正統なオールスター・セッション
ブルーノート・レーベルには、他のレーベルにある「オールスター・セッション」が無い。他のレーベルでは、時間の空いているジャズマンをワッと集めて、適当に打ち合わせさせて、即本番に入ってテープを回し、著しい破綻が無ければギャラを払って「はい終わり」、そしてそれを即アルバム化。という「オールスター・セッション」があるのだが、ブルーノートには無い。
Kenny Burrell『Blue Lights: Vol.1 & Vol.2』(写真左)。1958年5月14日の録音。ブルーノートの1596番、1597番。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell (g), Louis Smith (tp), Tina Brooks, Junior Cook (ts), Duke Jordan (p, vol.1), Bobby Timmons (p, vol.2), Sam Jones (b), Art Blakey (ds)。
パーソネルを見渡せば、ブルーノート・レーベルのお抱えジャズマンばかり、オールスター・セッションの様相である。演奏を聴けばそれが良く判る。ギターのケニー・バレルがリーダーだが、演奏内容はメンバーそれぞれが持ち回りでメインを張っている感じ。バレルのギターはどちらかと言えば、バックに控えて、しっかりとフロントを支えている雰囲気なのだ。
演奏内容をじっくり吟味すれば、ブルーノートの十八番である「しっかりとリハーサルを積んだ」ことが窺い知れる。アレンジもしっかりとしている。個々のアドリブ・パフォーマンスも充実している。総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンがしっかりとセッションの手綱をコントロールしているイメージなのだ。これは、他のレーベルによくある「お気楽なオールスター・セッション」などでは無い。
しかし、面白いのは演奏全体の雰囲気が「アーバンで夜の雰囲気で、とてもジャジー」。そこはかとなく、クールなファンクネスも漂う。これって、バレルのギターの雰囲気そのもの。そういう意味では、リーダーがバレルなのは妥当なところかも。この「バレル」チックな雰囲気の中で、ルイ・スミス、ティナ・ブルックス、ジュニア・クックが元気に吹き上げ、ジョーダン、ティモンズのピアノがクールにフロントをバッキングする。
他のレーベルの「オールスター・セッション」とはスタンスとアプローチが全く異なる、ブルーノート・レーベルならではの、由緒正しき正統な「オールスター・セッション」。内容充実、聴き応え十分。さすがはブルーノート、さすがは総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオン、である。
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