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2020年12月 1日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・193

ブルーノート・レーベルの素晴らしいところは色々あるが、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオン自らが自らの耳で、それまで無名だった優秀なジャズマンを見出して、リーダー作を録音させていたところが一番感じ入る。他のレーベルは優秀なのかどうかも判らず、売れるかどうかも判らないので見向きもしない(笑)。

そんな優秀ではあるが無名だったジャズマンを、ブルーノートはその才能を見出して、リーダー作を録音させたり、サイドマンとして、他のリーダー作に参加させていたりする。ブルーノートのお陰で、ハードバップ時代、人気ジャズマン以外にも優れたジャズマンは沢山いて、ジャズというのは演奏家のレベルで見ても、かなり裾野の広い音楽ジャンルだったことが良く判るのだ。

Clifford Jordan『Blowing In From Chicago』(写真左)。1957年3月3日の録音。ブルーノートの1549番。ちなみにパーソネルは、Clifford Jordan, John Gilmore (ts), Horace Silver (p), Curly Russell (b), Art Blakey (ds)。ブルースの街シカゴからニューヨークにやって来たクリフォード・ジョーダンとジョン・ギルモア、テナー・サックス2管がフロントの変則クインテット編成。
 
 
Blowing-in-from-chicago  
 
 
ホレス・シルヴァーが見出したそうだ。「シカゴに凄いテナーマンがいたぜ」とライオンに耳打ち。それでは、とブルーノートがリーダー作の録音をセットアップ。シルヴァー=ラッセル=ブレイキーの黒々としたリズム・セクションを用意し、素晴らしいセッションが実現した。無骨でバキバキゴツゴツと硬派なハードバップ、そして、マイナー・ブルース。

テクニックがどう、とか、フレーズの創造性がどう、とか、この盤を聴く時にはそんなものは「野暮」というもんだ。ハードバップの良いところがこの盤に詰まっている。ジャズっぽい、力強くブルージーなテナー2管の音がとても心地良い。そして、ブルース・ナンバーには、ニューヨークではない、どこかシカゴ・ジャズの雰囲気が漂う。

こういう盤を録音し、その音源が残っているから、ブルーノート・レーベルはジャズの老舗レーベルとしてリスペクトされ続けているのだ。ハードバップの宝の山であるブルーノートの1500番台の中でも、今でも有名盤では無いが、これはひときわ「ブルーノートらしい」1枚だと思っている。
 
 
 

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