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2021年3月27日 (土曜日)

ブルーノートのロリンズの傑作盤

ソニ−・ロリンズは、僕のジャズ・テナーの最初の「お気に入り」だった。正統派のテナーで、骨太なブロウ、大らかでダイナミックな展開、イマージネーション溢れるアドリブ・フレーズ。そしてなにより「判り易い」。初めて手にしたロリンズのリーダー作は『Saxophone Colossus』。いわゆる「サキコロ」なんだが、冒頭の「St. Thomas」一発でヤラれた。

ロリンズの初期の傑作としては、どのジャズ盤紹介本も、この「サキコロ」か「ウェイ・アウト・ウエスト」でほぼ統一されておりいるんだが、ブルーノート・レーベルに残したリーダー作の方が、ロリンズの「真のインプロヴァイザー」としての姿を的確に捉えている。ロリンズのジャズ・テナーの個性と特徴を如実に捉えているのだ。

Sonny Rollins『Newk's Time』(写真左)。1957年9月22日の録音。ブルーノートの4001番。ちなみにパーソネルは、Sonny Rollins (ts). Wynton Kelly (p), Doug Watkins (b), Philly Joe Jones (ds)。ロリンズのテナー1管のワン・ホーン・カルテット編成。そう、テナーの個性と特徴を的確に愛でるには、この「ワン・ホーン・カルテット」編成が一番適している。

 
Newks-time

 
ブルーノートのロリンズの中で、僕はこの盤が一番、ロリンズのジャズ・テナーの個性と特徴をよく捉えていると思っている。まず、ロリンズのアドリブが凄い。骨太な音で重戦車の如く、豪快にダイナミックにテナーを吹き上げ、テクニックは確か、さらに、歌心溢れるテーマの吹き回し。どれをとっても、この盤でのロリンズは「超特級」品である。

バックのリズム・セクションも、その「ロリンズのジャズ・テナーの個性と特徴」を効果的に引き出すのに一役買っている。まず、ウィントン・ケリーの健康優良児的なファンキー・ピアノが、ロリンズをポジティヴに振る舞わせている。ダグ・ワトキンスの思いっ切り骨太なアコベが、ロリンズのアドリブのビートをしっかり支える。そして、フィリージョーのドラムがロリンズを効果的に鼓舞している。

恐らく、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンの存在も見逃せないだろう。良きリズム・セクションを与えられ、この盤でロリンズは、当時最高のインプロヴァイザーの力を最大限に発揮している。ワンタイムではあるが、このワン・ホーン・カルテットの出来は最高。恐らく、演奏していたメンバーも皆、相当、気持ち良く演奏出来たのでは無いだろうか。もっと評価されて然るべき好盤である。
 
 
 

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