ジャズ喫茶で流したい・201
SteepleChase(スティープルチェイス)レーベルは、マイルス・コレクターとして有名なデンマークのニルス・ウインターが、1972年立ち上げたジャズ・レーベル。1970〜80年代を中心に、ジャズ史に残る名盤を数多く生み出した欧州ジャズ・レーベルの老舗。
このレーベルは欧州のレーベルとしては、比較的、米国系のレーベルに近い演奏の色や雰囲気を持っていて、ハードバップ系の演奏に秀作が多い。さしずめ欧州の「ブルーノート」と言っても良い「欧州発ハードバップ」の宝庫なのだが、21世紀になって、今なお活動を続けており、優秀なネオ・ハードバップ系の演奏をメインに優れた内容のアルバムをリリースし続けている。
Ronnie Cuber & Gary Smulyan『Tough Baritones』(写真左)。2019年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Ronnie Cuber, Gary Smulyan (bs), Gary Versace (p), Jay Anderson (b), Jason Tiemann (ds)。
レジェンド級のバリトン・サックス(略してバリサク)奏者2人、ロニー・キューバーとゲイリー・スマリヤンをフロント2管とするクインテット編成。バリサクのフロント2管は珍しい。音域が同じ楽器なので、お互いの演奏力が問われる。特に「ユニゾン&ハーモニー」が聴きどころ。
ロニー・キューバーは1941年生まれで、録音当時78歳。ゲイリー・スマリヤンは、1956年生まれで、録音当時63歳。2人共、もはやレジェンド級の年齢なのだが、この吹くのに体力の必要なバリサクをいとも楽々とスインギーにエネルギッシュに吹きまくっているのにはビックリ。
冒頭の「Blowing The Blues Away」や 4曲目「Nica's Dream」、8曲目「The Preacher」、9曲目「Split Kick」と、バリサクが映えるホレス・シルバーの楽曲を4曲取り上げている。他の楽曲もファンキーなハードバップ曲で固め、重量級バリサク2本で腹に響く、ファンキーな重低音フレーズ炸裂、極上のファンキー&ソウル・ジャズを展開している。
バックのリズム隊については聞いたことのない名前が並んでいるが、堅調でスインギーなリズム&ビートを供給していて好演。
2019年の録音であるが、この盤に詰まっているのは、古き良き時代の「ファンキー&ソウル・ジャズ」。しかし、その演奏力とリズム&ビートは現代のもので、全く古さやレトロ感は感じない。現代の新しい響きの「ファンキー&ソウル・ジャズ」。思わず聴き惚れる好盤です。
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