春を感じてECMのタウナーを聴く
3月である。コロナ禍の本格的な騒動が始まって1年になる。それでもまだコロナ禍の終息には至っていない。
しかし、今年の冬は概ね平均気温が高め。ここ千葉県北西部地方は、2月中旬から4月の陽気の日が幾日か出現し、最低気温が氷点下になる日は片手も無い。雪が積もる日も無い。ちらついた日が一日あるかないかだ。
暖かい日が出現すると、不思議とECMレーベルを代表とする「欧州ジャズ」の音が聴きたくなる。凛とした透明度の高い、深いエコーを湛えた切れ味の良い音。ファンクネスは皆無。ねっとりとしたスイング感はなく、シンプルな4ビートや8ビート、もしくは、現代音楽風の無調音な展開。即興演奏をメインとしているからこその「ニュー・ジャズ」。
Ralph Towner『Solstice/Sound and Shadows』(写真)。1977年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Ralph Towner (12-string and classical g, p, French horn), Jan Garbarek (ts, ss, fl), Eberhard Weber (b, cello), Jon Christensen (ds, perc)。ギターとサックスがフロントを司るカルテット構成である。
傑作の1975年作品の『Solstice』の続編。1975年作品の『Solstice』が「動」なパフォーマンスならば、この1977年作品の『Solstice/Sound and Shadows』は「静」。
幻想的なアコギによるアルペジオがいかにも「ECM」らしい。凛とした透明度の高い、深いエコーを湛えた切れ味の良い音。お得意の12弦ギターのストロークも透明度が高い。それでいて躍動感はしっかりキープしているところがタウナーの真骨頂。
ガルバレクのサックス、フルートは北欧の「風」を感じさせ、ウェーバーのベースとクリステンセンのドラムのリズム隊は、即興演奏をメインとした現代音楽風の無調音な展開に見事に適応した「変幻自在、硬軟自在のリズム&ビート」でフロント楽器のパフォーマンスを支える。
たった4人の静的で耽美的な演奏なのに、音の拡がりは広く深く、アンサンブルの厚みをしっかり感じさせる、見事な即興演奏として成立している。
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