タレンタインのBN初リーダー作 『Look Out!』
ちょっと前に、プレスティッジ時代のコルトレーンを聴き直して以来、ジャズ・テナーが気になっている。ロリンズやコルトレーンなど、レジェンド級の有名テナーマンのリーダー作については、このブログで順次取り上げてきたが、レジェンド級ですら、まだまだ残っている。例えば、スタンリー・タレンタイン(Stanley Turrentine)などは、ほとんど手付かずだ。
Stanley Turrentine『Look Out!』(写真左)。1960年6月18日の録音。ブルーノートの4039番。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), Horace Parlan (p), George Tucker (b), Al Harewood (ds)。漆黒ブルージーなテナーマン、スタンリー・タレンタインのブルーノートでの初リーダー作になる。
タレンタインのテナーは「ど漆黒、どファンキー、どソウルフル」と、「ど」の3連発が付くほどの「滴り落ちるファンクネス」が特徴。このブルーノート初リーダー作については、溌剌としたタレンタインのテナーが聴ける。恐らく、バックのリズム隊が新進気鋭のモード・ジャズ系ピアノ・トリオなのが影響しているのかもしれない。
タレンタインのテナーは、それまでのジャズ・テナーの代表格、ロリンズやコルトレーンのテナーのフォロワーでは無い。ましてや、パーカー直系のバップなサックスでも無い。タレンタインのテナーは、オールド・スタイルとコルトレーン・スタイルの「間(あいだ)」をいくもの。レトロでも無く最先端でも無い。流行のスタイルに対して「我関せず」と言わんばかりのオリジナリティー。
意外と溌剌と健康的に吹いてはいるが、ファンクネスはしっかりと漂い、唄うようなアドリブ・フレーズは既に「適度にソウルフル」である。それでも、ボートラの「Yesterdays」などは、タレンタインのトレードマークである、どっぷり「漆黒の滴り落ちるファンクネス」なテナーが鳴り響いている。逆に、LPリリース当時、お蔵入りになったのが判る。
豪快なテナーの音を繊細に出す。タレンタインのテナーのテクニックは堅実で真摯。そして、出てくる音は、「ど漆黒、どファンキー、どソウルフル」と、「ど」の3連発が付くほどの「滴り落ちるファンクネス」が特徴。そんなタレンタインの「テクニックと音」がこのブルーノート初リーダー作にしっかりと捉えられている。さすがブルーノート、さすがアルフレッド・ライオンである。
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