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2021年4月24日 (土曜日)

実にハードバップらしい隠れ好盤

Donald Byrd(ドナルド・バード)は、米国デトロイト出身のトランペッター。1932年12月生まれ、2013年2月、80歳で逝去している。ハードバップ初期、クリフォード・ブラウンの後継として、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースに参加して頭角を現す。とりわけ、ハードバップ期には、ブルーノート・レーベルに優れたリーダー作を多く残している。

音楽の志向としては、ハードバップから、ゴスペル、黒人霊歌、R&B、フォーク、ポップスなどの音の要素を取り入れたクロスオーバー志向への変化している。1960年代の終わりには、エレ・ジャズ、クロスオーバー&ファンク・ジャズに転身。マイゼル兄弟のプロデュースの下、ヒット作を連発した。

ドナルド・バードのトランペットは、正確な音程と張りのある豊かな中音域の響きが特徴。アイデアに富んだソロ・パフォーマンスが独特の個性。一筋縄ではいかないアドリブ・フレーズは思いっ切り個性的。このアドリブ・フレーズがドナルド・バードの音に対する好き嫌いの分かれ目で、一旦填まると「とことん」なところがある。

Donald Byrd『Off to the Races』(写真左)。ブルーノートの4007番。1958年12月21日の録音。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Jackie McLean (as), Pepper Adams (bs), Wynton Kelly (p), Sam Jones (b), Art Taylor (ds)。
 

Off-to-the-races

 
ドナルド・バードのトランペット、ジャキー・マクリーンのアルト・サックス、ペッパー・アダムスのバリトン・サックス(略して「バリサク」)がフロント3管のセクステット編成。

ドナルド・バードのブルーノート初リーダー作である。セクステット編成だと、収録した楽曲の「質」と「アレンジ」が重要な要素になるが、この盤ではその、楽曲の「質」と「アレンジ」が抜群に良い。冒頭の「Lover, Come Back to Me(恋人よ我に帰れ)」など、聴き応え抜群。とにかくアレンジが良い。トランペット、アルト・サックス、バリサクの3管によるユニゾン&ハーモニーが思いっ切り心地良い。

ドナルド・バードの自作曲では、バードの個性である「アイデアに富んだソロ・パフォーマンス」が炸裂する。マクリーンのちょっとピッチが外れたアルト・サックスと、アダムスのバリサク独特の重低音と相まって、不思議な捻れ方をするバードの旋律。ほんのりと「理知的な響き」がするところもドナルド・バードのリーダー作の特徴である。

フロント3管が重厚な分、ウィントン・ケリーのピアノをメインとするリズム・セクションが軽妙で、とてもバランスが良い。ジャケットも洒落ていてグッド。あまり話題に上る盤では無いが、思いっ切りハードバップらしい「隠れ好盤」としてお勧め。
 
 
 

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