ピアノ・トリオの代表的名盤・90
Enja(エンヤ)レーベルも、今や欧州を代表するジャズ・レーベルである。1971年、マティアス・ヴィンケルマンとホルスト・ウェーバーによって設立。拠点はミュンヘン。ドイツ発のジャズ・レーベルである。得意ジャンルは、メインストリームな純ジャズ、それもモーダルなジャズをベースとした硬派で尖った純ジャズ。そして、フリー・ジャズをメインとした前衛ジャズ。
Junior Mance Trio『Softly As In A Morning Sunrise』(写真)。1994年7月21日、ミュンヘンの Trixi Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Junior Mance (p), Jimmy Woode (b), Bob Durham (ds)。総合力勝負のファンキー・ピアニスト、ジュニア・マンスがリーダーのピアノ・トリオである。
もともとエンヤ・レーベルは、設立者のマティアス・ヴィンケルマンとホルスト・ウェーバーの2人が、マル・ウォルドロンの大ファンで、当時ヨーロッパで活動していたマルの作品を自分達の手でリリースしたいという情熱から誕生した経緯がある。よって、ジャズ・ピアノの演奏については、意外と造詣が深い。
で、このジュニア・マンスのピアノ・トリオである。マンスのピアノは、ファンキーなノリとグルーヴィなフレーズが持ち味の「総合力で勝負する」タイプのピアニストである。独特の癖や奏法がある訳では無い。端正で明確なタッチ。堅実かつリズミカルな左手。とても整った弾きっぷりで、聴いていて爽快な気分になる。欧州系のレーベルでの録音で、ファンクネスは抑え気味でタッチが硬質。
バックのリズム隊がこれまた優秀。硬質でしなやかに響く低音が魅力のジミー・ウッドのベース。変幻自在、硬軟自在、堅実で質実剛健なボブ・ダーハムのドラム。欧州系のレーベルでの録音らしく、ファンクネスは希薄、粘らずタイトでソリッドなリズム&ビートは聴き応え十分。真摯で堅実な欧州ジャズのリズム&ビートである。
1994年の録音らしく、ネオ・ハードバップな香りのする、新しい音が響きが宿る素敵なピアノ・トリオの演奏である。選曲も小粋なスタンダード曲が中心で趣味が良い。ジャケットだけが、どうにもこうにも平凡なのだが、中身は「太鼓判」。ネオ・ハードバップ志向の素敵なピアノ・トリオ盤である。
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