不思議な存在のギタリスト
ジャズマンには、そのスタイルをデビューの頃から頑なに変えないタイプと、何が切っ掛けか判らないが、演奏スタイルを大胆に変えていくタイプとがあるように思う。
僕はこのギタリストを知ったのは、チック・コリアの第2期Return to Foreverの最初のギタリストというイメージが強い。『Hymn of the Seventh Galaxy』でのロック寄りの流麗でクロスオーバーなエレギが印象的だった。
が、次作『Where Have I Known You Before』には、コナーズの名前は無かった。1974年の事である。その後、コナーズは何処へ行ったのか。実は21世紀になるまで、コナーズの消息を確認することは無かった。そして、ECMの全アルバムのカタログを入手した時、カタログ番号順にアルバムを確認していったところ、この盤に遭遇した。
Bill Connors『Theme to the Gaurdian』(写真左)。1974年11月、ノルウェーのオスロ、Arne Bendiksen Studioでの録音。ECMの1057番。Bill Connors (g)のソロ・アルバムである。
このソロ・アルバムを聴いた時、アルバムの主「Bill Connors」は、チック・コリアの第2期Return to Foreverの最初のギタリストとは同姓同名の違うギタリストだと思った。この盤は、全編アコースティック・ギターでの、内省的でリリカルで耽美的な、まさしく「ECMらしい」ソロギター集。第2期Return to Foreverでのロック寄りの流麗でクロスオーバーなエレギの面影の欠片も無い。
あれだけエレギをギンギン弾いていたギタリストが、一変、全くジャズ臭さの無い、内省的でリリカルで耽美的な、どこか物悲しいアコギをソロで弾き綴っている。この後のコナーズのリーダー作を聴くと、どちらかと言えば、この盤の演奏スタイルがコナーズのギターの本質なのだろう。
ただ他のECMレーベル系のギタリストと比較した場合、個性的な「癖」が無く、ジャジーな雰囲気は皆無、ひたすら素直で美しい音で流麗なフレーズを紡いで行くアコギの調べは、確かに美しい耳当たりの良い音なんだけど、平凡といえば平凡。
この後、ECMに2枚のリーダー作を残した後、特に1980年代以降は、特別に目立った活動は無かった。ビル・コナーズ、不思議な存在のギタリストだった。
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