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2021年3月30日 (火曜日)

ドラムが省かれた変則トリオ

最近、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のリーダー作を聴き直したくなった。燻し銀な職人ピアニスト、洒脱なバップ・ピアニストのトミー・フラナガン、愛称「トミフラ」。リーダーとして前に出れば、アグレッシヴなバップ・ピアニスト、伴奏に回れば、小粋な職人芸的ピアニスト。どちらも「トミフラ」。プロフェッショナルの成せる技である。

Phil Woods, Tommy Flanagan & Red Mitchell『Three for All』(写真)。1981年、NYでの録音。enjaレーベルの3081番。改めてパーソネルは、Phil Woods (as), Tommy Flanagan (p), Red Mitchell (b)。リズム・セクションにドラムが省かれた変則トリオ編成。この変則トリオ編成は珍しい。

リズム&ビートはどうするんじゃい、と思わず突っ込んでしまう変則トリオ編成である。が、聴いて判るが、トミフラのピアノ、ミッチェルのベース、このピアノとベースが「リズム楽器」の役割も担っているのだ。ピアノの左手の「ブロックコード」、そして、アコベの「ウォーキング・ベース」。この2つがドラムの代わりに、リズム&ビートを供給する。
 

Three-for-all-1

 
と、簡単に言うが、これが意外と難しい。良く聴いていると、ピアノとベースが呼吸を合わせるが如く、それぞれ交互にリズム&ビートを供給したり、時にはユニゾンの様にピアノとベースが同時にリズム&ビートを供給したり。この盤、このピアノとベースの「リズム&ビート」の供給の技を存分に楽しむことが出来る。素晴らしい職人芸である。

そんな小粋なリズム&ビートをバックに、フィル・ウッズのアルト・サックスが気持ち良く吹き進んで行く。ウッズ独特のメリハリの効いた、ダイナミックでブリリアントでシャープなアルト・サックスには、ドラムはちょっと「うるさい」かもしれない。ウッズのアルト・サックスを愛でるのに、ドラムレスの変則トリオ編成は最適なのかも。

サックスのワンホーンの編成の場合、ピアノを省いて、ベースとドラムの変則トリオ編成でやる、というのはたまにあるが、ドラムを省くケースはごく僅か。この盤を聴いて思うのは、トミフラのピアノだからこそ、ということ。燻し銀な職人ピアニストだからこそ、このドラムレスの変則トリオ編成は成立している様に感じる。小粋な好盤です。enjaレーベル、なかなかやりますなぁ。
 
 
 

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