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2021年3月 2日 (火曜日)

ジョン・テイラーはピアニスト。

ちょっとマニアックな話になるが、このところ「ジョン・テイラー(John Taylor・写真右)」というピアニストのリーダー作に出くわすことが多い。これだけ出くわすのだから何かの縁だろう、ということで、ジョン・テイラーのリーダー作を出くわした順に聴き進めている。

テイラーは、イングランドのマンチェスター出身。1942年生まれ、2015年に惜しくも鬼籍に入っている。享年72歳。テイラーについては、1973年の作品『 Decipher(邦題:覚醒)』が僕の愛聴盤。英国のジャズ・トリオ「アジマス(Azimuth)」にも所属、細君でボーカル担当のノーマ・ウィンストン、トランペットのケニー・ホイーラーと静的なエモーショナルが個性の「ニュー・ジャズ」を展開している。

Kenny Wheeler  & John Taylor『Moon』(写真左)。2001年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Wheeler (flh), John Taylor (p), Gabriele Mirabassi (cl)。英国のジャズ・トリオ「アジマス」でも共演したホイーラーのフリューゲルホーン、伊のクラリネットの鬼才、ミラバッシとのトリオ編成。
 
Moon_kenny-wheeler-john-taylor  
 
ドラムとベースがいない。リズム&ビートとベース・ラインは、ジョン・テイラーのピアノが一手に引き受けている。共演の2管も一筋縄ではいかなくて、ホイーラーはフリューゲルホーンを吹き、ミラバッシはクラリネット。過去からのスタンダードなジャズとはちょっと異なる楽器編成。当然、出てくる音の響きはスインギーなジャズでは全く無い。

一言でいうと「ECMレーベルの音世界」をグッと身近にしたもの。耽美的でクリスタルな音の響き。ファンクネスは皆無。クールでスピリチュアルな音の展開。ビート感はあるにはあるが「揺れ(スイング)」は無い。出てくる音はまったくの「欧州ジャズ風」。インタープレイだって変にしつこく絡むことなく、適度に距離を置いた、互いの音をしっかり尊重するかの如き「爽やかさ」である。

とてもイマージネーション豊かな即興演奏とインタープレイが繰り広げられる。エコーが乾いている分、これはECMでは無いな、とは思うが、音の作り、音の雰囲気はしっかり、ECMのフォロワーである。ジョン・テイラーのピアノは、そんな「ニュー・ジャズ」志向なもの。テイラーのピアノに興味津々である。
 
 

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