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2021年1月25日 (月曜日)

亡きジョーダンのほろ酔いライヴ

もう14年になるのか。玄人好み、通好みの職人ピアニストのデューク・ジョーダンが亡くなったのは、2006年8月。大好きなピアニストだったので、訃報に接してから2日間ほど、耳を傾けるジャズ盤は全てデューク・ジョーダン。じっくりと『Flight to Denmark』『Two Loves』『Flight to Jordan』に耳を傾け、玄人好み通好みの職人ピアニストのデューク・ジョーダンの訃報を悼んだ。

Duke Jordan『Tivoli One』(写真左)と『Tivoli Two』(写真左)。1978年12月16-17日、デンマークのコペンハーゲン 「Tivolis Koncertsal」での録音。リリースは1984年。スティープルチェイス・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Wilbur Little (b), Dannie Richmond (ds)。

この2枚のライヴ盤は、コペンハーゲンのチボリ・ガーデンで収録されたもの。スタジオ録音のジョーダンも良いが、1940年代、チャーリー・パーカーのバックでピアノを弾いていたという「バップ・ピアニスト」としてのジョーダンを感じるには、ライヴ盤が良い。恐らくライヴになると、昔取った杵柄というか「バップの血」が騒ぐのだろう、ジョーダンのピアノにドライブがかかる。
 
 
Tivoli-one-two  
 
 
しかも、彼は酒に目が無い。当然、ライブでは、酒をちょっとひっかけて、直接に観客の熱気を感じてのライブである。とにかく、思うがままにバリバリ弾きまくっているジョーダンはご機嫌だ。ドラムのダニー・リッチモンドも恐らく、酒が入っているのだろう、これまた思うがままにドラムを叩きまくる。一部、ウルサイくらいだ。でも、ジョーダンのピアノをうまく煽っていて、ライヴが故、「これはこれでアリ」というか許せる範囲。

『Tivoli One』のラストの「Jordu」。これ、ジョーダン作曲の哀愁溢れる名曲。このライヴ盤でも取り上げられているので「さぞかし名演か」と思いきや、これがボロボロ(笑)。恐らく、ジョーダンとリッチモンド、かなり酔いが回ったんだろうな。1分53秒で演奏は終わる。でも、この1曲の破綻気味の演奏が、ジョーダンのこのライブ盤の「良い雰囲気」を上手く伝えてくれている。

ベースのウィルバー・リトルは好演。ウィルバー・リトルのベースが冷静沈着で、この冷静沈着なベースがあってこそ、このライブ盤は辛うじて品格を保っていると言っても良い(笑)。きっと、酔いが回る前の、ほろ酔い加減のジョーダンって「無敵」だったんだろうな。この『Tivoli One』と『Tivoli Two』に、そんなほろ酔い加減の「好調なジョーダンのパフォーマンス」がギッシリ詰まっている。生で聴きたかったなあ。
 
 
 

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