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2021年4月 6日 (火曜日)

パーカーの非凡な才能・その1

なんだかんだと言っても、ジャズの基本を学ぶ上で、チャーリー・パーカーは避けて通れないと思うのだ。ジャズの真髄は「即興演奏」とするところで、パーカーのアルト・サックスの即興演奏、つまりアドリブ・プレイは、そのアーティステックなフレーズ、その高度な演奏テクニック、どれをとっても、現代ジャズにおいても最高峰に位置づけられると思うのだ。

ただ、パーカーの残した音源は意外と雑然としている。ダイアル・セッション、サボイ・セッションが最高とする向きもあるが、マスターテイク、別テイク、同一曲の演奏が混然と収録されていて、しかも、失敗した演奏もそのまま収録されていたりで、ジャズ者初心者からすると判り難い。パーカーを聴き、理解するには、まずはマスターテイクのみを聴くべきかと思う。

そういう点からすると、僕は、パーカーについては、ヴァーヴ・レーベルの「The Genius Of Charlie Parker(パーカーの非凡な才能)」シリーズをお勧めすることにしている。別テイクも入ってはいるが、マスターテイクと遜色ない内容のものばかりだし、失敗テイクは一切収録されていない。#1〜#8まであって、どれもがパーカーの素晴らしさを体感できる内容になっている。
 

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『The Genius Of Charlie Parker #1 : Night And Day』(写真左)。1950年7月、1952年1月、1952年3月の3つのセッションの寄せ集め。別名『Charlie Parker - Big Band』(写真右)としてもリリースされている。ジョー・リップマンの素晴らしいアレンジによる、弦も入った「ビッグバンドもの」。お馴染みのスタンダード曲がズラリと並ぶ。

硬派なビ・バップでは無く、ポピュラー・ミュージック風の作りになっている。それでも、弦入りビッグバンドの演奏をバックに、パーカーの甘くもクールで切れ味の良いアルト・サックスが鳴り響く。テーマ部では、テーマの持つ美しいフレーズをクッキリ浮き立たせ、アドリブ部に入ると、短くはあるがハッと目が覚めるような、切れ味の良い流麗なアドリブ・フレーズが湧き出るが如く次々と出てくる。思わず「ふへ〜っ」と溜息をつく。

CDによっては、ボートラとして、アルトテイク、失敗テイクが追加収録されているものもあるが、パーカーのアルト・サックスを愛でるには、マスターテイクのみの鑑賞で留めて頂きたい。このマスターテイクのパーカーのアドリブ・プレイを次々と聴くことによって、ジャズにおける即興演奏の一端が体感出来るのだ。
 
 
 

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