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2021年4月 4日 (日曜日)

ワールド・ミュージックとの融合

ジャズは懐が深い「融合」上手な音楽ジャンルである。1940年代後半から1950年代初頭のジャズの最大のトレンド「ビ・バップ」が純粋ジャズだった様な気がするが、希にラテン音楽との融合があったり、クラシックの引用があったり、「融合」の兆しは既にあった。

1950年代のハードバップでは、ラテン音楽の融合やクラシックの引用が「アレンジの常用手段」になり、1960年代前半にはジャズ界最大の「融合」、ボサノバとの「融合」があった。1960年代終盤から、ロックとの「融合」としてクロスオーバー・ジャズが出現し、そこに、R&BやAORの要素との「融合」が進み、フュージョン・ジャズが大流行した。

Richard Bona『Scenes from My Life』(写真左)。1998年11月〜1999年1月の録音。パーソネルについては、曲毎に様々な「最適な」ミュージシャンをチョイスしているので、ここでは割愛する。リーダーのリチャード・ボナ(Richard Bona)はベーシスト & ヴォーカリスト。ベーシストのリーダー作らしく、自らの志向する音世界をプロデュースするタイプ。

ボナはザビヌル・シンジケートなどで活躍していたカメルーン出身の天才ベーシスト。1967年10月28日生まれなので、今年で54歳。ジャズマンとして油の乗りきったベテラン中堅的存在である。
 

Scenes-from-my-life_richard-bona

 
1995年にはジョー・ザヴィヌルと共演するようになり、恐らく、ボナの「ワールド・ミュージック志向」はこの時代に育まれたと推測している。ポスト・ジャコ・パストリアス的ベーシストの1人。

そんなボナのワールド・ミュージック志向ジャズの素敵な初リーダー作がこの『Scenes from My Life』。まず、ボナのベースに耳を奪われる。天才的なテクニックに裏付けされた深みのある、しなやかなベースライン。ジャコは「鋭角的」だったが、ボナはほど良く「丸み」がある。それでも明らかにジャコの影響が聴いて取れる。

様々な音の要素が「融合」している。演奏のベースは明らかにジャズだが、R&B的要素も見え隠れし、アフリカン・ネイティヴな音の響きもあれば、ジャマイカンな音の響きも顔を出す。ラテンな雰囲気も出てくれば、ボサノバ風のフレーズも漂う。フュージョン・ジャズ的な雰囲気もあるが、基本はメインストリームなエレ・ジャズ。

全曲ヴォーカル入りだが、全く気にならない。このヴォーカルも楽器の1つの様な、ワールド・ミュージック的な響きを湛えて、アルバム全体の雰囲気を補強する。このアルバム、ボナのセルフ・プロデュースなんだが、そのセンスの良いプロデュースが見事。ワールド・ミュージック志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズとして優れた内容の好盤である。
 
 
 

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