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2020年12月10日 (木曜日)

フィンランドのニュー・ジャズ

ECMレーベルのアルバムをカタログ順に聴き直している。ECMレーベルのアルバムは、どのアルバムにも、ECMの「ジャズとしての音の志向」、「音の響き」について、強烈な統一感があって、凄いなあ、と常に感じる。ECMの創立者であり総帥(プロデューサー)の、マンフレート・アイヒャーの存在があってのことだが、ここまで「統一感」に拘る姿勢は尊敬に値する。

Edward Vesala『Nan Madol』(写真左はECM盤、右はAPO盤)。April 25 and 26, 1974年4月の録音。ECMの1077番。ちなみにパーソネルは、Edward Vesala (ds, perc, fl, harp), Teppo Hauta-aho(b, vo), Sakari Kukko (fl), Elisabeth Leistola (harp), Charlie Mariano (as, fi), Pentti Lahti (ss, b-cl), Seppo Paakkunainen (ss, fl), Juhani Aaltonen (ts, ss, fl, p-fl, bells, vo), Mircea Stan (tb), Kaj Backlund (tp), Juhani Poutanen (vln, viola, vo)。

一聴して、直ぐにこれは「ECMレーベルのアルバム」だと判る。まず、演奏にかかっている「エコー」が独特。この独特のエコーは「ECMエコー」と呼ばれるもので、透明度の高い、深いエコーはECM独特であり、欧州ジャズ特有のもの。この深いエコーは、米国のジャズには無いもので、このエコーの存在を受け入れるか、排除するかで、ECMの好き嫌いが分かれる。
 
 
Nan-madol
 
 
そして、通常のジャズには入らない、耳慣れない音の「楽器」、通常のジャズではマイナーな「楽器」の音が入っている。この盤では、ハープの音が「耳慣れない」音。そして、フルートとソプラノ・サックス、そして、ヴァイオリンが活躍する。これは米国の「本場のジャズ」では、あまり聴くことの出来ない音であり、少なくとも、この盤は「欧州」系のジャズであることに気がつく。

リーダーのエドワード・ヴェサラは、主たる担当楽器は「ドラム」。出身はフィンランド。そう言えば、この盤のパーソネルをつぶさに見直してみると、ほぼ「フィンランド」出身のミュージシャンで固められている(米国ボストン出身のチャーリー・マリアーノが参加しているところが違和感に感じるくらい)。ということは、この盤の個性的な、あまり聴いたことの無いジャズの旋律イメージは「フィンランド」。北欧ジャズにスポットライトを当てるところが、これまた「ECMらしい」。

このメンバー構成で、この演奏である。即興演奏を取り込んでいるところ、ドラム&パーカッションでリズム&ビートを維持しているところで、なんとか「これはジャズ」と評価できる内容の演奏である。このECM独特の即興演奏を旨とした「ニュー・ジャズ」は、ジャズか否かを議論するより、純粋に現代の即興演奏として聴き楽しんだほうが良い。静的で透明感のある「スピリチュアルなジャズ」だと僕は感じている。
 
 
 

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