レノン作の楽曲のカヴァー集
今年も12月8日がやってきた。ジョン・レノンの命日である。1980年12月8日(月)22時50分、ジョンはダコタ・ハウスの前で撃たれた。失血性ショックによりルーズヴェルト病院で23時すぎに死亡した。満40歳没(享年41)。今年で逝去後40周年になる。
まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)に「ジョン・レノンの40回目の命日」と題して、記事を上げているので、ジョン・レノンの命日についてはこちらをご覧頂きたい。ここでは、ジョン・レノンにまつわるジャズ盤について語りたい。
ジョン・レノン作の楽曲は、ちょっと捻れたコード進行やフレーズの展開が多いので、単純なフォービートのジャズにはなり難い。無理矢理、フォービートのジャズに押し込めたら、とてもチープな雰囲気の、まるで軽音楽のような、何の味も工夫も無いジャズになりそうで、ジョンの曲はジャズで採り上げられることは少ない。
それでも「Imagine」だけは結構、ジャズの世界でカヴァーされている。といって、完璧にジャズの楽曲としてアレンジされている訳では無くて、曲の持つ強烈な個性をジャズの演奏の旋律に置き換えているだけ。ジャズにデフォルメされることなく、「Imagine」の原型はほぼ留めている。それだけ、ジョン・レノン作の楽曲は個性が強烈だ、ということだろう。
Bill Frisell『All We Are Saying』(写真左)。2011年6ー7月の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Greg Leisz (steel-g, ac-g), Jenny Scheinman (vln), Tony Scherr (b), Kenny Wollesen (ds)。ニュー・ジャズにおける変則捻れギタリスト、ビル・フリゼールの企画盤。「Lennon–McCartney」のカヴァー集である。
Lennon–McCartneyのカヴァー集だが、ジャケット・デザイン(ジョン・レノンの顔の線画イラスト)からも判る様に、ジョン・レノンの作曲作品を中心にカヴァーしている。全編ジョン・レノンの楽曲のカヴァー盤というのは、僕はこの盤以外、知らない。「Across the Universe」「Revolution」「Give Peace a Chance」「#9 (Number 9) Dream」など、ジャズではほぼカヴァーされたことの無い、ジョンの名曲がズラリと並ぶ。
原曲の雰囲気を踏襲すること無く、フリゼール自身が、ジョンの楽曲を解釈して、独特のアレンジを施している。「Please Please Me」「Come Together」「Woman」「Love」「Mother」「Strawberry Fields (Bonus Track)」などなど、どれもが「ほほぅ」と感心するような、なかなか優れたアレンジが施されていて、レノン作の楽曲に新しい魅力を与えている。
ジャズ好きのレノン者にとっては「マスト・アイテム」。フリゼールがニュー・ジャズのマナーの中、独特のくすんで捻れた音色のギターで、ジョン・レノン作の楽曲を個性的にカヴァーしていく。聴き応え十分。この企画盤、アレンジと演奏力の「賜」。ジョンの命日にしみじみと聴く「ジョン・レノンのカヴァー・ジャズ」。
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こんにちは お久しぶりです。
記事はいつも読ませて頂いてます
没後 40年ですね
毎年 当時がフラッシュバックします
All We Are Saying
好きなアルバムで よく聴いています
投稿: y1958 | 2020年12月10日 (木曜日) 08時50分