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2021年1月 9日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・196

今年はちょっと「和ジャズ」をしっかり聴こうと思って、トリオ・レコードのアルバムを聴き始めたら、意外とまだ未知の優れたジャズマンのリーダー作に出会ったりするので楽しい。特に日本のジャズ・レーベルが元気だった1970年代、我が国にいかに優れたジャズマンが多くいたかを改めて再認識する。

福居良『Scenery(シーナリィ)』(写真)。1976年12月21日の録音。ちなみにパーソネルは、Ryo Fukui (p), Satoshi Denpo (b), Yoshinori Fukui (ds)。福居良の1976年トリオ・レコードに残したデビューアルバムになる。力強いスイング感、明かなバップ・スタイルのピアノと美しい旋律を伴った魅力的なオリジナル曲が個性。

福居良は、1948年北海道生まれ。18歳でアコーディオン、22歳、独学でピアノを始める。東京に出て研鑽を積み、27歳で札幌市に戻った後、自分のトリオを結成し、このデビュー盤を録音している。1995年6月に札幌市すすきのでジャズクラブ「スローボート(Slow Boat)」を開店。同店は北海道の重要なジャズ拠点ともなった。生涯を通じて、リーダー作は少なく5枚ほど。2016年3月、悪性リンパ腫により68歳で逝去している。
 
 
Scenery_ryo_fukui  
 
 
資料には「バリー・ハリスを師と仰ぎ長年にわたって交流を重ねた」とあり、このデビュー盤を聴くにつけ「さもありなん」と強く思う。そう、福居良のビ・バップなピアノタッチって、どっかで聴いたことがあるなあ、と思っていたんだが、そう、バリーハリスに良く似ているのだ。似ているが決してコピーでは無い。バリー・ハリスのタッチよりも鋭角で跳ねるような、加えて、重さを感じない均整の取れた福居のタッチは独特。

冒頭は「It Could Happen To You」、ダイナミックに、スケール大きくスウィングするところがユニーク。ファンクネスが希薄で、明らかにこのピアノは「米国のものでは無い」ことが判る。タッチは端正でフレーズは均整が取れている。和ジャズの成せる技である。ハッピーで明るいアレンジの3曲目「Early Summer」、ネーチャーでミッドナイトな雰囲気のラスト曲「Scenery」も、福居良のピアノタッチ際立つ素敵な演奏。

1970年代の和ジャズの世界で、こんな素晴らしいピアノ・トリオ盤があったなんて知らなかった。当時、ジャズ雑誌では、和ジャズについては、レコード会社推しの一部の人気ジャズマン以外はあまり採り上げられず、福居良については、僕は札幌のジャズクラブ「スローボート」のオーナーとして知った位だ。今回、初めて福居良のピアノに触れた。このトリオ盤、暫く、我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』のヘビロテ盤となりそうだ。
 
 
 

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Matsuwa_billboard

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