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2020年12月 2日 (水曜日)

久し振りに硬派なバンド発見

ジャズについては、コロナ禍で明け暮れた2020年についても、新しいミュージシャン、新しいグループがコンスタントに出現している。以前、ジャズは死んだ、とか、ジャズは過去の音楽、とか言われていたが、何だか、まだまだ活きているような、深化しているような気がしている。喜ばしいことである。

Black Art Jazz Collective『Ascension』(写真左)。2020年1月11日、NYのVan Gelder Recording Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Escoffery (ts), Jeremy Pelt (tp), James Burton III (tb), Victor Gould (p), Rashaan Carter (b), Mark Whitfield Jr. (ds)。う〜ん、知らない名前ばかり。ジャケ写とメンバーの経歴を見れば、どうも中堅ジャズマンの集団らしい。しかも、最近珍しい、ジャズの「バンド」名義のアルバムである。

テナー・サックス、トランペット、トロンボーンの3管がフロントの「正統派セクステット」構成。このメンバー構成だと一瞬、1960年代前半のアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースを想起するので、おもいっきしファンキー・ジャズな内容なのかな、と思ったら、むっちゃ硬派なモード・ジャズ、いわゆるモーダルな「ネオ・ハードバップ」である。
 
 
Ascension_black-art-jazz-collective  
 
 
まず、グループ名の「Black Art Jazz Collective」に馴染みが無い。ネットの情報によると2013年に結成されている。知らなかった。「アフリカン・アメリカンであるメンバーが自らのルーツを誇りとし、その文化とアイデンティティ、精神を未来に継承してゆくコンセプトを基本に結成されたグループ」とある。なるほど、そのジャズに対する意志は、1980年代後半、現れ出でたウィントン・マルサリス軍団と同じ「新伝承派」の意志を踏襲している様に感じる。

さて、この新盤であるが、全9曲、いずれも真摯で硬派なネオ・ハードバップな演奏で統一されている。ポップさや甘さは全く無い。切れ味の良い、どこか生真面目な、演奏全体に重力感溢れるモード・ジャズが展開される。といって、過去のモード・ジャズの模倣では無いことは確か。専門的な分析は出来ないが、今までのモード・ジャズとは少し違ったアプローチをしているように感じる。聴いていて「あ、あの盤の響きと同じや」という思いが無い。しっかりと最後まで飽きずに聴いてしまう。

2019年秋に相次いで 他界した偉大なピアニスト、ハロルド・メイバーンとラリー・ウィリスに捧げた「Iron Man」「Mr. Willis」、そして、ジャーキー・マクリーン作の「Twin Towers」など選曲も実に渋く、よくあるウケ狙いの「商業ジャズ」とは全く無縁の、ストイックで硬派な内容に好感が持てる。パーマネント・グループとして長く活動していくことを期待したい、久し振りに発見した、硬派なジャズの「バンド」である。
 
 
 

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