パーカーの非凡な才能・その7
暖かくなった。ここ千葉県北西部地方は桜のシーズンを過ぎ、藤のシーズンも過ぎ、今は「さつき」のシーズン。これだけ暖かくなると、ジャズ鑑賞についても、どんな種類の、どんなスタイルのジャズもOKになる。寒いと「クール」なジャズはちょっと、だし、暑いと「バップ」なジャズや、フリーなジャズはちょっと、だし。
『The Genius Of Charlie Parker #7 : Jazz Perennial』(写真左)。1949年から1953年にかけてのコンボからオーケストラまでの4種のセッションの寄せ集めで、演奏形式の統一感は無い。よって、パーソネルについては、そういう意味で割愛する。なんせ、様々なセッションのごった煮なので、ほぼ曲毎にパーソネルが変わるイメージ。
詳しくは、1949年2月〜3月、1949年5月、1950年4月、1953年5月のそれぞれのセッションからの選曲になるんだが、この盤、セッションの寄せ集め盤ではあるが、チャーリー・パーカーのアルト・サックスはどのセッションでもブレが無く、複数のセッションからの寄せ集めの選曲でも、意外と統一感がある。そこがパーカーの凄いところである。
パーカーのアルト・サックスは切れ味鋭く、訴求力高くかつ流麗。ストリングス入りのものやオーケストラを従えたもの、ヴォーカル等々、ヴァラエティに富んでいて、戸惑う位の「ごった煮」ではあるが、パーカーのアルト・サックスは「ダイヤル・セッション」などでの、息の詰まるような迫力は無い。力強くはあるが、フレーズは優しく、意外とポップなのだ。
1曲目「Cardboard」のアドリブから、しっかりと耳を奪われる。アルト・サックスなので、吹き上げる時に、ちょっと金属的な音が特徴のブロウが耳につくことが多いのだが、このアルバムのパーカーのブロウは比較的穏やか。流麗なアドリブラインが実に魅力的。5曲目の「Star Eyes」は傑作。曲の冒頭から、とにかく、パーカーは淡々と吹き進めていく訳だが、そのアドリブ・フレーズが流麗かつ複雑。簡単そうに聴こえるが、意外と複雑なアドリブラインを吹き上げている。
パーカーの凄みというのは、こういうところにあって、簡単に淡々と吹いている様に聴こえるが、意外と複雑で難しいラインを吹いていることが多い。簡単そうに聴こえるが、実は複雑で難しい。そんなプロフェッショナルなインプロビゼーションが「テンション高い演奏」として聴こえたりするのだ。
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