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2020年12月26日 (土曜日)

ヴィーナス臭さの無いトリオ盤

いわゆる「日本人好みの純ジャズ」を供給するレーベルとして、ヴィーナス・レコードがある。スタンダード曲がメインの選曲で、エコーたっぷり、耽美的でリリカルなフォービートな純ジャズを制作するレーベル。そのジャズマンの個性やスタイルに合致しなくても、フォービートな純ジャズ、しかも、スタンダード曲ばかりを中心に演奏させるレーベルとして有名。

確かに、昔、フリー・ジャズやファンキー・ジャズで活躍したジャズマンが、耽美的でリリカルでフォービートなスタンダード・ジャズをやるのには無理があって、これはなあ、と途中で聴くことを止めてしまう盤もある。しかし、このレーベルの「色」に無理なく合致して、活き活きと極上のパフォーマスを繰り広げるジャズマンもいる。

New York Trio『Love You Madly』(写真)。2003年4月7日、NYの「Avatar Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Bill Charlap (p), Jay Leonhart (b), Bill Stewart (ds)。チャーラップ~レオンハート~スチュワートによるピアノ・トリオ「ニューヨーク・トリオ」の作品。
 
 
Love-you-madly-new-york-trio
 
 
このトリオの演奏には、ジャズマンの個性を曲げて、スタンダード・ジャズをやる様な、無理な雰囲気が無い。プロデューサーによって「作られた感じ」も無い。ピアノ・トリオのパフォーマンスとして「どこかで聴いた様な」マンネリ感は皆無で、トリオのインタープレイとして、新しい響き、新しいアプローチが散見されていて、現代のピアノ・トリオという雰囲気が実に清々しい。

まず、リーダー格のピアニスト、ビル・チャーラップのピアニストとしての個性が、このヴィーナス・レコードの「色」にピッタリ合っているんだろう。耽美的でリリカル、それでいてタッチは明確で意外とダイナミック。よって、このトリオ盤を聴いていて、ヴィーナス・レコード臭さが全く感じられない。これが、このトリオの良さ。

リズム隊のベースのレオンハート、ドラムのスチュワートが、このチャーラップのピアノに反応して、チャーラップのピアノを引き立て、その魅力を増幅させる様なパフォーマンスを連発。新鮮な響きのリズム&ビートを供給していて、これがまた、このトリオの良さ。ヴィーナス・レコードの盤だと敬遠せずに、ピアノ・トリオ者であれば、一度、耳を傾けて欲しい好盤です。
 
 
 

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