現在進行形ジャズの最先端
ブルーノート・レーベルは、創立当初からずっとそうなんだが、それぞれの時代時代のジャズの最先端の音を捉えてアルバム化している。創立当初から活動中断までは、やはり創立者のアルフレッド・ライオンの慧眼のなせる技であり、復活後については、前社長のブルース・ランドヴァル、そして、現社長のドン・ウォズの慧眼の成せる技であろう。
Derrick Hodge『Color of Noize』(写真左)。2020年6月のリリース。ちなみにパーソネルは、Derrick Hodge (b, key, g, vo), Jahari Stampley (org, p), Justin Tyson (ds), Michael Aaberg (key, synth), Michael Mitchell (ds), DJ Jahi Sundance (turntable)。パーソネルからして穏やかでは無い。ターンテーブル担当のDJが入っていたりする。
パーソネルを見渡してワクワクしながら、このアルバムを聴き始めると、絵に描いた様な「融合音楽」なジャズがブワッと拡がる。コンテンポラリーなジャズを基本としつつ、ヒップホップのグルーヴ感、深みのあるソウル感、重厚なスピリチュアル・ジャズな音が融合して渾然一体となった音世界。
この演奏をジャズと定義付ける「即興演奏」と「ファンキーなリズム&ビート」。規律と自由、そして混沌。エレクトリックな揺らぐビート感、幽玄な音と響きの拡がり、そして多様性。ジャズの行き着く先の1つを示すような「流動的で融合的な音世界」。現在進行形ジャズの最先端の1つがここにある。
ロバート・グラスパーのベーシストとしても知られるデレク・ホッジ。ベーシストのリーダー作として、自らの音の志向をバンド演奏に反映させ、リードする。そのリード手段は「唄う様なベース」。ヴォーカリストが唄う様にベース・ラインが練り歩く。明確にバンド・サウンドの方向性を指し示す、唯一無二なベース・ライン。
この盤の音世界は、マイルス・ディヴィスに端を発し、ウェザー・リポート、RTF、マハヴィシュヌ・オーケストラ、ビリー・コブバム、トニー・ウィリアムズ・ライフタイムなど、エレクトリックな「融合音楽」志向の、その延長線上にある。プロデュースは、ブルーノートの社長でもある重鎮ドン・ウォズ。ブルーノート・レーベルの面目躍如である。
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