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2020年12月 6日 (日曜日)

聴き心地満点「ベーカーの休日」

ウエストコースト(米国西海岸)ジャズは「聴かせる」ことに重きを置いているように思える。優秀なアレンジ然り。テーマ部の魅力的なユニゾン&ハーモニー然り。流麗なアドリブ・フレーズ然り。東海岸ジャズの「飛び散る汗と煙」のイメージ、手に汗握る、テンションの高いアドリブとは全く正反対の演奏アプローチ。

Chet Baker『Baker's Holiday』(写真左)。1965年5月、なんとNYでの録音。ちなみにパーソネルは、Chet Baker (flh, vo), Leon Cohen, Henry Freeman, Wilford Holcombe, Seldon Powell, Alan Ross (reeds), Hank Jones (p), Everett Barksdale (g), Richard Davis (b), Connie Kay (ds), Jimmy Mundy (arr)。リーダーのチェット・ベイカーはここではフリューゲルホーンを吹いている。

ソニー・クリス盤の時にもコメントしたが、1965年の録音なので、ジャズの世界では西海岸ジャズ、東海岸ジャズの区別が無くなって、西海岸ジャズ出身のチェット・ベイカーが、東海岸のNYに出向いての録音になったのだろう。但し、演奏のテイストは「西海岸ジャズ」。優れたアレンジで「楽しく聴かせる」ジャズを表現しているところは見事だ。
 
 
Bakers-holiday-1965
 
 
まず、フロントのリード楽器5人でビッグバンドをイメージした、分厚い重厚なアンサンブルを実現している。一聴すると「ビッグバンドがバックかな」と思うのだが、切れ味良くブリリアントな金管楽器の音が薄い。逆に金管楽器の音が薄いので、バックの演奏が柔らく響いて、チェットのボーカルがしっかりと浮かび上がる。アレンジの勝利だろう。

金管楽器はチェットのフリューゲルホーン1本。このチェットのフリューゲルホーンが上手い。ボーカルの上手さは以前から定評があるのだが、チェットはトランペット&フリューゲルホーンを吹かせても上手い。音がしっかりと太く流麗で、切れ味良くブリリアント。速いテクニカルなフレーズは滅多に吹かないが、しっかりと1音1音を丁寧に押さえた、暖かで柔軟なフレーズが実に心地良く耳に響く。

ギターを加えたピアノ・トリオの「リズム隊」も良い伴奏を提供していて、とりわけチェットのボーカルを引き立てていて立派。さすが伴奏上手のハンク・ジョーンズのピアノである。聴かせる「西海岸ジャズ」の雰囲気全開のスタンダード集。リラックスして聴けるジャズ。要所要所でチェットのボーカルがキラリと輝き、要所要所でチェットのフリューゲルホーンがブリリアントに響く。味のある小粋なジャズ盤です。
 
 
 

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