« フレディ・レッドはまだまだ健在 | トップページ | ジョン・テイラーはピアニスト。 »

2021年3月 1日 (月曜日)

春を感じてECMのタウナーを聴く

3月である。コロナ禍の本格的な騒動が始まって1年になる。それでもまだコロナ禍の終息には至っていない。

しかし、今年の冬は概ね平均気温が高め。ここ千葉県北西部地方は、2月中旬から4月の陽気の日が幾日か出現し、最低気温が氷点下になる日は片手も無い。雪が積もる日も無い。ちらついた日が一日あるかないかだ。

暖かい日が出現すると、不思議とECMレーベルを代表とする「欧州ジャズ」の音が聴きたくなる。凛とした透明度の高い、深いエコーを湛えた切れ味の良い音。ファンクネスは皆無。ねっとりとしたスイング感はなく、シンプルな4ビートや8ビート、もしくは、現代音楽風の無調音な展開。即興演奏をメインとしているからこその「ニュー・ジャズ」。

Ralph Towner『Solstice/Sound and Shadows』(写真)。1977年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Ralph Towner (12-string and classical g, p, French horn), Jan Garbarek (ts, ss, fl), Eberhard Weber (b, cello), Jon Christensen (ds, perc)。ギターとサックスがフロントを司るカルテット構成である。
 
Solstice_sound-and-shadows
 
傑作の1975年作品の『Solstice』の続編。1975年作品の『Solstice』が「動」なパフォーマンスならば、この1977年作品の『Solstice/Sound and Shadows』は「静」。

幻想的なアコギによるアルペジオがいかにも「ECM」らしい。凛とした透明度の高い、深いエコーを湛えた切れ味の良い音。お得意の12弦ギターのストロークも透明度が高い。それでいて躍動感はしっかりキープしているところがタウナーの真骨頂。

ガルバレクのサックス、フルートは北欧の「風」を感じさせ、ウェーバーのベースとクリステンセンのドラムのリズム隊は、即興演奏をメインとした現代音楽風の無調音な展開に見事に適応した「変幻自在、硬軟自在のリズム&ビート」でフロント楽器のパフォーマンスを支える。

たった4人の静的で耽美的な演奏なのに、音の拡がりは広く深く、アンサンブルの厚みをしっかり感じさせる、見事な即興演奏として成立している。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【更新しました】 2021.02.09 更新。

  ・『TOTO』(宇宙の騎士) 1977
 
 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2021.02.09 更新

   ・Yes Songs Side A & Side B
 
 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2021.02.09 更新。

   ・そしてタツローはメジャーになる
 
 
Matsuwa_billboard
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
東日本大震災から9年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4 

« フレディ・レッドはまだまだ健在 | トップページ | ジョン・テイラーはピアニスト。 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« フレディ・レッドはまだまだ健在 | トップページ | ジョン・テイラーはピアニスト。 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー