲なんだが、これをカンリフのピアノで再演している。パティトゥッチのブンブンなベースが凄く良い。そして、続くアップテンポの「Seven Steps to Heaven」も感謝感激雨あられ。アップ・テンポの印象的なフレーズを持った名曲。これをカンリフが軽快に弾き進め、カリウタのロング・ソロにノックアウトされる。

録音の状態も良好で、久し振りに本格的な「現代の」4ビートなピアノ・トリオ盤を心から楽しむ事が出来た。カンリフの純ジャズなピアノもリリカルで良いし、パティトゥッチのブンブンなベースは心地良く、カリウタの野生児の様な自由度溢れるダイナミックなドラミングは惚れ惚れする。なかなか良いピアノ・トリオ盤の出現である。
 
 
 

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2021年5月25日 (火曜日)

ハードバップの良いところ満載

ブルーノート・レーベル4000番台は、ハードバップの好盤の「宝庫」。ブルーノート4000番台の100枚は「捨て盤無し」。

4000番台の録音時期をジャズの歴史に照らし合わせると、ハードバップ全盛期から、ファンキー・ジャズやモード・ジャズ、フリー・ジャズなどの「多様化」の時代に当たる。その時代その時代の人気ジャズマンと次の世代を担う有望新人ジャズマンが入り乱れて、好盤を連発しているのだ。

Donald Byrd『Byrd In Hand』(写真左)。1959年5月31日の録音。ブルーノートの4019番。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Charlie Rouse (ts), Pepper Adams (bs), Walter Davis, Jr. (p), Sam Jones (b), Art Taylor (ds)。リーダーのドナルド・バードのトランペット、ラウズのテナー、アダムスのバリサク(バリトン・サックス)の3管フロントのセクステット編成。

ドナルド・バードのブルーノートでの2枚目のリーダー作になる。収録曲を見ると、バード作の曲が3曲、ピアノのディヴィスJr. の曲が2曲、スタンダード曲は冒頭の「Witchcraft」の1曲のみ。スタンダード曲に頼らず、セクステットのメンバーの「力量」をクローズ・アップし、メンバーの演奏力のみで聴き手に「訴求」しようとする野心作である。
 

Byrd-in-hand
 

このバードとディヴィスJr. の自作曲の出来がとても良く、何も知らずに聴いていると「スタンダード曲」の様に聴こえるくらいに、キャッチャーなフレーズが印象に残る。

この良曲に恵まれた中、絵に描いた様な「ハードバップ」志向の演奏が展開される。とにかく、セクステットのメンバーそれぞれの演奏テクニックがとても高い。「一糸乱れぬ」アンサンブル、クールだが「手に汗握る」アドリブ展開。

フロント3管がいずれも絶好調なのだが、特にペッパー・アダムスのバリサクが効いている。ブリブリと重低音なブラスを響かせて練り歩くような「無骨な」バリサクのフレーズ。バードのトランペット、ラウズのテナーの流麗さとの好対照がこの盤を特別なものにしている。

バックのリズム隊も好調で、特にウォルター・デイヴィスJr. のピアノが「ハッピー・スイング」で、この盤の演奏を「明るくポジティヴな雰囲気」に引き上げている。とにかく演奏が楽しくて仕方が無い、という風情のリズム隊は聴いていて爽快感抜群。

ハードバップの良いところ満載の好盤。フロント3管のアーシーで重厚なバランス感が抜群のアンサンブルが最大の「聴きもの」。我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、この盤を聴く度に「ハードバップって、やっぱりええなあ」と呟くのだ。
 
 
 

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2021年5月24日 (月曜日)

西海岸の異色のピアノ・トリオ盤

米国西海岸ジャズ、いわゆる「ウエストコースト・ジャズ」は奥が深い。もともと我が国では「一度は忘れ去られたジャズ」だった米国西海岸ジャズである。圧倒的に情報が不足していた。21世紀に入って、単行本含めて、米国西海岸ジャズについての紹介本が発刊されたりで、以前よりは情報が整理されてきた。それでも、まだまだ、その全貌は掴みきれていないのが正直なところ。

『Bernie Nerow Trio』(写真左)。1957年7月、ハリウッドでの録音。ちなみにパーソネルは、Bernie Nerow (p), Max Wayne (b), Dick Stein (ds)。ピアノの「バーニー・ニーロウ」がリーダーのピアノ・トリオ編成。イラストのジャケットが特徴の、幻の西海岸ジャズレーベルである「モード・レーベル」からのリリース。

他にリーダー作が無い、バーニー・ニーロウの稀少な作品。稀少な作品なので、このバーニー・ニーロウというピアニスト、結構、悲劇的なキャリアをしているのかと思ったら、ネットの情報を紐解くと「後年ピーター・ネロと名乗り、イージー・リスニングの世界に身を投じ一世を風靡した」とのこと。おお、ピーター・ネロって名前は聞いたことがあるぞ。なんだ、後年はイージー・リスニング畑の有名人なのね。
 

Bernie-nerrow-3
 

ジャズへの傾倒については、これもネットの情報を紐解くと「幼少の頃からクラシック音楽を学びコンサート・ピアニストを目指していた彼がアート・テイタムとの出会いからジャズに目覚めた」とある。クラシック・ピアノの素養がかなりある、加えて、アート・テイタムに感化されたということは、ピアノ弾きのテクニックは相当なものがあると見た。

で、このトリオ盤である。聴くとその内容はユニーク。おおよそ、当時流行っていたハードバップ志向のジャズでは無い。米国西海岸ジャズの特徴である「アレンジに優れた聴かせるジャズ」でも無い。クラシック・ピアノの様な端正な弾き回しとアート・テイタムばりのジャジーな高速弾き回しで聴き手を圧倒する。ピアノ・トリオ編成ではあるが、ピアノだけが前へ出て弾きまくる。ベースとドラムのリズム隊はリズム・キープに徹している。

「クラシック音楽とジャズの融合」と「ジャズピアノにおけるオーケストラ奏法への挑戦」がテーマとのこと。その情報を得て合点がいった。内容的には「ビ・バップ」に近いが、フレーズの雰囲気が「どっぷりジャズ」では無く、どこか「クラシック風」なのだ。ハイ・テクニックにまかせて高速な即興フレーズを弾きまくるのは、バド・パウエルばりだが、ジャジーな雰囲気が希薄なところが、どこか米国西海岸ジャズっぽくて面白い。クラシック風の高速な即興フレーズが個性の「異色のピアノ・トリオ盤」として聴くと違和感は無い。
 
 
 

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2021年5月23日 (日曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・91

最近、好んで聴き直しているピアノ・トリオがある。「The 3 Sounds」である。アルフレッド・ライオン率いるブルーノート・レーベルの企画型のピアノ・トリオ。ブルーノート・レーベルは意外とピアノ・トリオ盤が少ない。そんな中で、この「The 3 Sounds」は、トリオ名義のアルバムが20枚程度、リリースされている。如何に破格の扱いの売れっ子ピアノ・トリオであったことが窺い知れる。

ただ、我が国では何故か人気が低い。ピアノ好き、ピアノ・トリオ好きの日本人ジャズ者の方々の中でも、何故か人気が薄い。スタンダード曲中心で「商業臭さ満載」と感じているのか、軽妙で聴いて楽しい「判り易さ」がいけないのか、どうにも我が国のジャズ者の方々からは人気が無い。しかし、最近やっと、ネット上で再評価される兆しが見えてきた。

The 3 Sounds『Good Deal』(写真左)。1959年5月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。ブルーノート・レーベルから4枚目のトリオ盤になる。トリオの3人が腕を組んで街を歩く写真をあしらったジャケット。メンバーの表情が生き生きとしていて、充実した内容が想像出来る良いジャケットである。
 

Good-deal
 

一言で言うと、The 3 Soundsの実力が遺憾なく発揮された、素晴らしい内容のトリオ盤である。収録曲全8曲中、6曲がスタンダード曲。しかも、聴いて楽しい、シンプルな曲が多く収録されていて、収録曲を見ただけでは、このトリオ盤、イージーリスニング風のライトでカクテルなトリオ盤に思えて、なかなか触手が伸びないのは理解出来る。

しかし、聴けばその印象は「吹っ飛ぶ」。活きの良いスイング感が程好い、ブルース・テイスト芳しいトリオ演奏がてんこ盛り。しかも、トリオのメンバー、三人三様、そのテクニックの限りを尽くして、ドライブ感溢れる、端正で軽妙でファンキーなアドリブ展開を披露する。それにしても実に「上手い」。上質のトリオ演奏であり、ハードバップな逸品である。

ジャズ盤紹介本などでは、まず紹介されることが無い盤であるが、どうして、その内容は「超一級品」。僕は「The 3 Sounds」の代表作の一枚と評価している。録音のバランスも良く、ブルーノート・サウンドの見本の様な音世界がこの盤にギッシリ詰まっている。今までの評価の低さは忘れて、是非聴いていただきたい逸品である。
 
 
 

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2021年5月22日 (土曜日)

西海岸ジャズらしいベーシスト

ウエストコースト・ジャズ、いわゆる「米国西海岸ジャズ」は1960年代後半から1980年代半ばまで、我が国では「忘れ去られたジャズ」化していた。つまりは、我が国は「米国東海岸ジャズ」偏重だったのだが、21世紀になった今では、もうそういう偏った傾向は無い。

Don Bagley『Basically Bagley』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Don Baglay (b), Jimmy Rowles (p), Shelly Mane (ds)。ベーシスト、ドン・バグレーをリーダーとしたピアノ・トリオ編成。リーダーのベーシストのテクニックと西海岸ジャズならではの「聴かせる」ピアノ・トリオ演奏の両方が楽しめる好盤である。

僕はこの「ドン・バグレー」というベーシストを21世紀に入るまで知らなかった。ネットの時代になって、ダウンロードで、我が国ではあまり知られていない米国西海岸ジャズの好盤の数々を聴くことが出来る様になって、初めて知った次第である。この盤は和訳すると「要はバグレー」。
 

Basically-bagley
 

この盤でのバグレーはひたむきにジャズ・ベースを弾いていて、これがこのピアノ・トリオ演奏における好サポートにつながっている。この盤のピアノ・トリオ演奏を内容の濃いものにしているのは、このバグレーのベースなのだ。バグレーのベースが演奏の底のビートをしっかり押さえているので、ドラムのシェリー・マンは丁々発止と変幻自在な技を披露できるのだし、ロウルズのピアノは歌心溢れるフレーズを一糸乱れず弾き切るのだ。

バグレーはベーシストだけに、リーダー作は数作しかない。しかし、スタン・ケントン楽団から始まって、リー・コニッツ、ショーティー・ロジャース、ベン・ウエブスターなどのバックを担当した、サイドマン志向のベーシストであったことが窺える。いわゆる「演奏の底のビートをしっかり押さえる」のに長けているベーシストなのだ。

21世紀なった今でも、西海岸ジャズを聴き進めて行くと、聴いたことの無いジャズマンに出くわして、ちょっと「あたふた」するのだ。今回、このバグレーもそんなジャズマンの1人。しかし、この人のベースを聴くと、とにかくひたむきにベースを弾いていて、音も歯切れが良くて清々しい。米国西海岸ジャズらしいベーシストと言えるのではないだろうか。
 
 
 

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2021年5月21日 (金曜日)

天気関連がタイトルのジャズ盤

今年は早々と西日本を中心に梅雨入りしてしまった。関東地方もまだ梅雨入り宣言は無いけど、今週はずっと雨模様の日が続いて、とにかく鬱陶しいことこのうえ無い。しかし、今年は梅雨入りが早い。7月に入ったら梅雨明けしてくれたら良いのだけど、7月中もずっと梅雨が継続するようなら、もう「ゲンナリ」である。

さて、天気をテーマにした曲、天気関連をタイトルにしたジャズ盤ってあるのかな、と思い立ったのだが、天気をテーマにした曲は幾つかある。思いつくところで「Come Rain or Come Shine(降っても晴れても)」、「September In The Rain(9月の雨)」、「A Foggy Day(霧深き日)」、「The Eye Of The Hurricane(台風の目)」等々、意外とあるんですよね。

天気関連をタイトルにしたジャズ盤としては、Red Garland『All Kinds of Weather』、Stan Getz『Sweet Rain』、Joe Sample『Voices In The Rain』、Weather Report『Heavy Weather』、Sue Raney『Songs for a Raney Day』等々、これも結構あるんですよね。Weather Reportなんて、バンド名がズバリ「天気予報」(笑)。
 

All-kinds-of-weather
 

Red Garland『All Kinds of Weather』(写真左)。1958年11月27日の録音。ちなみにパーソネルは、Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。タイトルが「あらゆる種類の天気」。天気をテーマにした曲を集めた「企画盤」風のアルバム。左手のブロックコード、右手のシングルトーンの燻し銀な職人ピアニスト、レッド・ガーランドのリーダー作である。

天気をテーマにした曲ばかりを集めた盤かと思いきや、収録曲を見渡すと「Summertime(夏時間)」「Tis Autumn(この秋)」と季節をテーマにした曲も混ざっているのはご愛嬌。ポルチェンのベース、テイラーのドラムという優れたリズム隊をバックに、ガーランドは気持ち良く歯切れ良く、ピアノを弾き進めていく。体調も良かったのだろう、タッチがいつになく躍動感があって切れ味が良い。

左手のブロックコード、右手のシングルトーンのガーランドのピアノって、シンプルが故にちょっとマンネリ化する「きらい」があるので、こういう企画盤で目先を変えるのって「アリ」なんだろうな。プレスティッジ・レーベルからのリリースなんだが、ジャケット・デザインも「新聞の天気予報」をあしらった、プレスティッジらしからぬ、なかなか洒落たデザインで「キマって」いる。
 
 
 

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2021年5月20日 (木曜日)

和ジャズの新しい才能の登場

和ジャズの新しい才能の登場である。またまた女性ピアニストである。梅井美咲。ネットの紹介文を引用させてもらうと「音大に通う19歳。子供の頃からピアノと作曲を学び、数々のコンクールに入賞。16歳でブルーノート東京に出演して上原ひろみと共演したという天才肌のミュージシャン」とある。

梅井美咲トリオ『humoresque』(写真左)。2021年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、梅井美咲 (p), 熊代崇人 (b), 橋本現輝 (ds)。収録された全8曲、全て、梅井美咲の自作曲で固めた初リーダー作。作曲の才能も去ることながら、ジャジーなピアノ・トリオ演奏を前提にしたアレンジの才能も素晴らしい好盤である。

クラッシックの作曲を学ぶ傍ら、ポピュラーからジャズまで幅広いジャンルの作曲と演奏に取り組んでいる、とある通り、ピアノのタッチと弾きっぷりが、スケールの広いクラシック・ピアノの様でもあり、ファンクネス希薄なニュー・ジャズっぽくもあり。リズム隊のダイナミズムと併せて、在りし日の「Chick Corea Akoustic Band」のパフォーマンスを思い出した。
 

Humoresque_umei
 

従来のジャジーなピアノでは全く無い。というか「ジャズ・ピアノ」の弾き方では無い。広いスケールでダイナミックでリリカル、ファンクネス希薄で切れ味の良いオフビート。まず、今までのジャズ・ピアノには無い弾きっぷり。雰囲気的には、クラシック風に傾いた時の「チック・コリア」を彷彿とさせる。テクニックはかなり高いものがあって、聴き終えた時に清々しい「爽快感」が残る。

この盤は、ピアニストとしての個性を楽しむよりは、リーダーの梅井の作曲・アレンジを含めた「ピアノ・トリオ演奏」の作品を楽しむ盤だと思う。僕は、梅井のピアニストとしての個性より、コンポーザー&アレンジャーとしての個性に感じ入った。この梅井の作品を聴いていて、ふと、カーラ・ブレイや挾間美帆の名が頭に浮かんだ。

このピアノ・トリオについても、まだまだポテンシャルは大いにあると思う。このピアノ・トリオを前提とした、梅井のコンポーザー&アレンジャーの手腕を振るった作品をもっと聴きたい気持ちにさせられる、それほど、聴いていて面白く、聴いていて気持ちが良い、ピアノ・トリオの演奏が詰まっている。早くも次作を心待ちにしている。
 
 
 

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2021年5月19日 (水曜日)

この盤のジミー・スミス、大好き

当時、ブルーノートの看板ジャズマンの1人だった「Jimmy Smith(ジミー・スミス)」。デビューした1500番台では、前へ前へ出て、ブイブイとオルガンを弾きまくって、目立ちに目立っていた。

が、4000番台に入ってからは、ちょっと落ち着いて、ブルーノート・オールスターズをバックしたセッションなどでは、リーダーとしてしっかりバックに控えて、セッションをコントロールする立場に変化している。

ブルーノートの4000番台を聴き直していて、ジミー・スミスのリーダー作に出会う度に、大人になったなあ〜ジミー・スミス、と感心する反面、あの「前へ前へ出てブイブイ弾きまくる」姿も彼の個性なので、これはこれで聴きたいよな、なんて思っていたら、このアルバムにぶち当たって、ジミー・スミスのオルガンって、これでなくっちゃ、と思うのだ。

Jimmy Smith『Crazy! Baby』(写真左)。1960年1月4日の録音。ブルーノートの4030番。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Quentin Warren (g), Donald Bailey (ds)。4000番台に入って、ブルーノート・オールスターズとの演奏が主だったのだが、ここでは、1500番台の頃の「ベースレス、ギター入りのトリオ編成」のレギュラー・トリオである。
 

Crazy-baby
 

この盤の最大の魅力は「ゴスペル調のアーシーな演奏を熱く繰り広げている」こと。ジミー・スミスのオルガンは、確かに「黒い」が、ソリッドで切れ味の良い、疾走感溢れる演奏が多かったので、アーシーな雰囲気はあまり感じられなかった。が、この盤では、とても「アーシー」で、どっぷりと「黒い」。

録音時期から見ると、ジミー・スミスならではの「ファンキー・ジャズ」に対する回答なのかもしれない。冒頭の「When Johnny Comes Marching Home(ジョニーが凱旋する時)」などを聴くと、普通にハードバップな演奏をすると、ちょっとチープになりがちな旋律を持った曲だが、ここまでアーシーにゴスペルチックにアレンジすると、なかなか滋味溢れるファンキーなジャズに変化するから面白い。

ジャケットがカラー写真なのも当時としては珍しい。如何にブルーノート・レーベルにとって、ジミー・スミスが「売れっ子」ジャズマンだったのか、アルフレッド・ライオンの秘蔵っ子だったのか、が良く判る。確かにこの盤を聴けば、それが実感出来る。凄まじいスイング感とアーシーなグルーヴ感。この盤のジミー・スミス、大好きだ。
 
 
 

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2021年5月18日 (火曜日)

軽妙で聴いて楽しいトリオ

ブルーノート・レーベルが企画したピアノ・トリオ「The 3 Sounds(スリー・サウンズ)」。職人肌のメンバーが集結したピアノ・トリオであるが、ピアノ好きの我が国では何故か人気が低い。ジャズの老舗レーベルが「企画した」のが気に入らないのか、スタンダード曲中心で「商業臭さ満載」なのが気に入らないのか、良く判らないが、確かに「人気が低い」。

確かにジャズ・ピアノ入門本などでも、スリー・サウンズのアルバムは1枚程度しか紹介されない。ブルーノートの1500番台〜4300番台の間には 20枚程度のアルバムをリリースしていて、どのアルバムも僕の耳には「水準以上」のレベルのピアノ・トリオの演奏だと思うんですけど。こういうところが、我が国のジャズ盤評論の不思議なところ、である。

The 3 Sounds『Bottoms Up!』(写真左)。ブルーノートの4014番。1958年9月と1959年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p, celeste), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。収録曲全8曲中、6曲目の「Jinne Lou」のみ、ジーン・ハリスの自作、以外の7曲はスタンダード曲で占められている。
 
 
Bottoms-up  
 
 
このスタンダード曲の演奏、アレンジが秀逸なのが、この盤の特徴。冒頭の「Bésame Mucho」を聴けばそれが良く判るが、アレンジと演奏力次第では「チープ」な演奏に陥り易いラテン調のスタンダード曲が、お洒落で粋なアレンジと燻し銀的な渋くて流麗なテクニックで、なかなかシュッとして軽妙な演奏に仕上げている。

7曲目の「Nothing Ever Changes My Love for You」など、ちょっとカリプソ調のアレンジに乗って、スリー・サウンズの個性である「軽妙」なパフォーマンスを展開、この「軽さ」が絶妙で、ピアノ・トリオの演奏が「重く」ならずに、シンプルで軽妙に仕上がっているところが、この「スリー・サウンズ」の良いところ。

軽妙でハイ・テックニックなピアノ・トリオである「スリー・サウンズ」。そんなトリオの個性が手に取るように判るアルバムがこの『Bottoms Up!』。聴いて楽しい、シンプルで判り易い「スリー・サウンズ」の面目躍如。ジャケット・デザインも洒脱で、僕にとってこの「スリー・サウンズ」、大好きなピアノ・トリオの1つです。
 
 
 

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2021年5月17日 (月曜日)

チャレンジし進歩するモーガン

モーガンは「鯔背な」トランペッター。フレーズの終わりを「キュッ」と捻り上げる様な癖が「鯔背」。ファンキー・トランペットの代表的存在とされる向きもあるが、それはちょっと違うだろう。モーガンは、1972年2月19日、33歳で、彼の内縁の妻ヘレンに撃たれてこの世を去るまで、「チャレンジし進歩する」トランペッターだった。

Lee Morgan『lee-way』(写真左)。1960年4月28日の録音。ブルーノートの4034番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Bobby Timmons (p), Paul Chambers (b), Art Blakey (ds)。モーガンのトランペットとマクリーンのアルト・サックスが2管フロントのクインテット編成。リズム・セクションは、ジャズ・メッセンジャーズから、ブレイキーのドラムとティモンズのピアノが参戦。ベースは先進的なポルチェンがチョイスされている。

モーガンは、1958年2月に、硬派なファンキー・ジャズ盤『Candy』を残して、一旦、ブルーノートを離れる。その後、Vee-Jayレーベルから、『Here's Lee Morgan』『The Young Lions』『Expoobident』の Vee-Jay3部作をリリースする。この3部作の内容を確認すると、演奏全体の雰囲気が、明るいメリハリの効いたファンキーなハードバップから、ちょっとモードに傾いた、新主流派な思索的でクールな雰囲気に変わっている。
 

Leeway
 

今回の『lee-way』は、再びブルーノートに戻って、Vee-Jay3部作の内容をそのまま踏襲した、モードに傾いた、新主流派な思索的でクールな内容のパフォーマンスを展開している。この盤にはもはや「ファンキー・トランペッター」のモーガンはいない。抑制が効いて、ちょっと大人しいプレイに聴こえるが、実は喜々として、バリバリ吹きまくっている。今回は完全に、マクリーン「置いてきぼり」である。

モードに傾いた、新主流派な思索的でクールな内容にチャレンジしているので、フレージングやアドリブ展開の吹き回しとかが、以前と明らかに変わってきている。これがモーガンの「既定路線」なのは、ブレイキーのサポートが揺るぎないこと、ティモンズのファンキー・ピアノも、モーガンの新しい志向に追従していることからも良く判る。

そして、その志向が「正解」なのも、ポルチェンのモーダルなベースのサポートを聴いても良く判る。バンド全体がしっかりと「モーガンの新しい演奏志向」をサポートしている。モーガンって、意外とその時その時のジャズの演奏の「流行」というのを意識している。考えるトランペッターであったことは、この辺りのアルバムを聴くと良く判る。
 
 
 

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2021年5月16日 (日曜日)

リヴァーサイドのギタリスト

リバーサイド・レーベル(Riverside Label)には「ならでは」のラインナップがある。モダンジャズ3大レーベルのブルーノート、プレスティッジには無い、ジャズマンのラインナップがある。例えば、今回ご紹介する「Mundell Lowe(マンデル・ロウ)」というギタリストなど、良い例だと言える。

このリヴァーサイド・レーベルのアルバムを、カタログを参考に聴き直しを始めると、ほどなく「マンデル・ロウ」に遭遇する。ブルーノートやプレスティッジでは全く聴いたことが無いギタリストの名前。マンデル・ロウはジャズ・ギタリスト。1922年4月21日ミシシッピ州ローレル生まれ。Wikipediaによると「ラジオ、テレビ、映画で、またセッションミュージシャンとしてもよく働いたアメリカのジャズ・ギタリスト」とある。

ジャズ・ギタリストとして純粋に活動したのは、1950年代がメイン。1955年から57年の間に、リヴァーサイドから4枚のリーダ作をリリースしている。その4枚の中で、今回ご紹介する盤はこれ。
 

Guitar-moods

 
Mundell Lowe『Guitar Moods』(写真左)。1956年2月20日と3月2日の録音。ちなみにパーソネルは、Mundell Lowe (g). Al Klink (b-cl,fl), Phil Bodner (oboe, English horn), Trigger Alpert (b), Ed Shaughnessy (ds)。マンデル・ロウのギター・トリオに、効果的な伴奏を供給するバスクラとフルート、オーボエとイングリッシュ・ホルンが参加した変則クインテット編成。

心地良くエレガントな音色のマンデル・ロウのギター。スローなナンバーの中、流麗なコードワークでじっくり聴かせる技に、意外に凄みを感じる。収録曲12曲全てがスタンダード曲。スタンダード曲を平均2〜3分の短い演奏で繋いでいく。ムーディーで甘さに流されないか危惧するが、マンデル・ロウの柔らかなギターにはしっかり芯が入っていて、意外と硬派なので、それは杞憂に終わる。

もともとリヴァーサイドのアルバム制作の方針が「聴かせるジャズ、聴いて楽しむジャズ」を標榜している様で、そういう意味では、バスクラとフルート、オーボエとイングリッシュ・ホルンの伴奏が実に効果的で、日本では無名に近いが、充実のイージーリスニング・ジャズに仕上がっていて立派。オリン・キープニュースのプロデュース方針にピッタリと合致したギター盤ですね。
 
 
 

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リヴァーサイドらしいトリオ盤

リバーサイド・レーベル(Riverside Label)は、1953年にオリン・キープニュースとビル・グラウアーによって、NYに設立されたジャズ・レーベル。実質的な活動期間は約10年間だが、ブルーノート、プレスティッジと並んで、モダンジャズ3大レーベルの1つとされるだけあって、ならではのラインナップは魅力満載。

このリヴァーサイド・レーベルのアルバムを、カタログを参考に一気に聴き直しているのだが、まず、目に付いたのが「Randy Weston(ランディ・ウエストン)」。1926年、NY生まれのジャズ・ピアニストである。初リーダー作はリヴァーサイド・レーベルからで、1950年代半ばには、リヴァーサイドにて、3年間に6枚のリーダー作をリリースしている。リヴァーサイドの活動初期のお抱え看板ピアニストだったようである。

『Get Happy with the Randy Weston Trio』。1955年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Randy Weston (p), Sam Gill (b), Wilbert Hogan (ds)。ランディ・ウエストンをリーダーとしたピアノ・トリオ編成。トリオ編成なので、ランディ・ウエストンのピアノの個性が明快に理解出来る、優れもの盤である。
 

Get-happy-with-the-randy-weston-trio

 
改めて、リバーサイド・レーベルの初期、1950年代中期の看板ピアニスト、ランディ・ウエストンのトリオ盤である。ウエストンのピアノは判り易い。パワフルなタッチで、ビ・バップ風に弾きまくる。力強くスイングし、潔い弾きっぷり。色気とか茶目っ気とかには全く無縁。ガンガングイグイ弾くタイプで、力感溢れ、ダンディズムな吹き回しは「ストイック」ですらある。

収録曲は全10曲。1曲が2〜4分台の曲がほどんどで、内容的にはハードバップというよりは、成熟したビ・バップという雰囲気に近い。ただ、ランディ・ウエストンの自作曲が2曲に留まり、他はスタンダード曲中心なので、ランディ・ウエストンのスタンダードの解釈、弾きっぷりの個性が明快。とにかくシンプルに弾き切り、判り易くアレンジ展開する。難解な部分、捻れた部分は全く無い。逆にちょっと単純過ぎる、というか、ちょっと淡泊すぎる点がちょっと気になる。

もともとリヴァーサイドのアルバム制作の方針が「聴かせるジャズ、聴いて楽しむジャズ」を標榜している様で、そういう意味では、ランディ・ウェストンの個性が良い方向に作用し、明快で「聴き易い」ピアノ・トリオ盤に仕上がっていると言える。オリン・キープニュースのプロデュース方針にピッタリと合致した好トリオ盤です。
 
 
 

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2021年5月14日 (金曜日)

メッセンジャーズは変化する。

ブルーノート・レーベルの1500番台、そして、4000〜4423番の中で、アート・ブレイキー単独名義とアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ名義のアルバムを併せると全部で23枚あるのだそうだ。この記録は「第2位」。ちなみに第1位は、ジミー・スミスで27枚。

取りも直さず、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズはブルーノートの看板バンドだったのだが、我が国では意外と盤毎に人気のバラツキがある。ファンキー・ジャズの代名詞的アルバム『Moanin'』は大人気盤なのだが、その次は、と問われれば、意外と具体的な盤名が出てこないジャズ者の方々が多い。どうも、ジャズ・メッセンジャーズって、我が国では意外と人気が薄いのではないか、と思っている(僕にはお気に入りバンドのひとつですが)。

Art Blakey & Jazz Messengers『The Big Beat』(写真左)。1960年3月6日の録音。ブルーノートの4029番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp, flh), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。モーガンのトランペット、ショーターのテナーの2管フロントのクインテット編成。

実はこの盤、かのファンキー・ジャズの代名詞的アルバム『Moanin'』のすぐ後のスタジオ録音盤なのだ。『Moanin'』の録音が1958年10月末なので、この『The Big Beat』は、僅か4ヶ月後の録音になる。メンバーを見渡すと、テナーがベニー・ゴルソンからウェイン・ショーターに代わっているだけ。
 

The-big-beat
 

しかし、この盤を聴くと、内容的に『Moanin'』を踏襲したファンキー・ジャズかと思いきや、これまた違った雰囲気のファンキー・ジャズになっているから面白い。『Moanin'』は「こってこてファンキー」な内容だったが、この『The Big Beat』は、「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズに変化している。

ショーターのテナーが引き金になっている。ショーター以外のメンバーは、ファンキー・ジャズを踏襲した、正統なハードバップ志向だが、ショーターのパフォーマンスだけ、ちょっと響きが異なる。モーダルでクールなフレーズが見え隠れしていて、熱いファンキーな雰囲気というよりは、クールで理知的な雰囲気になっている。そして、他のメンバーが、このショーターの「異質な雰囲気」に感化されて、演奏全体が「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズに変化しているのだ。ショーター恐るべし、である。

曲の雰囲気もどこか「クールで理知的な」雰囲気が漂う楽曲があって、作曲者を見ると、やはりショーターが書いている。正式には全6曲で、その6曲中、半分がショーター作。どこかエキゾチックでどこかモーダルなショーターの曲の存在が、この盤の雰囲気を「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズに変えている。

ジャズ・メッセンジャーズが、こってこてファンキーなジャズからモーダルなジャズへ変貌する、最初の姿がこの盤に記されている。この盤に記録されている「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズ、なかなかお洒落で聴き応えがある。特にラストの「It's Only a Paper Moon」はずっと僕のお気に入り曲の1つで、典型的な「クールで理知的な」ファンキー・チューンに仕上がっている。
 
 
 

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2021年5月13日 (木曜日)

レッドとマクリーンの素敵な共演

ブルーノート・レーベルのアルバムのリーダーを張ったジャズマンの中には、ブルーノートならではのジャズマンが幾人かいる。言い換えれば、ブルーノート・レーベルにのみ、好盤を残したジャズマン、他のレーベルに移籍してからは地味な存在、若しくは、その存在自体が消えていく、そんなジャズマンが幾人かいる。

Freddie Redd『Music from the Connection』(写真左)。1960年2月15日の録音。ちなみにパーソネルは、Freddie Redd (p), Jackie McLean (as), Michael Mattos (b), Larry Ritchie (ds)。フレディ・レッドは1928年ニューヨーク生まれのピアニスト。フレディ・レッドのピアノ・トリオをバックに、マクリーンのアルト・サックス1管がフロントのカルテット編成。

フレディ・レッドは、1959年にニューヨークのリビング・シアターの演劇「The Connection」の出演と音楽の作曲を担当した事で、一躍名前を知られるようになったピアニスト。典型的なバップ・ピアニストであるが、やや地味というか、目立たないタイプで、ジャズ・ピアノ好きが多い日本においても知名度は比較的低い。

フレディ・レッドの好盤はブルーノート・レーベルに固まっている。というか『The Music From The Connection』『Shades of Redd』『Redd's Blues』のブルーノートの3枚以外には、リヴァーサイド・レーベルからの『San Francisco Suite』、仏のFuturaレーベルからの『Under Paris Skies』くらいしか浮かばない。
 

Music-from-the-connection

 
フレディ・レッドの名を知らしめた、薬物中毒者を扱った演劇「The Connection」の楽曲を、ジャズのカルテット演奏に置き換えたのが、この盤である。このジャズ化された「The Connection」の楽曲、印象的なフレーズがてんこ盛りの良い曲ばかりで、フレディ・レッドはジャズ史上屈指の作曲家であり、ジャズ史上屈指のメロディ・メーカー、ということが言える。

そんな良曲に恵まれて、フロント1管のマクリーンのアルト・サックスが素晴らしいパフォーマンスを披露している。ワンホーンなだけに、心ゆくまで他に気兼ねすること無く、自らのイメージのフレーズを吹きまくる、この盤でのマクリーンは凄い。マクリーンのパフォーマンスの代表盤に上げて良いくらい充実したフレーズを吹きまくっている。

フレディ・レッドのピアノの本質はバップ。フレーズはブルージーでアーシー。マイナーなフレーズがメインのアドリブが哀愁感を引き立たせる。これが、マクリーンのちょっとピッチがフラットした、バップなアルト・サックスのフレーズにバッチリ合うのだ。ベースとドラムのリズム隊は平凡だが、マクリーンのアルト・サックスとレッドのピアノで充実のパフォーマンスである。

こういう盤、フレディ・レッドの優れたリーダー作をしっかりと残したブルーノート・レーベルはやっぱり凄い。総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンに敬服する。この盤を含めた「ブルーノート3部作」が残っているからこそ、フレディ・レッドというピアニストがジャズ史に、その名を留めることが出来たのだ。

そんなフレディ・レッド、2021年3月17日、NYにて92歳で逝去した。合掌。
 
 
 

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2021年5月12日 (水曜日)

山下洋輔の最新ソロ・ピアノ盤

我が国のジャズ・ピアニストの中では「レジェンド」の位置づけになる。特に僕はジャズを聴き始めた大学時代、何故かこのピアニストのフリーな弾きっぷりが好きになり、『寿限無』『クレイ』『ミナのセカンド・テーマ』などを、時々、思い出した様に聴きまくっていた。そのピアニストとは「山下洋輔」である。

山下洋輔は1942年生まれ。今年で79歳になる。とにかく僕がジャズを聴き始めた1970年代後半、山下洋輔はジャズ・ピアニストとして推しも押されぬ人気ジャズ・ピアニストになっていて、結構な数のリーダー作をリリースしていた。その演奏スタイルは「フリー&アブストラクト」。しかし、国立音楽大学作曲科卒という経歴から、彼のピアノの基本にはクラシックの素養が備わっていて、テクニック的に優れている。

山下洋輔『Quiet Memories(クワイエット・メモリーズ)』(写真左)。2020年7月14-15日、BS&Tスタジオでの録音。2020年12月のリリース。アルバムのキャッチ・コピーの表現を借りると「60年に及ぶ演奏活動を振り返る、最新ソロピアノ作品集」になる。ピアノは、名機ベーゼンドルファーModel 290 インペリアルを使用。確かに、重厚で煌びやかな良い音をしている。収録曲はジャズ・スタンダード曲あり、山下洋輔の自作曲ありのオーソドックスな内容。
 

Quiet-memories

 
先に「桑原あい」のソロ・ピアノ盤を聴いていたので、この山下洋輔の最新ソロピアノ作品集を聴いて、まず感じたのが「これが、これまでの純ジャズのソロ・ピアノやなあ」。「桑原あい」のソロ・ピアノを揶揄しているのでは無い。彼女のソロ・ピアノは、他の音楽ジャンルのアプローチをも吸収した「フュージョンな」ソロ・ピアノなので、山下洋輔のソロ・ピアノと比較して優劣を論じるものでは無い。どちらも「アリ」であり、どちらもジャズである。

さて、この『Quiet Memories』、誠に聴き応え十分なソロ・ピアノで、とにかく山下洋輔のパフォーマンスが見事である。しっかりと効いたオフビート。フリーなアドリブ・フレーズを弾き回す中でも、ジャジーなスイング感はその底に流れ、右手が奏でるフレーズにもジャジーなグルーヴ感が感じられる。ああ、これが山下洋輔のピアノなんだ、と思わず懐かしくなった。

ネットの当アルバムの評価を確認すると、あまり注目度は高くない様だが、どうして、この山下洋輔の『クワイエット・メモリーズ』、ジャズのソロ・ピアノ集として優れた内容で、ワールド・ワイドで見て、2020年度屈指のソロ・ピアノ集だと思う。この最新ソロピアノ作品集、我がバーチャル音楽喫茶『松和』のヘビロテ盤になってきた。聴けば聴くほど味わいが深まり、新しい魅力が発見できる「深い内容」のソロ・ピアノ盤である。
 
 
 

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2021年5月11日 (火曜日)

ビリー・チャイルズを聴き直す

2020年度 Jazz Life Grand Prixにノミネートされたジャズ盤を眺めていて、Billy Childs(ビリー・チャイルズ)の名前が目に留まった。ビリー・チャイルズはジャズ・ピアニスト。グラミー賞の常連だけでなく、受賞回数も多い人気ピアニストである(5度のグラミー受賞)。今まであまり聴く機会の無かったピアニストだったので、今回、しっかりと聴いてみようと思い立った。

Billy Childs『Acceptance』(写真左)。2021年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、Billy Childs (p, Fender Rhodes, key), Steve Wilson (sax), Hans Glawischnig (b), Eric Harland (ds), Elena Pinderhughes (fl,vo), Alicia Olatuja, Aubrey Johnson, Sara Gazarek (vo), Rogerio Boccato, Munyungo Jackson (perc)。

ビリー・チャイルズ、3年振りのリーダー作になる。聴き始めて感じるのは、どこか馴染みのあるピアノの音、フレーズ、雰囲気。しかも、自分の好みにしっかりと「刺さる」。そう、1960年代以降のピアノ・ジャイアントである、チック・コリア、ハービー・ハンコックの影響が感じ取れる。どちらも僕の大好きなピアニストである。なんか納得する。
 

Acceptance

 
オープニング・ナンバー「Dori」は、バイヨン、パルチードアルトなどのブラジルのリズムを取り入れたサンバのナンバー。音的には現代の電気楽器と録音技術を駆使して、とても洗練された、とてもクールでパッションな「ジャズ・サンバ」チューンに仕上がっている。この1曲だけでも聴き応え十分。それにしても、チャイルズのピアノはダイナミックで流麗で、聴いていて惚れ惚れする。

ボーカルの使い方、シンセサイザーやローズの使い方などは、どこか「ジョージ・デューク」を彷彿とさせるところが見え隠れする。洗練されたライトなR&B風の「フュージョン・ジャズ」っぽいところは、どこか新しい雰囲気が漂って素敵だ。これまでのフュージョン・ジャズ、ニュー・ジャズ、コンテンポラリーな純ジャズの要素を整理整頓して、現代のジャズに昇華させた様な、壮大な音世界である。

5度のグラミー受賞」なジャズマンということで、どこか敬遠していたところがあって、不明を恥じることしきり、である。これはこれは、意外と僕の好みの音ではないか。このビリー・チャイルズのリーダー作を一気聴きしたくなった。
 
 
 

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2021年5月10日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・205

ジャズマンの中には、バックに回って結構な数の「他のリーダー作」のセッションに参加している割に、自らのリーダー作については、全くの「寡作」のジャズマンが結構いる。そんな「リーダー作が寡作」なジャズマンの代表的存在の1人が、ピアニストの「Walter Davis Jr. (ウォルター・デイヴィス・ジュニア)」。

ディヴィス・ジュニアは、ブルーノートの4000番台、4100番台に、ちょくちょく「他のリーダー作」に顔を出している。振り返って見ると、サイドマンとして「他のリーダー作」への参加もそんなに多くこなしている訳では無い。しかも、リーダー作については、ブルーノート時代の1950年代から1960年代は「1作」のみ。1970年代以降も10数枚程度。地味なリーダー作がほとんど。

Walter Davis Jr.『Davis Cup』(写真左)。1959年8月2日の録音。ブルーノートの4018番。 ちなみにパーソネルは、Walter Davis Jr. (p), Donald Byrd (tp), Jackie McLean (as), Sam Jones (b), Art Taylor (ds)。ドナルド・バードのトランペットとジャキー・マクリーンのアルト・サックスの2管フロントのクインテット編成。
 

Davis-cup

 
内容的には実に充実した、実にハッピーなハードバップな演奏が充満している。このポジティヴでハッピーなハードバップな雰囲気を創り出しているのが、リーダーであるディヴィス・ジュニアのピアノである。本当に楽しげにスインギーなピアノを弾くピアニストやなあ。そんな楽しげでハードバップなピアノに乗って、バードとマクリーンが吹きまくる、吹き上げる。

サム・ジョーンズのベースは実直で堅実なビートを弾き出し、アート・テイラーのドラムは自由自在、変幻自在のビートを叩き出す。そんなリズム隊に恵まれて、ディヴィス・ジュニアはノリノリでスインギー。バリバリ弾き倒している。ディヴィス・ジュニアのフレーズは、ちょっと「金太郎飴」的なところがあるが、これはこれで立派な個性。もっと自らのプレイに自信を持って、リーダー作をもっと作って欲しかったなあ。

ハードバップのセッションとして上質の内容です。ちなみに、タイトルの『デイヴィス・カップ』というのは、ディヴィス・ジュニアの「ディヴィス」とテニスの国際大会の名称(デビス・カップ)をひっかけたもの(といっても内容はテニスに関係無く、国別対抗戦でも無いんですけどね)。ジャケットのディヴィス・ジュニアの顔写真は、何とも野性的な風貌ですが、荒々しい演奏をするピアニストと誤解することなかれ、です(笑)。
 
 
 

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2021年5月 9日 (日曜日)

桑原あいのソロ・ピアノの快作

ジャズのジャンルで「ソロ演奏」というものがある。ジャズの場合、リズム&ビートの存在が重要なので、ピアノ、ギター、ドラム、ベース等、リズム&ビートを表現出来て、かつ旋律が奏でられる楽器の「ソロ演奏」が多い。逆に、フロントを張る管楽器、トラペットやサックス、フルートなどは「ソロ演奏」はほとんど無い。

以前からソロ・ピアノ盤はあるにはあったが、腕に覚えのあるピアニストが単発でリリースするに留まっていた。が、1970年代、キース・ジャレットによって、新しいイメージのジャズにおける「ソロ・ピアノ」盤が開拓された。欧州的なクラシック音楽の雰囲気を濃く宿しつつ、ジャジーなビートとフリーキーな展開を織り交ぜて、完全即興演奏をベースとした、ジャズにおける「ソロ・ピアノ」の形を確立した。

ただし、完全即興演奏をベースとした場合、聴く方にとっては何が演奏されているのかが全く判らなくなる危険性がある。よって、最近のソロ・ピアノは、事前に用意されたモチーフや、スタンダード曲などの既存の楽曲をベースに、即興演奏をメインとして展開するものがほとんどである。完全即興演奏をベースとするソロ・ピアノはキース・ジャレットのみなのかもしれない。

桑原あい『Opera』(写真左)。2021年4月のリリース。桑原あい の初となるソロ・ピアノ盤である。ジャズに留まらない、クロスオーバーなジャンルからの名曲のカヴァーをメインに構成されている。うち5曲は著名人に選曲を依頼。シシド・カフカ、社長(SOIL&”PIMP”SESSIONS)、立川志の輔、平野啓一郎、山崎育三郎が「桑原あいに弾いてほしい」という曲をそれぞれセレクトしている。

ボン・ジョヴィから、GReeeeN、モンキーズ、そして、クインシー・ジョーンズ、アストル・ピアソラ、エグベルト・ジスモンチ、ビル・エヴァンスまで、ロックからJポップ、R&B、ジャズと幅広い音楽ジャンルからの選曲が楽しい。この盤の選曲の全貌は以下の通り。
 

Opera

 
1.ニュー・シネマ・パラダイス (エンニオ・モリコーネ)
2.リヴィン・オン・ア・プレイヤー (ボン・ジョヴィ)  シシド・カフカ 選曲
3.レオノーラの愛のテーマ (アストル・ピアソラ)
4.ロロ (エグベルト・ジスモンチ)
5.ワルツ・フォー・デビイ (ビル・エヴァンス)  立川志の輔 選曲
6.星影のエール (GReeeeN) 山崎育三郎 選曲
7.ゴーイング・トゥ・ア・タウン (ルーファス・ウェインライト)
8.ミスハップス・ハプニング (クアンティック)  社長(SOIL&”PIMP”SESSIONS) 選曲
9.エヴリシング・マスト・チェンジ (クインシー・ジョーンズ)  平野啓一郎 選曲
10.ザ・バック (桑原あい)
11.デイドリーム・ビリーヴァー (ザ・モンキーズ)


桑原のソロ・ピアノは、タッチがハッキリしていてダイナミック。幅広にピアノを弾き回していて、強弱とメリハリが明確で歯切れが良い。一聴した雰囲気は「欧州&クラシック」。オフ・ピートが薄い分、クラシックな弾き回しと和音の響かせ方、そして、深いエコーが「欧州&クラシック」を彷彿とさせる。オフ・ビートを効かせたジャジーでアーシーな弾き回しを期待すると肩すかしを食らう。

日本人ジャズ・ピアニストらしいソロ・ピアノである。変にフリーに走ったり、アブストラクトに傾倒したりしないところが良い。ジャズの基本である「即興演奏」の部分をしっかり表現して、ファンクネス希薄な、端正で歯切れの良い、しっかりと弾き込んだソロ・ピアノは傾聴に値する。このソロ・ピアノ、今までに無い音の展開なので、とても聴き応えがある。

濃厚なジャズっぽさは無いが、これも「ジャズ」。桑原あいのピアノの個性が明快に理解出来る快作である。
 
 
 

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2021年5月 8日 (土曜日)

ジャズ・メッセンジャーズ再評価

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey And The Jazz Messengers)は、ブルーノート・レーベル黄金時代の看板バンド。ジャズ・メッセンジャーズは、有望新人の登竜門的役割を果たしていて、後世に名を残した一流ジャズマンの中でも、このジャズ・メッセンジャーズ出身のジャズマンが多くいる。

そんなアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズだが、我が国において人気の高いアルバムについてはかなり偏りがある。『Moanin'』『Art Blakey et les Jazz-Messengers au club St. Germain』など、ファンキー・ジャズの代表盤とされるものは人気があるが、他のアルバムについては、あまりジャズ盤紹介本には登場しない。う〜ん、良く判らないなあ。

Art Blakey And The Jazz Messengers『At the Jazz Corner of the World, Vol. 1& 2』(写真)。1959年4月15日の録音。ブルーノートの4015、4016番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Hank Mobley (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Pee Wee Marquette (announcer)。

ファンキー・ジャズの大人気盤『Moanin'』録音の半年後のライブ録音になる。『Moanin'』の録音時に音楽監督だったテナー・サックス担当のベニー・ゴルソンが抜けて、ピンチヒッター的にハンク・モブレーが参加してのライヴ・パフォーマンス。ゴルソンの残した「ゴルソン・ハーモニー」もしっかり残っていて、極上のファンキー・ジャズが展開されている。
 

At-the-jazz-corner-of-the-world-vol-1-2

 
特に、モーガン〜モブレーの2管フロントが好調。モーガンのトランペットはこの時期、絶好調なのだが、もう1人のフロントマン、録音の度に好不調の波があるモブレーが、この盤ではガンガンに吹きまくっている。このモブレーのテナー・サックスが一番の「聴きもの」。モブレーって、上手いのか下手なのか、良く判らないテナー・マンだったが、このライヴ盤では素晴らしいパフォーマンスを披露している。

バックのリズム隊も素晴らしいパフォーマンスで、特にティモンズのピアノが、むっちゃ「ファンキー」。もともとこのライブ盤、ファンクネス濃厚なライヴ・パフォーマンスのオンパレードなんだが、特にティモンズのピアノ・ソロが出てくると、この盤の雰囲気が、さらに思いっ切り「ファンキー」な音世界に変わる。

良い内容の上質のファンキー・ジャズがこの盤に詰まっている。のだが、意外とあまりジャズ盤紹介本には登場しない。ファンキー・ジャズは俗っぽい、という評価もあるので、それが影響しているのだろうか。

しかし、である。ファンキー・ジャズは俗っぽいなんて、俗っぽくて何が問題なのか、理解に苦しむ。とにかく、このライヴ盤には、ファンキー・ジャズという上質の「モダン・ジャズ」の優れたパフォーマンスが詰まってる。

当時のライヴ・ハウスの雰囲気をダイレクトに伝えてくれる、ピー・ウィー・マーケットのアナウンスで始まる、目眩くファンクネス濃厚なパフォーマンス。ハードバップ黄金時代の素晴らしい演奏の記録である。
 
 
 

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2021年5月 7日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・204

我が国のジャズ評論には「不思議」が沢山ある。とにかく「ジャズは進化するもの」という固定観念があるみたいで、ハードバップに留まって、ハードバップをそのまま、深く極めていくジャズマンは基本的に評価が低い。それから、コンガなどパーカッションに厳しい。「俗っぽい」というレッテルを貼られて評価は下がる。そして、意外と電気楽器を忌み嫌う。

同じ楽器、同じ雰囲気なのに、ジャズマンによって偏りがある。例えば、ルー・ドナルドソン(愛称「ルーさん」)のアルト・サックス。何故か「明るい吹きっぷりで五月蠅い」などという評価があったりする。意外と人気が低いのだ。

アルト・サックスって、基本キーが高いので「明るい音色」、特にパーカー派の吹きっぷりはビ・バップ基調なので「賑やか」。渡辺貞夫だって、フィル・ウッズだって、本家本元チャーリー・パーカーだってそうなのに、何故か「ルーさん」だけが人気が低い。

Lou Donaldson『LD+3』(写真左)。1959年2月18日の録音。ブルーノートの4012番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。ブルーノートのお抱えピアノ・トリオ「スリー・サウンズ」をバックに、ルーさんのアルト・サックス1管フロントのカルテット編成。
  
この盤まで、ルーさんはバックのリズム・セクションは、ルーさんの仲良しジャズマンで固める傾向が強かった。ルーさんは気兼ねすることなく、リラックスして吹きまくることが出来るのだが、如何せん、名が通っていない「セッション・ジャズマン」達なので、リズム・セクションの演奏が「ちょっと弱くて単調」なのは否めない。この辺もルーさんの人気の低さの「原因の1つ」でもある、と推察している。
 

Ld_3

 
しかし、この盤はバックのリズム・セクションが充実しまくっている。当時、人気のブルーノートお抱えピアノ・トリオである。演奏能力は高く、芳しきファンクネスを振り撒きながら、当時、ハードバップの最先端の雰囲気をしっかり維持したピアノ・トリオ。そんなリズム・セクションをバックに、ルーさんがアルト・サックスを吹き上げていく。

何時になく、ルーさんのアルト・サックスが「よりモダン」に響く。恐らく、バックのピアノ・トリオ「スリー・サウンズ」の音に触発されたのであろう。しかし、この「よりモダン」なアルト・サックスを聴くにつけ、ルーさんの演奏家としての能力の高さを再認識する。「スリー・サウンズ」が仕掛けた「当時のハードバップの最先端の雰囲気」に、全く問題無く適応し、自家薬籠中のものとしている。

恐らく、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの深慮遠謀の賜だろう。仲良しジャズマンで固めたサウンドの「マンネリ」を、「スリー・サウンズ」を当てることで解消し、本来のルーさんのアルト・サックス奏者としての能力の高さを更に引き出している。この盤でのルーさんのアルト・サックスは「聴きもの」。ルーさんのアルト・サックスの再評価をお願いしたいくらいだ。

しかしながら、いやはや、アルフレッド・ライオン恐るべし、である。これぞプロデューサーの仕事。ほんと「良い仕事」してますなあ。脱帽である。
 
 
 

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2021年5月 6日 (木曜日)

セッションを統制するスミス

ジミー・スミスのオルガンって、初期の頃は前へ前へ出る、思いっ切り目立ちたがり屋のパフォーマンスで、時には「五月蠅い」くらいである。加えて、ハイ・テクニックで尖ったフレーズを畳みかけてくるので、かなり「耳にもたれる」部分がある。実は若い頃、僕はジミー・スミスの初期のオルガンが苦手だった。

Jimmy Smith『The Sermon!』(写真左)。ブルーノートの4011番。1957年8月25日(2曲目)と1958年2月25日(1曲目と3曲目)の2セッションの録音。ジャズ・オルガンの祖、ジミー・スミス With ブルーノート・オールスターズの録音になる。なんせ、初期の頃はバックをお気に入りで固めて、ハイ・テクニックで尖ったフレーズを駆使して、思いっ切り目立ちたがり屋のパフォーマンスだったので、初期のジミー・スミスからは珍しいパーソネルになる。

ちなみにパーソネルの詳細は、1曲目の「The Sermon」が、Jimmy Smith (org), Lee Morgan (tp), Lou Donaldson (as), Tina Brooks (ts), Kenny Burrell (g), Art Blakey (ds)。2曲目の「J.O.S.」が、Jimmy Smith (org), Lee Morgan (tp), George Coleman (as), Eddie McFadden (g), Donald Bailey (ds)。3曲目の「Flamingo」が、Jimmy Smith (org), Lee Morgan (tp), Kenny Burrell (g), Art Blakey (ds)。

前へ出たがりのジミー・スミスから、セッションをコントロールするスミスへ進化しているのが、良く判るジャム・セッションである。
 

The-sermon

 
フロントの管の演奏をしっかり引き立てて、しっかり鼓舞する様がとても良く判る。そして、自らのアドリブ・パートになると、従来の「ハイ・テクニックで尖ったフレーズ」を引っさげて、ガツンと電光石火なソロを披露する。以前より、むっちゃ格好良いジミー・スミスである。

1曲目の「The Sermon」では、ジミー・スミスからすると珍しい、モーガンとドナルドソン、そしてブルックスの3管フロントを従えて、特にモーガンとブルックスのプレイをバックに回って効果的に鼓舞し、ドナルドソンは、バックで支える様にソロを引き立てる。2曲目の「J.O.S.」では、コールマンの新しい響きのアルト・サックスをしっかり活かしたグループ・サウンドを披露する。

ラストの「Flamingo」こそ、オルガン、トランペット、ギター、ドラムのシンプルなカルテット編成だが、ブルーノート・オールスターズの極めつけの演奏を聴かせてくれる。どの楽器の担当もブルーノートの看板ジャズマン。1フレーズ音を出すだけで、ブルーノートの音の雰囲気が充満する。

この『The Sermon!』、先にアルバム化された、4002番の『House Party』と対の正式盤であり、未発表音源集の『Confirmation』と併せて、同一セッションからのアルバム化となっている。セッションの全貌を堪能するなら、この3枚を一気聴きすることをお勧めする。なぜ、『House Party』『The Sermon!』『Confirmation』の順にアルバム化されたのか。ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの深慮遠謀を垣間見たような、そんな感覚が面白い。
 
 
 

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2021年5月 5日 (水曜日)

ポルチェンの最後のリーダー作

ポール・チェンバース(Paul Chambers・1935年~1969年・以降、僕の付けたニックネーム「ポルチェン」と呼ばせていただく)は、短い活動期間に数多くの録音を残した、ハードバップ時代のファースト・コール・ベーシストである。大酒飲みでジャンキーだった為、33歳の若さで鬼籍に入っている。

初リーダー作が1956年。ベーシストながら、21歳にして初リーダー作をものにしている。いかにポルチェンのテクニックが「聴き映え」するものだったかが良く判る。ピチカートは当然のこと、アルコ(弓弾き)の名手でもあり、ポルチェンのベースのパフォーマンスは「新しさ」に満ちており、実に「モダン」なものだった。

Paul Chambers『1st Bassman』(写真左)。1960年5月12日の録音・Vee-Jayレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Paul Chambers (b), Tommy Turrentine (tp), Curtis Fuller (tb), Yusef Lateef (ts, fl), Wynton Kelly (p), Lex Humphries (ds)。トミタレ、フラー、ラティーフの3管フロントのセクステット編成。

全6曲中、ラストの「Who's Blues」がキャノンボール・アダレイ作で、残りの5曲は、テナー&フルート担当のユセフ・ラティーフの作になる。録音された1960年は「ジャズの多様化」の初期。このラティーフ作の曲を採用したのが当たっていて、当時として「モーダルな新しい響き」に溢れている。演奏それぞれが自由度が高く、独特な響きが良い。
 

1st-bassman
 

ポルチェンはベーシストであるが、リーダー作では常に「プロデューサー」的立場に立ったアルバムを制作している。この『1st Bassman』では、モーダルで「クールでヒップ」で、どこかエキゾチックなジャズを志向していたのだろう。時代のトレンドの先頭を走る様な内容に、ポルチェンの矜持を強く感じる。

そんな時代のトレンドの先頭を走る様なジャズの中で、ポルチェンは自らの持つ技の有らん限りを尽くして、高度でハイテクニックなベースラインを弾き倒していく。フロント3管を鼓舞し牽引する、鋼の様にしなやかで力感溢れるベースラインに思わず「聴き惚れる」。

こんなに素晴らしい内容のアルバムを企図し、そんな時代のトレンドの先頭を走る様なジャズを志向し、こんなに素晴らしいベースのパフォーマンスを披露しているのに、実はこの盤が、ポルチェンの生涯における「最後のリーダー作」なのだ。その事実を知った時、僕は唖然とした。

この盤が1960年の作品。ポルチェンが亡くなるのが1969年。サイドマンとしての他の盤への参加も、1960年以降に激減し、1967年が最終。1968年の終わりにインフルエンザの重症状態で入院、実は結核を患っており、ヘロインとアルコールの中毒状態が症状を悪化させ、1969年1月4日、NYにて帰らぬ人となる。享年、33歳の若さであった。
 
 
 

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2021年5月 4日 (火曜日)

名盤請負人の凄まじい適応力

 トミー・フラナガン(Tommy Flanagan、略して「トミフラ」)と言うピアニスト、バックに回っての流麗で機微を心得た弾き回しは「名盤請負人」と高く評価されている。恐らく、繊細できめ細やかな感性の持ち主なんだろうな、と思う。が、意外と職人肌で意外と「こだわる」タイプでもあるんだろうな、とこの盤を聴く度に思う。

Tommy Flanagan『Giant Steps』(写真左)。1982年2月の録音。」ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), George Mraz (b), Al Foster (ds)。トミフラお得意のピアノ・トリオ編成であるが、ベースのムラーツは相性抜群なので、トリオへの参入は理解出来るが、ドラムがアル・フォスターなのが面白い。

アル・フォスターは、エレクトリック期のマイルス・ディヴィスをリズム面で支えた名ドラマーで、ポリリズミックなファンク・ビートと、8〜16ビートのモーダルなドラミングに長けている。基本バップなピアニストであるトミフラが何故アル・フォスターをドラマーに招聘したのか。

実はこの盤、かのジョン・コルトレーンの歴史的名盤『Giant Steps』 から5曲、『Coltrane's Sound』から1曲、コルトレーン・サウンドの再演集なのだ。コルトレーンの歴史的名盤『Giant Steps』は、モーダルな「シーツ・オブ・サウンド」をベースにコルトレーン・サウンドが確立した歴史的名盤なのだが、Tommy Flanagan, Wynton Kelly, Cedar Walton の3人のピアニストを使い分けている。
 

Giant-steps-tommy-flanagan

 
が、いずれも、初見のコルトレーンの考えるモーダルな「シーツ・オブ・サウンド」に戸惑い、十分に理解出来ないまま、半信半疑なプレイに終始している。つまりは、考案者のコルトレーンだけがそれを理解していて(当たり前か)、コルトレーンのプレイだけが突出している内容になっている。

そんな中でも、僕はトミフラは大健闘していて、コルトレーンにしか理解出来ていない、モーダルな「シーツ・オブ・サウンド」に、初見で良く対応していると思う。しかし、1960年代後半から1970年代の評価は「トミフラですらもイマイチ」という無責任なもので、恐らく、トミフラ自身も忸怩たるものを感じていたと思う。

そんな状況の中での1982年、この再演盤である。見事にコルトレーン・サウンドを自家薬籠中の物とし、コルトレーン・サウンドのトミフラ解釈が見事である。この再演盤のトミフラのピアノには全く迷いも戸惑いもない。コルトレーンのフレーズをなぞることもない。トミフラの解釈で、コルトレーン・サウンドを展開している。

バックのリズム隊、ベースのムラーツ、ドラムのフォスターも最適なチョイスだった様で、トミフラ解釈のコルトレーン・サウンドにピッタリ適応している。恐らく、トミフラは大いに溜飲が下がったことだろう。トミフラのジャズ・ピアニストとしての適応力は並外れている。だからこそ、バックに回っての流麗で機微を心得た弾き回しは「名盤請負人」と高く評価されているのだ。
 
 
 

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2021年5月 3日 (月曜日)

真面目一直線なハードバップ

ブルーノート・レーベルは、ジャズ界での最重要なレーベル。ブルーノート・レーベルのカタログに載っているアルバムを全て押さえるだけで、ジャズの奏法やトレンドの歴史が理解出来、歴史に名を残したレジェンド級ジャズマンの若かりし頃のパフォーマンスを確認出来たりする。とにかく録音されたセッションの音源は、どれもが真摯でどれもが優れた内容で「捨て盤」が無い。

Jackie McLean『New Soil』(写真左)。1959年5月の録音。ブルーノートの4013番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Donald Byrd (tp), Walter Davis Jr. (p), Paul Chambers (b), Pete LaRoca (ds)。リーダーのマクリーンのアルト・サックス、ドナルド・バードのトランペットの2管がフロントのクインテット編成。ハードバップの王道な編成である。

とても硬派で真面目一直線なハードバップ盤である。リーダーのマクリーンが溌剌と自信満々にアルト・サックスを吹きまくっている。溌剌とテクニック良く吹きまくるマクリーンは無敵である。もともとマクリーンのブロウって、思いっ切り「癖」があって、ピッチがちょっと外れているのだ。クラシックではあり得ない、ちょっとフラットしたアルト・サックスの音色。
 

New-soil

 
この盤に詰まっている、溌剌とした自信満々なマクリーンのブロウは、そんなフラットにちょっと外れたアルト・サックスのフレーズが、全く気にならない。どころか、ジャズにおける「好ましい個性」として響いてくるから不思議だ。そんなマクリーンが、真摯に堅実にハードバップなフレーズを吹き上げていく。

フロントのパートナー、ドナルド・バードのトランペットも硬調。バカテクでは無いが、堅実でブリリアントなトランペットはマクリーンのアルト・サックスと相性が良い。良い響きのユニゾン&ハーモニーは、ハードバップの良いところをしっかりと聴かせてくれる。

ピアノのウォルター・ビショップJr.のバッキングもハッピーにスイングしていて良好。このフロント2管とバッキングのピアノ、いかにもハードバップらしい、ハードバップの良いところをクローズアップして聴かせてくれるようだ。このフロント2管+バッキングのピアノは、ブルーノートの4018番のハードバップ好盤、ウォルターのリーダー作『Davis Cup』に繋がっていく。
 
 
 

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2021年5月 2日 (日曜日)

現代のエレ・ファンク・ジャズ

ジャズは多様化し深化している。21世紀に入ってからも、新人が頭角を現し、様々な形で新しい響きのジャズが出現している。昔、1970年代、ジャズは死んだ、などとまことしやかに言われたが、どうして、21世紀になった今でもジャズは生きて、深化している。まあ、何をもって「ジャズ」とするかによって、見解は異なるのだろう。

Christian Scott『Axiom』(写真左)。2020年3月10日、ニューヨークのブルーノートにてライヴ録音。クリスチャン・スコットの3回目のライブ盤リリース。ちなみにパーソネルは、Adjuah (tp), Elena Pinderhughes (fl), Alex Han (sax), Weedie Braimah (djembe), Lawrence Fields (p), Kris Funn (b), Corey Fonville (ds)。

このライヴに詰まっている音は「エレ・マイルス」。エレ・マイルスや、初期サンタナを彷彿とさせる土臭いドロドロとした現代のエレ・ジャズ。ヒップでクールでエロチックなエレ・ジャズ。エレ・マイルスより、リズム&ビートが洗練され、加えて重低音の密度が濃くなっている。エレ・ファンクなビートの切れ味が増している。
 

Axiom

 
エレ・マイルスの重要要素は「リズム&ビート」だったが、このクリスチャン・スコットのエレ・ジャズについても、パフォーマンスの「要」は「リズム&ビート」。奔放、統制、怒濤、躍動、しなやか、そんな形容をごった煮したファンク・ビートは聴き掘れるばかり。ジャンベのパーカッシヴな音が前面に出てくると、一気にテンションが増幅される。

そんな「リズム&ビート」をバックに吹き上げるクリスチャン・スコットのトランペットは絶品。オープンにイコライジングに、縦横無尽に変幻自在に、スコットのトランペットが駆け巡る。奔放、統制、怒濤、躍動、しなやか、そんな形容をごった煮したファンク・ビートをバックに、フルートのソロ、サックスのソロも印象的で素晴らしい。

この10年の間、最も注目すべきジャズマンの一人とされる、若手カリスマ・トランペッターのクリスチャン・スコット。とある評論によると「未だに評価が定まらない」トランペッターらしいが、どうして、現代におけるエレ・マイルスの深化の担い手として、現代のエレクトリック・ジャズにおけるカリスマ・トランペッターとして、その力量と才能は大いに評価されるものである。
 
 
 

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2021年5月 1日 (土曜日)

コロナ禍を捉えたソロ・ピアノ

コロナ禍が始まってから、既に1年以上が経過している。特に昨年の3月中旬から5月中旬まで、不安と緊張の日々の記憶がありありと甦ってくる。以降、「凝りもせず、思慮も無く」第2波、第3波とやって来て、今年も昨年に引き続き、緊急事態宣言下のGWとなってしまった。

コロナ禍については、世界中、各国の音楽活動が大幅に制限され、ジャズについても、普段の活動であった「クラブ」での演奏は基本的に禁止された。とにかくミュージシャンが集まってセッションをすること自体を否定されていたので、どうしようもない日々が続いた。今でも、まだまだ音楽活動の諸制限は撤廃されていない。

Brad Mehldau『Suite: April 2020』(写真左)。2020年6月のリリース。ちなみにパーソネルは、Brad Mehldau (p) のみ。現代ジャズ・ピアノの代表的存在、ブラッド・メルドーのソロ・ピアノ盤である。収録曲のタイトル「keeping distance」などを見ると「なるほど」と思う。このソロ・ピアノのテーマは「コロナ禍」である。

本作についてメルドーは次のようにコメントしている。「この盤は、先月世界中の誰もが経験したであろうことを捉えた音楽的スナップショットだ。多くの人々が共通して、また新たに体験し、感じたことをピアノで描こうとした」。
 

Suite-april-2020_1

 
メルドーは新型コロナウイルスのパンデミック下、オランダで家族とともに自粛生活を送っていたのだ。そして、自らが体験していることを基に12の楽曲を書き上げ演奏したものが、この『Suite: April 2020』になる。

切々と内省的にメルドーの自作曲が演奏されていく。限りなく優しいタッチとビートで、様々なスナップショットが語られる。そして、象徴的なカヴァー曲が2曲。ニール・ヤングの「Don't Let It Bring You Down」とビリー・ジョエルの「New York State Of Mind」。

ニール・ヤングの「Don't Let It Bring You Down」は、コロナ禍の中、自らを鼓舞するソロ・パフォーマンス。この歌の歌詞が「気落ちしてはダメだ/ただ城が燃え落ちているだけじゃないか/変えていこうとする人を見つけるんだ/そうすればきっと、道が開けるから」。

ビリー・ジョエルの「New York State Of Mind」は、コロナ禍で悲惨な状況に追い込まれていたニューヨークへの想いを託したものである。その故郷から今は遠く離れているが、故郷と呼んでいる街へのメルドーの想いである。

この盤は、ジャズライフ誌の「Disc Grand Prix:Album Of The Year 2020」に輝いた。ジャズ・ピアノとして表現した「コロナ禍の中での様々な想い」。2020年度の「Disc Grand Prix」は、他の年度にはない、特別なものとなった。
 
 
 

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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年8月
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