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2020年12月の記事

2020年12月29日 (火曜日)

ソニー・クラークの初リーダー作

ジャズを本格的に聴き始めた頃から、このピアニストはずっとお気に入りである。振り返れば、ジャズ者初心者にしてはとても渋いチョイスである。

そもそも、ジャズピアノを聴き始めたら、先ずは「ビル・エヴァンス」から入って、「バド・パウエル」「セロニアス・モンク」に仰け反り、次のお気に入りのピアニストを捜し求めて、ジャズ・ピアノの森を彷徨うものなんだが、例の「秘密の喫茶店」のお陰でそうはならなかった。感謝している。

そのピアニストとは「ソニー・クラーク」。1931年、米国ペンシルベニア生まれ、1961年、31歳の若さで逝去している。ジャズ・ピアノストとしての主な活動期間としては、1954年〜1961年の僅か7年間。それでもブルーノートを中心に、10枚以上のリーダー作をリリースした。サイドマンとしても幾多のセッションに参加している。

彼のピアノは「哀愁の黒いピアノ」。タッチは明確、流麗なフレーズと「間」を上手く織り交ぜ、そこはかとなく哀愁感漂い、仄かに感じるファンクネスが個性。この「哀愁感」と仄かな「ファンクネス」が堪らなく良い。テクニックも確かなもので破綻は全く無い。コンポーザーとしての才能もあり、結構、良い曲を残している。

Sonny Clark『Dial "S" for Sonny』(写真左)。1957年7月21日の録音。ちなみにパーソネルは、Sonny Clark (p), Art Farmer (tp), Curtis Fuller (tb), Hank Mobley (ts), Wilbur Ware (b), Louis Hayes (ds)。全7曲中、6曲目の「Love Walked In」のみがトリオ演奏。他の6曲は「トランペット+トロンボーン+テナー・サックス」3管フロントのセクステット編成。
 
 
Dial-22s22-for-sonny
 
 
この盤はソニー・クラークの初リーダー作。タイトルは、ヒッチコックの映画「ダイアルMを廻せ!」(Dial "M" for Murder)のもじり。なかなかに「粋」なタイトル。ジャケット・デザインにも力が入っている。

さて、この盤の内容であるが、全7曲中、5曲がクラークのオリジナル曲で、彼の作曲の才を確認することが出来る。セクステットの演奏では、クラークの伴奏上手なところと印象的なアドリブ・フレーズが楽しめる。そして、1曲のみのトリオ演奏では、ソニー・クラークのピアノの個性の全てが確認出来る。

サイドマンの演奏も力が入っていて好演に次ぐ好演。上質なハードバップ演奏が心ゆくまで楽しめる。録音も良く、ブルーノート・レーベル独特の「音質」と「響き」がとってもハードバップらしくて良い。ソニー・クラーク入門盤としてお勧めの一枚である。

さて、今年の「ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ」は今日で最終回。今年も『松和』をご愛顧いただき、ありがとうございました。明日の12月30日から1月1日までの3日間、お休みをいただきます。来年は1月2日より再開予定です。

それでは皆様、良いお年を。
 
 
 

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2020年12月28日 (月曜日)

冬に聴く「ボサノバ・ジャズ」

いよいよ、今年もあと3日。コロナ禍で始まり、コロナ禍で終わった2020年。来年以降は「Withコロナ」の生活が日常になる。そんな日常の中、巣ごもり生活が主になったお陰で、家でジャズ盤を聴く機会が増えた。そして冬。冬に聴く「ボサノバ・ジャズ」も意外と「オツなもの」だということが、この盤を聴いていて再認識した。

L.A.4『Pavane Pour Une Infante Defunte』(写真左)。邦題「なき王女のためのパヴァーヌ」。1976年10月、カリフォルニア、ロサンゼルスのWarner Brothers Recording Studiosでの録音。ちなみにパーソネルは「L.A.4」= Ray Brown (b・写真右), Shelly Manne (ds), Laurindo Almeida (g), Bud Shank (sax, fl)。

米国西海岸ジャズのレジェンド3人(ブラウン・マン・シャンク)に、ボサノバ・ギターの名手の4人、ピアノレスのカルテット編成。この盤はイーストウィンド・レーベル(日本フォノグラム)からのリリース。日本の純ジャズ志向のレーベルの企画盤。特に、この「L.A.4」の人選はいかにも、日本のコアな「純ジャズ者」らしい人選だ。
 
 
Pavane-pour-une-infante-defunte-la4
 
 
タイトル曲「なき王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルの管弦楽曲。ラヴェルいわく「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」を、米国西海岸ジャズらしく、軽快で流麗なギター・ジャズにアレンジしている。この様なクラシック曲のカヴァーも日本発のレーベルらしい企画もの。西海岸ジャズらしい、聴かせるジャズ。

ボサノバ・ギターの名手、アルメイダの存在が良い味を出している。単なるレジェンドの集まりだと、旧来の米国西海岸ジャズをなぞるだけの「懐メロ風」の演奏に終始しがちなのだが、ここにアルメイダのギターが入っているのが良い。爽やかで軽快な、そしてどこか哀愁漂うボサノバ・ジャズの響きがこの盤を特別なものにしている。

録音された時代はクロスオーバー・ジャズからフュージョン・ジャズへの移行期。エレ・ジャズ主流の中、アコースティック楽器がメインの純ジャズが、しかも、この盤の様に「内容のある」盤が録音されていたのは、ちょっとした驚きだったけど、日本発のレーベルの企画と知って、しかと「納得」。でも、この企画盤は良い内容で良かったです。
 
 
 

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2020年12月27日 (日曜日)

クロスオーバー・ジャズの成熟形

1960年代後半、マイルスがエレ・ジャズをやり始めて、1960年代の終わりには、ジャズとロックの融合形であるクロスオーバー・ジャズが出現。エレクトリック楽器の飛躍的な進化と共に、ジャズのエレキ化が進み、クロスオーバー・ジャズもその内容は日進月歩で充実していった。そして、1970年代半ばでクロスオーバー・ジャズは、一旦、ほぼ成熟したイメージがある。

The Billy Cobham - George Duke Band『"Live" On Tour In Europe』(写真)。1976年7月27-29日ロンドンと7月6日モントルーでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Billy Cobham (ds, perc), George Duke (key), Alphonso Johnson (el-b), John Scofield (el-g)。たった4人で織りなす、重厚で8ビートなクロスオーバー・ジャズ。

コブハムの繰り出す8ビート、唸りを上げるデュークのシンセ、重低音を響かせグルーヴ感を生み出すアルフォンソのエレベ、ロックなフレーズを繰り出すジョンスコの捻れエレギ。時は1976年、フュージョン・ブームの入口。演奏内容はジャズとロックの融合、クロスオーバー・ジャズ。マイルスから始まったエレ・ジャズのバリエーション。
 
 
Live-on-tour-in-europe  
 
 
たった4人でこの重厚でスピード感溢れるエレ・ジャズ。とにかく、4人とも上手い。4人とも上手すぎる。めくるめく超絶技巧の世界。70年代半ばのクロスオーバー・ジャズの成熟した音。純ジャズ畑からクロスオーバーなエレ・ジャズに転身したジャズマン達独特の「純ジャズ的クロスオーバー感覚」が溢れている。ロックなビートを採用してはいるが、演奏の雰囲気は明らかにジャズ。

1970年代前半、マイルスが推し進めていたエレ・ジャズからファンクネスを大きく差し引いて、ポップな音作りを加味したクロスオーバーなエレ・ジャズ。シンセが唸りを上げ、エレギが捻れ響くインスト中心の演奏。まるで「プログレッシブ・ロック」な雰囲気だが、ジャジーなビートと途方も無い演奏テクニックが、これはクロスオーバー・ジャズだ、ということを確信させる。

ジョージ・デュークの弾き語り(?)にはドン引き、長いコブハムのドラムソロにはちょっと戸惑うが、演奏全体としては、クロスオーバー・ジャズの成熟形と言える演奏。それぞれのミュージシャンのコテコテの個性と、他を寄せ付けない筋金入りのテクニックが実に魅力的。とにかく凄い迫力のエレ・ジャズです。生で聴いてみたかったなあ。
 
 
 

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2020年12月26日 (土曜日)

ヴィーナス臭さの無いトリオ盤

いわゆる「日本人好みの純ジャズ」を供給するレーベルとして、ヴィーナス・レコードがある。スタンダード曲がメインの選曲で、エコーたっぷり、耽美的でリリカルなフォービートな純ジャズを制作するレーベル。そのジャズマンの個性やスタイルに合致しなくても、フォービートな純ジャズ、しかも、スタンダード曲ばかりを中心に演奏させるレーベルとして有名。

確かに、昔、フリー・ジャズやファンキー・ジャズで活躍したジャズマンが、耽美的でリリカルでフォービートなスタンダード・ジャズをやるのには無理があって、これはなあ、と途中で聴くことを止めてしまう盤もある。しかし、このレーベルの「色」に無理なく合致して、活き活きと極上のパフォーマスを繰り広げるジャズマンもいる。

New York Trio『Love You Madly』(写真)。2003年4月7日、NYの「Avatar Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Bill Charlap (p), Jay Leonhart (b), Bill Stewart (ds)。チャーラップ~レオンハート~スチュワートによるピアノ・トリオ「ニューヨーク・トリオ」の作品。
 
 
Love-you-madly-new-york-trio
 
 
このトリオの演奏には、ジャズマンの個性を曲げて、スタンダード・ジャズをやる様な、無理な雰囲気が無い。プロデューサーによって「作られた感じ」も無い。ピアノ・トリオのパフォーマンスとして「どこかで聴いた様な」マンネリ感は皆無で、トリオのインタープレイとして、新しい響き、新しいアプローチが散見されていて、現代のピアノ・トリオという雰囲気が実に清々しい。

まず、リーダー格のピアニスト、ビル・チャーラップのピアニストとしての個性が、このヴィーナス・レコードの「色」にピッタリ合っているんだろう。耽美的でリリカル、それでいてタッチは明確で意外とダイナミック。よって、このトリオ盤を聴いていて、ヴィーナス・レコード臭さが全く感じられない。これが、このトリオの良さ。

リズム隊のベースのレオンハート、ドラムのスチュワートが、このチャーラップのピアノに反応して、チャーラップのピアノを引き立て、その魅力を増幅させる様なパフォーマンスを連発。新鮮な響きのリズム&ビートを供給していて、これがまた、このトリオの良さ。ヴィーナス・レコードの盤だと敬遠せずに、ピアノ・トリオ者であれば、一度、耳を傾けて欲しい好盤です。
 
 
 

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2020年12月25日 (金曜日)

不思議な存在のギタリスト

ジャズマンには、そのスタイルをデビューの頃から頑なに変えないタイプと、何が切っ掛けか判らないが、演奏スタイルを大胆に変えていくタイプとがあるように思う。

僕はこのギタリストを知ったのは、チック・コリアの第2期Return to Foreverの最初のギタリストというイメージが強い。『Hymn of the Seventh Galaxy』でのロック寄りの流麗でクロスオーバーなエレギが印象的だった。

が、次作『Where Have I Known You Before』には、コナーズの名前は無かった。1974年の事である。その後、コナーズは何処へ行ったのか。実は21世紀になるまで、コナーズの消息を確認することは無かった。そして、ECMの全アルバムのカタログを入手した時、カタログ番号順にアルバムを確認していったところ、この盤に遭遇した。

Bill Connors『Theme to the Gaurdian』(写真左)。1974年11月、ノルウェーのオスロ、Arne Bendiksen Studioでの録音。ECMの1057番。Bill Connors (g)のソロ・アルバムである。
 
 
Theme-to-the-gaurdian  
 
 
このソロ・アルバムを聴いた時、アルバムの主「Bill Connors」は、チック・コリアの第2期Return to Foreverの最初のギタリストとは同姓同名の違うギタリストだと思った。この盤は、全編アコースティック・ギターでの、内省的でリリカルで耽美的な、まさしく「ECMらしい」ソロギター集。第2期Return to Foreverでのロック寄りの流麗でクロスオーバーなエレギの面影の欠片も無い。

あれだけエレギをギンギン弾いていたギタリストが、一変、全くジャズ臭さの無い、内省的でリリカルで耽美的な、どこか物悲しいアコギをソロで弾き綴っている。この後のコナーズのリーダー作を聴くと、どちらかと言えば、この盤の演奏スタイルがコナーズのギターの本質なのだろう。

ただ他のECMレーベル系のギタリストと比較した場合、個性的な「癖」が無く、ジャジーな雰囲気は皆無、ひたすら素直で美しい音で流麗なフレーズを紡いで行くアコギの調べは、確かに美しい耳当たりの良い音なんだけど、平凡といえば平凡。

この後、ECMに2枚のリーダー作を残した後、特に1980年代以降は、特別に目立った活動は無かった。ビル・コナーズ、不思議な存在のギタリストだった。
 
 
 

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2020年12月24日 (木曜日)

プレスティッジ時代の最高傑作

プレスティッジ・レーベル時代のコルトレーンのリーダー作って、異なるセッションの寄せ集めであったり、他人名義にサイドマンとして参加した音源の再編成であったり、「訳あり」の盤が多いのだが、デビュー作の『Coltrane』とこの盤だけは違う。しっかりとコルトレーンのリーダー作であり、しっかりとコルトレーンのリーダーとしての「意志」が入っている。

John Coltrane『Soultrane』(写真左)。1958年2月7日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。レッド・ガーランドのピアノを核としたリズム・セクションをバックにした、コルトレーンのテナー一本、ワンホーン・カルテット編成である。

1958年の2月に録音して10月にはリリースされているので、プレスティッジ・レーベルとしては珍しい、コルトレーンのリーダー作の出し方である。しかも、1958年2月7日のセッションの演奏で固められ、曲順もしっかり吟味されている様に感じる。当時のコルトレーンのテナー・サックスの才能の全てが記録されていて、プレスティッジ時代のベスト的内容である。
 
 
Soultrane_20201224202301  
 
 
出だし冒頭のTadd Dameron作「Good Bait」が「良い」。コルトレーンの悠然としたテナーが「良い」。ロリンズとは異なる、ストレートでシュッとした大らかさが「良い」。続く「I Want to Talk About You」は、コルトレーンのバラード表現の完成形を聴く様だ。バックを締めるガーランド・トリオが、これまた良い味を出している。右手シングルトーン、左手ブロックコードのシンプルなガーランドのピアノがコルトレーンのテナーに実に合う。

LPのB面に回って「"You Say You Care」のストレートな吹き回し、「Theme for Ernie」のスローな吹き回しも絶妙。そして、ラストの「Russian Lullaby」で、コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」が炸裂する。高速電光石火の「ロシアの子守唄」。高速でありながら、原曲の良きフレーズをしっかり浮き出させている「シーツ・オブ・サウンド」恐るべし、である。

このプレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作は「白眉の出来」。1958年2月7日時点のコルトレーンの最高のパフォーマンスがこの盤にしっかりと記録されている。曲の並びも良いし、シンプルなデザインのジャケットもプレスティッジとしては上の部類。このプレスティッジのコルトレーンは間違い無く「買い」である。
 
 
 

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2020年12月23日 (水曜日)

コルトレーンの「扱いに困る」盤

プレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作とされる盤の中には、リーダー作で無いのもある。アトランティックへ移籍後、爆発的に人気の出たコルトレーン。リーダー作として出す盤出す盤、結構、売れたらしい。そこで、プレスティッジ・レーベル、既に別人名義のコルトレーンの参加したセッションの音源を再編成して、あたかもコルトレーンのリーダー作としてリリースする暴挙に出た。

John Coltrane『Dakar』(写真左)。1957年4月20日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Cecil Payne, Pepper Adams (bs), Mal Waldron (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。録音日を見ただけでは、プレスティッジ・レーベルには珍しく単一日のセッションで固めたコルトレーンのリーダー作みたいに見える。が、これが違うんだから、プレスティッジの暴挙には困惑する。

実はこの盤、コルトレーンがサイドマンとして参加した、既リリースの別人名義のセッションの音源を再編成、あたかもコルトレーンのリーダー作としてリリースした「パチモン」盤である。1957年の4月、18日から20日にかけて3日間連続で「The Prestige All Stars」または「Mal Waldron Sextet」のサイドマンとして、としてプレスティッジに録音。この『Dakar』は、この3日連続録音の最終日の4月20日「The Prestige All Stars」名義のセッションを再編成したもの。
 
 
Darkar_john-coltrane  
 
 
しかも録音時の記録を見ると、1957年4月20日の「The Prestige All Stars」名義のセッションを「まるっと」そのまま、録音順に並べただけ。レーベルのプロデューサーとして何も考えずに、ただLPのA面B面に「まるっと」入る長さの演奏なので、思わず、偽りの「コルトレーン名義」盤として出しちゃいました、というイージーで罪作りな盤である。よって、この盤は正しくは「コルトレーン名義」のリーダー作ではない。

1957年に録音され「The Prestige All Stars」名義でリリースされた時は、セシル・ペインとペッパー・アダムスの2本のバリサクを「ウリ」にしたアルバム。バリサク2本+テナー1本の3管フロントはユニークだが、惜しむらくはアレンジ、アドリブともに、ちょっと定型的で創造性に欠けるきらいがある。先が読めちゃうので飽きが来るのだ。ただ、バリサク2本の音の迫力は凄い。バリサクの音を浴びる様に聴きたい時には最適な盤の一枚ではある。

この盤の全体の印象は、コルトレーンがメインというよりは、2本のバリトン・サックスが主軸のジャム・セッション、重厚なハードバップ演奏。コルトレーンのプレイを聴いても、コルトレーンの個性は確認出来るが、中途半端で中程度の出来。特別にコルトレーンを聴くアルバムでは無いだろう。ジャケ・デザインも適当。まったく、プレスティッジ・レーベルの暴挙には困ったものである。
 
 
 

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2020年12月22日 (火曜日)

よくよく考えると「不思議な」盤

ハンク・モブレーは、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンが特に目をかけていたテナー・マンである。テナーの腕前もさることながら、彼の作曲能力を高く評価していたフシがある。が、それでも、1500番台では、ハンク・モブレーのリーダー作は6枚を数える。これは「破格の待遇」である。

『Hank Mobley』(写真左)。1957年6月23日の録音。BNの1568番。ちなみにパーソネルは、Hank Mobley (ts), Bill Hardman (tp),Curtis Porter (as, ts), Sonny Clark (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。ハンク・モブレーのテナー、ビル・ハードマンのトランペット、カーティス・ポーターのアルトのフロント3管のセクステット編成。

この盤でのモブレーはまずまず好調。パーソネルを見渡すと、同世代から年下のメンバーで固められており、こういう編成の下では、モブレーは遠慮無く、気持ち良くテナーが吹けるようだ。比較的元気の良いブロウを繰り広げている。出来としては「中の上」程度かな。ただ、本人の名前をズバリ掲げたリーダー作としてはちょっと物足りない。
 
 
Hank-mobley-album  
 
 
カーティス・ポーターという、この盤以外のジャズ盤であまり聞かれない、マイナーなアルト・サックス奏者が実に良いプレイを披露している。冒頭、ポーター作の「Mighty Moe and Joe」のファンキーでテンポの良いノリに「おおっ」と思わず身を乗り出す。続くスタンダード曲の「Falling in Love with Love」「Bag's Groove」では、モブレーのテナーとの絡みが実に良い。

しかし、ここまでポーターのサックスが目立つと、この盤って、誰のリーダー作だっけ、という気分になる。収録曲を見渡せば、リーダーのモブレーの自作曲は4曲目の「Double Exposure」の1曲のみ。あれれ。モブレーのテナーや作曲能力ににスポットと当てているのでは無い、このモブレーのリーダー作って、何なんだろう。いつもこの盤を聴く度に感じる「疑問」である。

アルトのポーターについては、この後、1960年代に入るとその名前を見ることは無くなる。といって、この盤で「これはポーターの素晴らしいプレイを記録した貴重盤だ」と推すには「何かが足らない」。リーダーのモブレーも出来としては「中の上」程度。よくよく考えると「不思議」な盤である。ただし、ハードバップな盤としては、雰囲気のある、まずまずの内容。そういう意味では「ブルーノート1500番台に外れ無し」。
 
 
 

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2020年12月21日 (月曜日)

ブーム終焉の象徴的なアルバム

フュージョン・ジャズの流行は、1970年代後半から1980年代前半。とにかく、老いも若きもジャズ者総出の大ブームだったように思う。ミュージシャン側だってそうだ。フュージョン・ジャズ御用達のミュージシャンがごまんと出てきた。しかし、その流行も1980年代に入ってからは下降線の一途だった。

Larry Carlton『Friends』(写真)。1983年のリリース。ちなみにパーソネルは、Larry Carlton (g), Abe Laboriel (b), Jeff Porcaro (ds) を核に、曲毎にゲスト・ミュージシャンが参加。

フュージョン・ジャズのブームの後期、流行のほぼ終わりの時期の好盤。タイトル通り、数多くの名プレイヤーがゲスト参加したアルバム。フュージョン・ジャズとしてやることを全てやり尽くしてしまった時期、マンネリズム回避によくやる「企画」である。そのゲストの大凡は以下の通りかと。

B.B. King (g, tracks: A4), Don Freeman (el-p, tracks: A3), Joe Sample (el-p, tracks: A2, A3), Terry Trotter (el-p, tracks: A1, B1 to B4), Brian Mann (org, tracks: A4, B1), Alex Acuna (perc, tracks: B2), Paulinho Da Costa (perc, tracks: A1, A2, A3, B1), Don Freeman (p, tracks: A3), Michael Brecker (ts, tracks: A3, B3, B4), Jim Horn (fl, tracks: B1), Brian Mann (syn, tracks: A1, A3, B1 to B4), Al Jarreau (vo, tracks: A3)。
 
 
Friends-larry-carlton
 
 
BB・キング、マイケル・ブレッカー、アル・ジャロウ、ジョー・サンプル、パウリーニョ・ダ・コスタ等、そうそうたる面子である。重厚なブラス・セクションも従えて、ソフト&メロウな雰囲気濃厚な、フュージョン・ジャズの大仕掛けな一大絵巻が展開されている。

ここまでソフト&メロウな雰囲気を増幅させると、甘々なイージーリスニング・ジャズに陥る危険性があるが、その一歩手前で留まっているところがこの盤の「ミソ」。エイブ・ラボリエルのベースとジェフ・ポーカロのリズム隊が切れ味の良いリズム&ビートを供給して、甘めのフロントのメロディー・ラインに「喝」を入れている。

リズム隊に「喝」を入れられた、リーダーのカールトンのギターが活き活きと切れ味の良いフレーズを連発する。演奏全体のアレンジが大仕掛けで甘いので、カールトンの切れ味の良いギターが余計に目立つ。これがこの盤の好要素として作用している。切れ味の良いカールトンのギターに触発されて、ゲスト・ミュージシャン達の演奏も躍動感溢れるものになっている。

一聴すると、これは甘々なイージーリスニング・ジャズか、と身構えるが、聴き進めるにつれて、意外となかなかの内容にホッとする。甘々のアレンジによる、切れ味の良いフュージョン・ジャズ。後の「スムース・ジャズ」の萌芽ともとれる内容は興味深い。フュージョン・ジャズのブーム終焉の「象徴的な内容の盤」である。
 
 
 

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2020年12月20日 (日曜日)

ジャン=リュック・ポンティの好盤

僕がジャズを本格的に聴き始めたのが、1970年代後半。ジャズ・シーンは、フュージョン・ジャズの大流行真っ只中で、ジャズ者については「猫も杓子も」フュージョン・ジャズ。純ジャズについては、以前のハードバップ時代などの「ジャズ・レジェンド」の名盤を聴き直す、が主流で、純ジャズが特別に話題になることは無かったように思う。

そんなフュージョン・ジャズの大流行真っ只中、もともと、プログレッシブ・ロックが大好きだった「プログレ小僧」だったこともあって、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズより、クロスオーバー・ジャズ志向のインスト・フュージョンが真っ先にお気に入りになった。そんな中で、このクロスオーバーなジャズ・ヴァイオリニストに出会う。

Jean-Luc Ponty『Enigmatic Ocean』(写真)。邦題「秘なる海」。1977年の作品。ちなみにパーソネルは、Jean-Luc Ponty (el-vln, violectra, bells), Allan Holdsworth, Daryl Stuermer (el-g), Allan Zavod (org, syn, el-p, ac-p, clavinet), Ralphe Armstrong (el-b, fretless-b), Steve Smith (ds, perc)。ジャズ・ヴァイオリンの貴公子、ジャン=リュック・ポンティの好盤。
 
 
Enigmatic-ocean  
 
 
これがジャズか、と思うばかりの、プログレッシブ・ロックのテイストがプンプン漂う、ところどころに「ラテン」の響きが漂うエレクトリック・ヴァイオリンとエレギが乱舞する「クロスオーバー・ジャズ」。明らかに「ロックとジャズ」の融合。エレ・ジャズの1つの到達点。チック・コリアの「リターン・トゥー・フォーエヴァー」を聴き易く軽やかにした様な音世界。マハヴィッシュヌ・オーケストラ的な音世界とも言える。4部構成からなるタイトル曲は、明らかに「プログレ・テイスト」。

邦題「秘なる海」が示すとおり、海をテーマにした壮大で宇宙的なファンタジー、とでも形容したいサウンド。エレギのホールズワース、ステューマー、そして、ドラムのスティーヴ・スミスといったクロスオーバー畑のロック志向のミュージシャンが、この盤のサウンドを決定付けている。そして、ポンティのエレ・ヴァイオリンは、彼らを向こうに回して、彼らを凌駕するばかりのダイナミズムを発揮している。

ポンティのヴァイオリンは、高いレベルのテクニックに裏打ちされた、ロック~フュージョン感覚のダイナミックなプレイが「ウリ」。この盤では、その個性を遺憾なく発揮している。ポンティを愛でるには、まずこの盤が好適だろう。
 
 
 

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2020年12月19日 (土曜日)

フュージョン時代のジャケ惚れ盤

音源がCDからデジタル・リソースに急速に移行されつつある昨今。恐らく、マスターテープがデジタル化されて、そのデジタル・ソースが「音楽サイト」にダイレクトにアップされるのであろう、ネット上で「こんなアルバムが出てきたのか」と思わず唸るような、懐かしのアルバムに出会うことが多くなった。

O'Donel Levy『Time Has Changed』(写真左)。1977年の作品。NYでの録音。ちなみにパーソネルは、O'Donel Levy (g), David E. Smith (sax, fl), George Young (fl), Jimmy Wilson (tp), Robert Butta (p, syn), Marcel Turner (b), Robert Wyatt (ds), Jimmy Maelen (perc), Aleta Greene (vo)。フュージョン・ジャズらしく、スタジオ・ミュージシャン系のメンバーで固めている。

O'Donel Levy(オドネル・リーヴィー)。1945年生まれ。2016年に鬼籍に入っている。メリーランド州ボルチモア出身のリズム&ブルース、ファンク、ジャズのギタリスト。主な活動期間は1970年代。ソウル・ジャズからジャズ・ファンクの、どちらかと言えば、R&B系のフュージョン・ジャズ畑で活躍。風貌からして、ソウルフル&グルーヴ感満載。
 
 
Time-has-changed  
 
 
この盤は、ジャズを聴き始めた1979年の冬頃、大学近くの「秘密の喫茶店」でジャケットを見て、思わず「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ惚れ」。こういった類の「ソウル・ジャズからジャズ・ファンク」系のアルバムは、ほとんど我が国では扱われていなかったと記憶している。当時は外盤はなかなか入手が難しく、例の「秘密の喫茶店」で、一時、ヘビロテさせてもらった。

スカイハイ・プロダクション系のメロウ・シンセとコーラスが心地良い。メロウ&グルーヴ。メロウながらもカッチリとした作りの冒頭のソウルフル・チューン「Have You Heard」がこの盤のイメージを決定付けている。ホーンのイントロからして、レトロなフュージョンっぽさを感じさせる「ソフト&メロウ」なイメージが良い。続く「Have You Heard」は伸びの良いシンセの響きが心地良いメロウ・チューン。3曲目の疾走感溢れる「Love Will Never Die」も聴き応え十分。

いやはや、涙が出るほどに懐かしい盤に再会しました。この印象的なジャケットは一目見れば判る。当時、我が国で流行っていたフュージョン・ジャズの本流とはちょっと外れた「ソウル・ジャズからジャズ・ファンク」ですが、このR&B系のフュージョンが醸し出す「グルーヴ感」が半端ない。この盤ではライトでメロウなグルーヴ感が堪らない。いや〜久し振りに当時の「ジャケ惚れ」盤との再会でした。
 
 
 

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2020年12月18日 (金曜日)

ニューヨーク・トリオの第一弾

ヴィーナス・レコードは1992年10月に原哲夫プロデューサーによって設立された「日本発のジャズ専門レーベル」。スタンダード曲がメインの選曲で、エコーたっぷり、耽美的でリリカルなフォービートな純ジャズのみを制作するレーベル。しかも、昔の有名ジャズマンを中心に、そのジャズマンの個性やスタイルに合致しなくても、フォービートな純ジャズ、しかも、スタンダード曲ばかりを中心に演奏させるレーベル。

いわゆる「日本人好みの純ジャズ」を供給するレーベルとして活動している訳だが、そのジャズマンの個性やスタイルに合致しなくても、フォービートな純ジャズ、しかも、スタンダード曲を中心に演奏させる強引さについては、あまり評判が良くない。加えて、ジャケット・デザインが「セミヌード」がメインの「エロい」ジャケットで、これまた評判が良く無い(中にはなかなかのデザインのものもあるにはあるのだが)。

しかし、ヴィーナス・レコードの「レコーディングの志向」にピッタリ合ったジャズマンもいて、この場合はその演奏内容について、なかなかの盤が多い。まあ無理矢理、レーベルの「レコーディングの志向」に合わせる訳では無いので、これはこれで「レーベルのあるべき姿」。このケースについては、僕は、ヴィーナス・レコードについては高評価をしている。
 
 
Blues-in-the-night  
 
 
New York Trio『Blues In The Night(夜のブルース)』(写真左)。2001年6月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Bill Charlap (p), Jay Leonhart (b), Bill Stewart (ds)。チャーラップ~レオンハート~スチュワートによるピアノ・トリオ「ニューヨーク・トリオ」の第一弾。耽美的でリリカル、ゆったりとしたフレーズが個性のチャーラップのピアノが実に美しく響いている。

フォービートな純ジャズ、しかも、スタンダード曲が中心の演奏なので、才能ある若手ピアニストの「ありきたり」なトリオ盤と思いきや、レオンハート~スチュワートのリズム隊が新しいイメージのリズム&ビートを駆使して、チャーラップ共々、新しいイメージが散りばめられたインタープレイを繰り広げている。特に、有名「どスタンダード」曲の「My Funny Valentine」や「Don't Explain」でのインタープレイは、新しい響きと展開に満ちていて立派だ。

他のスタンダード曲については、ちょっと耳新しい「小粋な選曲」。まるでキース・ジャレットのスダンダーズ的なアプローチで、これはこれで良い演奏だ。チャーラップのピアノの個性が、ヴィーナス・レコードの「レコーディングの志向」にバッチリ合っていて、素敵なピアノ・トリオ盤に仕上がっている。このトリオ盤については、ヴィーナス・レコードという「色眼鏡」を外して、じっくり味わうべき、現代のピアノ・トリオ演奏のひとつだと評価している。
 
 
 

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2020年12月17日 (木曜日)

小粋なグルーヴ感とスイング感

ブルーノート・レーベルは、その規模から見ると「中小レーベル」。しかも、新しい才能を発掘して、初リーダー作を作成させるスタンスなので、レコードの売上には直結することは稀。それでも、リーダー作を出せば売れる「ドル箱」ジャズマンが何人かいた。1人は「Horace Silver」、そして「Jimmy Smith」、グループでは「Art Blakey & Les Jazz Messengers」。

この2人と1グループはブルーノート・レーベルの売上には貢献したが、才能ある無名の新人のアルバムをリリースしたり、ちょっと渋めの玄人好みのジャズマンのリーダー作をリリースしたりが、その「2人と1グループ」の売上の足を引っ張り、ブルーノート・レーベルの経営はギリギリだったそうだ。

Jimmy Smith『Plays Pretty Just For You』(写真左)。1957年5月8日の録音。BNの1563番。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Eddie McFadden (g), Donald Bailey (ds)。ジミー・スミスお得意の、ギター入りベース抜きの「オルガン・トリオ」編成である。
 
 
Plays-pretty-just-for-you  
 
 
前作辺りから「ポップで聴き易い」ジャズ路線に舵を切ったジミー・スミス。この盤でも、選曲も全てバラードを中心にした「小粋なジャズ・スタンダード曲」で固めて、聴いていて心地良い、ポップなオルガン・ジャズが展開されている。前のめりこってこてファンクなグルーヴ感より、小粋なスイング感が前面に押し出されたポップな盤である。

といって、ジミー・スミスのオルガンが本来持つ「ダイナミズムとハイ・テクニック」が排除されている訳では無い。要所要所でダイナミズムとハイ・テクニックを披露して、ポップでスイング感溢れる演奏にメリハリを付けているところは流石だ。1曲聴くだけで、ジミー・スミスのオルガンと判る。それでいて、小粋なグルーヴ感とスイング感がとてもポップに響く。

小粋でお洒落なスタンダード集。イケメン風のジミー・スミスの写真をあしらった、カラーのジャケットもやけに「ポップ」。当時、まだ珍しかったカラー写真のジャケット。ジミー・スミスが、ブルーノート・レーベルにとって、いかに「ドル箱」ジャズマンだったかが窺い知れる。
 
 
 

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2020年12月16日 (水曜日)

懐かしいフュージョン盤に出会う

懐かしいフュージョン・ジャズ盤を見つけた。以前、我がコレクションにあった筈なんだが、何処かでドロップしたのかもしれない。フュージョン・ブームの終焉時期にリリースされたアルバムで、結構、ヘビロテ盤だった筈なんだけどなあ。しかし、こういう懐かしい、思い出の盤に再会すると、なかなか楽しいものである。

Joe Sample『The Hunter』(写真)。1983年のリリース。クルセイダ―ズのキーボード奏者 ジョー・サンプルのソロ5作目である。リリース当時、この「やっつけ感」満載のジャケット・デザインに戸惑った思い出がある。フュージョン・ジャズのブームの終焉時期、売上にも翳りが見えて、レコード会社の扱いも既に軽かったのかもしれない。

パーソネルについては、Joe Sample (key, syn), Percussion – Paulinho da Costa (perc)、後は曲によってメンバーが代わって、ベースは 1曲目だけ Marcus Miller、残りは Abraham Laboriel。ドラムも同様に 1曲目だけ Steve Gadd、残りは Bob Wilson。ギターは、ちょっと複雑で、1曲目だけ David Spinozza、3曲目だけ Phil Upchurch、残りは Dean Parks。

ゲスト参加として、John Phillips (b-cl, tracks: 6), Tom Browne (tp, tracks: 1), John Phillips (Woodwind, tracks: 2)。そして、ホーンセクションが2曲目以外の全曲に参加。
 
 
The-huner-joe-sample  
 
 
「やっつけ感」満載のジャケット・デザインではあるが、内容的には、1980年代前半の、フュージョン後期らしい、華のあるアーバンなアレンジが良好な、好フュージョン・ジャズ盤である。

冒頭1曲目のタイトル曲「The Hunter」が、NYのミュージシャンをバックにしての演奏になっていて、ちなみにドラムにスティーヴ・ガッド、ベースにマーカス・ミラー、ギターにデヴィッド・スピノザ。この1曲目の演奏だけが、2曲目以降と雰囲気が違う。ちょっとサンプルらしくない演奏に仕上がっていて、この曲だけ聴くと、ちょっと違和感を感じる。

しかし、2曲目以降はリズム・セクションが代わって、雰囲気がいつものサンプルらしいものになる。サンプルのキーボードの手癖やアレンジの個性もてんこ盛りで、ライトでアーバンなフュージョン・ジャズに仕上がっていてホッとする。ディーン・パークスの職人ギターが大活躍。3曲目のみだが、フィル・アップチャーチのギター・ソロは絶品。ギターが大活躍の2曲目以降が、楽曲的にもサンプルらしくてグッド。

アーバンだけどライトな、軽めのフュージョン・ジャズ。サンプルらしさが良く出た佳作だと思います。
 
 
 

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2020年12月15日 (火曜日)

John Coltrane『The Believer』

プレスティッジ・レーベルにおける「ジョン・コルトレーン」のリーダー作は、複数セッションの寄せ集め編集盤が多くて困る。しかも、リリース年が録音年よりかなり離れていたりする。コルトレーンは大人気のテナー・マンだっただけに、所有する音源を小出しに小出しにリリースして、金儲けに走ったようである。プレスティッジの総帥、ボブ・ウェインストック(Bob Weinstock)は「せこい」(笑)。

小出し小出しにリリースするのは仕方が無いとして、様々な複数セッションから切り出して、寄せ集め編集して1つのアルバムとしてリリースするのには閉口する。そもそも「寄せ集め」のコンセプトが全く判らない。ウェインストックはプロデューサーとしての才能は全く無かったとみえる。プレスティッジ時代のコルトレーンは、彼のテナー・マンとしての進歩が「日進月歩」だっただけに、寄せ集め盤については、コルトレーンの演奏内容について違和感が付きまとうものが多いから困る。

John Coltrane『The Believer』(写真左)。 1964年4月のリリース。1964年4月のコルトレーンと言えば、インパルス・レーベルからの『Live at Birdland』のリリースと同時期。そんな時期にプレスティッジ・レーベルから、1957年から1958年録音の寄せ集め盤がリリースされた。その寄せ集め状況は以下の通り。

まずは、1957年12月20日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Ray Draper (tuba), Gil Coggins (p), Spanky DeBrest (b), Larry Richie (ds)。演奏曲は、4曲目「Filidé」と5曲目「Paul's Pal」。

チューバのレイ・ドレイパーとの2管フロントのクインテット。もともとチューバでジャズをやるのには無理がある。少し速い演奏になると、運指と息がついていけない。ドレイパーのソロはチューバがゆえ、健闘はしているのだが「たどたどしい」ソロがとても悩ましい。リズム・セクションは無名に近いメンバー。普通レベルのサポートに終始している。

コルトレーンだけがまともに吹いているが、周りのメンバーがこのレベルなので、コルトレーンとしても「普通の演奏」に留まっている。この2曲については、あまり聴きどころは無い。この盤は1964年のリリース。この頃には、もうコルトレーン絡みの音源は底をついていたのかもしれない。
 
 
The-believer  
  
 
次は、1958年1月10日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Donald Byrd (tp), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Louis Hayes (ds)。演奏曲は、1曲目「The Believer」と2曲目「Nakatini Serenade」。

この2曲の演奏が一番充実している。トランペットのドナルド・バードとの2管フロントのクインテット。このセッションでのバードのトランペットが活き活きしていて、アドリブ・フレーズも迫力がある。当然、コルトレーンもこのトランペットに触発されて、素晴らしいブロウを繰り広げる。

シーツ・オブ・サウンドの原型らしき、高速アドリブ・フレーズも連発。この時期のベスト・プレイが展開される。ガーランドのピアノを核とするリズム・セクションも申し分無い。右手のシングルトーンが魅力のガーランドも何時になく、熱いソロを聴かせている。

最後に、1958年12月26日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Freddie Hubbard (tp), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。演奏曲は、3曲目「Do I Love You Because You're Beautiful?」。

トランペットとの2管フロント立てのクインテットは、1958年1月10日の録音と変わらないが、トランペットが若きフレディー・ハバードに代わっている。ハバードのトランペットは高度なテクニックをひけらかす様に、ウケ狙いのフレーズを連発してコルトレーンに対抗しているが、これが「チープで薄っぺら」な印象でいけない。完全にコルトレーンの引き立て役になってしまっている。やはり、自分の「個性と魂」を込めたフレーズで対抗しないとなあ。非常に上手いんだけどなあ。

逆に、コルトレーンのブロウは全く申し分無い。ハバードの「ウケ狙い」のプレイなど気にかけず、ほぼ完成されたバラード・プレイを披露している。

ということで、この寄せ集め盤、譲って冒頭からの3曲が聴きもの。チューバが入る4〜5曲目は平凡。それでも、1958年1月10日録音の、冒頭の2曲のコルトレーン・クインテットの演奏だけでも手に入れる価値はあると思料。プレスティッジ・レーベルも罪作りなことをしてくれたものである。
 
 
 

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2020年12月14日 (月曜日)

中身はご機嫌なハードバップ

ハンク・モブレーのテナー・サックスは、上手いんだか、下手なんだか、アルバム毎にそのパフォーマンスの好不調が変わるので、ジャズ者初心者の頃は「良く判らん」テナー・マンだった。

ずっと彼のリーダー作を聴き続けていると、どうも録音時のパーソネルによって好不調が変わるみたいで、モブレーのテナーは、アルバムによって好不調が変わる「ギャンブル性」が特徴。当たれば良いが、外れれば悲しい。

Hank Mobley『Hank』(写真左)。April 21, 1957年4月21日の録音。BNの1560番。ちなみにパーソネルは、Hank Mobley (ts), John Jenkins (as), Donald Byrd (tp), Bobby Timmons (p), Wilbur Ware (b), Philly Joe Jones (ds)。アルバムの収録曲は、全5曲中、2曲がハンク作、残りがスタンダード曲。

モブレーのテナー・サックス、ジェンキンスのアルト・サックス、そして、バードのトランペットの3管フロント。ファンキー・ピアノのティモンズ、プログレ・ベースのウエア、バップ・ドラムのフィリージョーのトリオがリズム・セクションを担当する。

ブルーノートにしては珍しい、地味なジャケットであり、愛想の無いアルバム・タイトルである。このジャケットとタイトルだとまず触手が伸びない。
 
 
Hank-hank-mobley  
 
 
しかし、パーソネルを見ると、ハンクから見て、リズム隊のベースのウエアとドラムのフィリージョーは年上だが、残りのメンバーは年下。年上で腕が確かなリズム隊は安心、他の旋律が取れる楽器は年下で遠慮しなくて良い。もしかして、この盤、ハンクは好調かもしれないと当たりを付けて聴き始める。

予想通り、この盤のハンクのテナー・サックスは好調。しっかり気合いを入れて堂々と吹いている。本当に不思議なテナー・マンである。好調が故にテナー・サックスの音色も明るい。好調な時のハンクのテナー・サックスが奏でるスタンダード曲は聴き応えがある。

アルト・サックスのジェンキンスも好調、トランペットのドナルド・バードも好調。好調ハンクのテナー・サックスと併せて、魅力的なフロント3管である。バリバリ「ハードバップ」なユニゾン&ハーモニーを聴くことが出来る。

ファンキー・ピアノのティモンズも好調。良き捻れベースのウエアとバップなドラムのフィリー・ジョーもご機嫌なリズム&ビートを供給する。

地味なジャケットであり、愛想の無いアルバム・タイトルだが、中身はご機嫌なハードバップ。さすが、ブルーノートの1500番台は裏切らない。
 
 
 

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2020年12月13日 (日曜日)

ECMレーベルの音作りの巧みさ

欧州ジャズの歴史は古いが、地域的にはコペンハーゲンを中心とする北欧ジャズと欧州に移り住んだ米国ジャズメン達のジャズが大半だったという思い出が強い。しかし、この10年間のうちに欧州ジャズの出身地が急速に拡がってきている。

やはりネットの時代の恩恵であろう、まず第一陣として、イタリア、英国、ドイツのジャズが我が国にやってきて、最近ではイスラエル、そしてポーランドのジャズを聴くことが出来る様になった。

Marcin Wasilewski『Arctic Riff』(写真左)。2019年8月の録音。ECMの2678番。ちなみにパーソネルは、Marcin Wasilewski (p), Slawomir Kurkiewicz (b), Michal Miskiewicz (ds), Joe Lovano (ts)。マルチン・ボシレフスキのピアノ・トリオに、ジョー・ロバーノのテナー・サックスがフロント楽器として参加した、テナー1管のワン・ホーン・カルテット。

マルチン・ボシレフスキ(Marcin Wasilewski)は、ポーランド出身のピアニスト。ポーランド・ジャズ界を代表するピアニストである。この盤でのピアノ・トリオは、ポーランド出身のジャズマンで固められた、純ポーランドなピアノ・トリオになる。

トリオ演奏の基本は欧州ジャズらしい流麗なメロディ、透明感溢れるサウンド。意外と質実剛健なところが見え隠れする、ロマンチックではあるが、耽美的に流れない、意外と「硬派」なピアノ・トリオ演奏。硬派で質実剛健なところを加味した音が、ポーランド・ジャズの個性だろうと感じている。
 
 
Arctic-riff-marcin-wasilewski  
 
 
そんな純ポーランドなピアノ・トリオをバックに、1951年、米国オハイオ州クリーヴランド出身のバリバリ米国出身の大ベテラン、ジョー・ロバーノのテナー・サックスが加わる。

ロバーノのサックスは、風貌に似合わず「ニュー・ジャズ」な、ストイックで耽美的で切れ味良いサックス。故に意外と我が国では人気が無い。風貌からすれば、こってこてハードバップな豪快なテナーかな、と思うんですが、これが違う。このロバーノのサックスの本質を見抜いて、ECMの総帥、マンフレート・アイヒャーが、ECMのセッションに抜擢している。

この『Arctic Riff』は、ポーランド・ジャズと米国ジャズの邂逅的セッションの記録ではあるが、音全体のトーンは、明らかに「ECMジャズ」。ポーランド・ジャズとロバーノの「ニュー・ジャズ」的資質を活かしつつ、全体のトーンは「ECM」。

ただ欧州的で耽美的なワンホーン・カルテットに留まらず、テクニックに優れたフリーな演奏も混ざっていて、な硬軟取り混ぜた、聴きごたえのある「ニュー・ジャズ」な雰囲気の盤に仕上がっている。さすが、ECMの総帥、マンフレート・アイヒャーのプロデュース。彼の「美意識」がしっかりと貫かれている様に感じる。

ポーランド・ジャズの特質とロバーノの「ニュー・ジャズ」的資質を殺すこと無く、ECMとしての「音の主義」の中にとりまとめる。ECMレーベルの音作りの巧みさを強く感じさせてくれる好盤です。
 
 
 

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2020年12月11日 (金曜日)

Jaco Pastorius『In New York』

最近、Weather Reportのアルバムを聴き直しているんだが、やはり『Black Market』から『Weather Report(1981)』までのアルバムが一番充実している。とりわけ、リズム・セクションの固定化が実現した『8:30』から『Weather Report(1981)』の3枚は、今のジャズと照らし合わせても「無敵」。群を抜いた内容の素晴らしさである。

特に、エレベの革新者、ジャコ・パストリアスの出現は度肝を抜かれた。『Heavy Wrather』の「Teen Town」でのエレベ・ソロは凄かった。僕は最初、ザヴィヌルがシンセでベース・ラインを弾いているんだと思った。せっかくベース奏者がいるのに無体なことするなあ、とザヴィヌルを疑った。が、これがジャコのエレベ・ソロだと知った時、唖然とした。

そして、彼の弾くベース・ラインについても明らかに革新的。ベース弦を弾くテクニックがずば抜けているが故に実現出来る、明らかに今までに無い、高速なベース・ライン。ベース・ラインにおける「シーツ・オブ・サウンド」。エレベがギターと共に、旋律楽器としてフロントを張ることだって出来る様になった。これは明らかにジャコのお陰である。
 
 
In-new-york-jaco-pastorius  
 
 
Jaco Pastorius『In New York』(写真左)。1985年11月、NYでのギグのライヴ録音。CD2枚組。ちなみにパーソネルは、Jaco Pastorius (el-b, vo), Hiram Bullock (el-g), Michael Gerber (ac-p), Alex Foster, Butch Thomas (sax), Delmar Brown (syn, vo), Kenwood Dennard (ds), Jerry Gonzalez (tp, congas)。

ジャコのブートレグ盤。音はまずまずで最後まで聴ける。演奏内容については、曲によっては「トホホ」なものもあるが、押し並べてまずまずの出来。ジャコのエレベについては、しっかりと楽しめる。「俺のベースについてこい」と言わんばかりに、強引に突っ走るような高速ベースライン。他のメンバーに合わせる気なぞ、さらさら無い。しかし、創造性溢れる「これしかない」的なベース・ライン。このライヴ盤、ジャコのエレベを愛でるには十分の内容になっている。

ハイラム・ブロックのエレギも凄い。以前、マイルスがエレ・ジャズをやる際に、ギタリストに耳打ちした指示が「ジミ・ヘンドリックスの様に弾け」。このライヴ盤でのハイラム・ブロックは、1970年代前半のマイルスが聴いたら喜ぶであろう、
本当にジミヘンの様に弾いている。部分的には「トホホ」な演奏もあるが、押し並べて、この盤のハイラム・ブロックのエレギは充実している。

ジャコのエレベとハイラムのエレギが突出している。ギクなので荒いところもあるが、生々しくて、意外と聴き応えのあるライブ盤である。
 
 
 

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2020年12月10日 (木曜日)

フィンランドのニュー・ジャズ

ECMレーベルのアルバムをカタログ順に聴き直している。ECMレーベルのアルバムは、どのアルバムにも、ECMの「ジャズとしての音の志向」、「音の響き」について、強烈な統一感があって、凄いなあ、と常に感じる。ECMの創立者であり総帥(プロデューサー)の、マンフレート・アイヒャーの存在があってのことだが、ここまで「統一感」に拘る姿勢は尊敬に値する。

Edward Vesala『Nan Madol』(写真左はECM盤、右はAPO盤)。April 25 and 26, 1974年4月の録音。ECMの1077番。ちなみにパーソネルは、Edward Vesala (ds, perc, fl, harp), Teppo Hauta-aho(b, vo), Sakari Kukko (fl), Elisabeth Leistola (harp), Charlie Mariano (as, fi), Pentti Lahti (ss, b-cl), Seppo Paakkunainen (ss, fl), Juhani Aaltonen (ts, ss, fl, p-fl, bells, vo), Mircea Stan (tb), Kaj Backlund (tp), Juhani Poutanen (vln, viola, vo)。

一聴して、直ぐにこれは「ECMレーベルのアルバム」だと判る。まず、演奏にかかっている「エコー」が独特。この独特のエコーは「ECMエコー」と呼ばれるもので、透明度の高い、深いエコーはECM独特であり、欧州ジャズ特有のもの。この深いエコーは、米国のジャズには無いもので、このエコーの存在を受け入れるか、排除するかで、ECMの好き嫌いが分かれる。
 
 
Nan-madol
 
 
そして、通常のジャズには入らない、耳慣れない音の「楽器」、通常のジャズではマイナーな「楽器」の音が入っている。この盤では、ハープの音が「耳慣れない」音。そして、フルートとソプラノ・サックス、そして、ヴァイオリンが活躍する。これは米国の「本場のジャズ」では、あまり聴くことの出来ない音であり、少なくとも、この盤は「欧州」系のジャズであることに気がつく。

リーダーのエドワード・ヴェサラは、主たる担当楽器は「ドラム」。出身はフィンランド。そう言えば、この盤のパーソネルをつぶさに見直してみると、ほぼ「フィンランド」出身のミュージシャンで固められている(米国ボストン出身のチャーリー・マリアーノが参加しているところが違和感に感じるくらい)。ということは、この盤の個性的な、あまり聴いたことの無いジャズの旋律イメージは「フィンランド」。北欧ジャズにスポットライトを当てるところが、これまた「ECMらしい」。

このメンバー構成で、この演奏である。即興演奏を取り込んでいるところ、ドラム&パーカッションでリズム&ビートを維持しているところで、なんとか「これはジャズ」と評価できる内容の演奏である。このECM独特の即興演奏を旨とした「ニュー・ジャズ」は、ジャズか否かを議論するより、純粋に現代の即興演奏として聴き楽しんだほうが良い。静的で透明感のある「スピリチュアルなジャズ」だと僕は感じている。
 
 
 

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2020年12月 9日 (水曜日)

コルトレーンの初リーダー作です

初期のコルトレーンが気になりだした。特に、プレスティッジ・レーベル時代のコルトレーンをもう一度、聴き直したい、という気持ちがフツフツと湧いてきた。調べてみると、当ブログで、プレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作をしっかりレビューしていないことに気がついた。ということで、プレスティッジ時代のコルトレーンを聴き直して行くことにした。

John Coltrane『Coltrane』(写真左)。1957年5月31日の録音。この盤は同一日セッションの音源オンリーで、1957年10月にリリースされている。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Johnnie Splawn (tp), Sahib Shihab (bs), Red Garland (p on 1-3), Mal Waldron (p on 4-6), Paul Chambers (b), Albert "Tootie" Heath (ds)。基本はフロント3管(テナー、トランペット、バリサク)に、ピアノ・トリオのリズム・セクションがバックに控える。

この盤がコルトレーンの初リーダー作とされる。それにしては、ちょっと狙いがボンヤリとした、とっ散らかったパーソネルで、これはプレスティッジ・レーベルお得意の「エイヤっでジャズマン集めて、誰かをリーダーにして、ジャム・セッション分の一発録り」だったのではないか。コルトレーンの個性と特性をよく理解して、その上で人選をしっかりする、というプロデューサー的な動きが読み取れない人選である。
  
 
Coltrane-album
 
 
それでも、この盤のコルトレーンのパフォーマンスは申し分無い。テクニック的にも安定し、速いフレーズにも破綻の無い、どっしりと落ち着いた安定感が光る。アドリブ・フレーズも当時としては新しいイメージの、イマージネーション溢れる優れたもの。コルトレーンのテナー・サックスの個性と特性はこの盤を聴くと良く判るが、既に確立されており、この個性と特性をベースに発展していくことになる。

この盤でのコルトレーンの特に優れた点は「バラードの表現力」。あちらこちらで語り尽くされている感があるが、この盤の2曲目「Violets for Your Furs(コートにすみれを)」のバラード表現は絶品である。コルトレーンのジャズ・テナーの表現力が非常に高いことを証明している。この時点でのコルトレーンのテナー・サックスの力量は他のテナー・マンと比べて、頭ひとつ飛び抜けている。

ここから、コルトレーンはジャズと共に進化していく訳だが、プレスティッジ・レーベル時代のコルトレーンはまだまだ「進化前」。真の「進化」は、アトランティック・レーベルに移籍後の『Giant Step』を待たねばならない。しかし、進化前のプレスティッジ・レーベル時代のリーダー作は、ハードバップを極めていく「ハードバップなコルトレーン」を十分に楽しめる。
 
 
 

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2020年12月 8日 (火曜日)

レノン作の楽曲のカヴァー集

今年も12月8日がやってきた。ジョン・レノンの命日である。1980年12月8日(月)22時50分、ジョンはダコタ・ハウスの前で撃たれた。失血性ショックによりルーズヴェルト病院で23時すぎに死亡した。満40歳没(享年41)。今年で逝去後40周年になる。

まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)に「ジョン・レノンの40回目の命日」と題して、記事を上げているので、ジョン・レノンの命日についてはこちらをご覧頂きたい。ここでは、ジョン・レノンにまつわるジャズ盤について語りたい。

ジョン・レノン作の楽曲は、ちょっと捻れたコード進行やフレーズの展開が多いので、単純なフォービートのジャズにはなり難い。無理矢理、フォービートのジャズに押し込めたら、とてもチープな雰囲気の、まるで軽音楽のような、何の味も工夫も無いジャズになりそうで、ジョンの曲はジャズで採り上げられることは少ない。

それでも「Imagine」だけは結構、ジャズの世界でカヴァーされている。といって、完璧にジャズの楽曲としてアレンジされている訳では無くて、曲の持つ強烈な個性をジャズの演奏の旋律に置き換えているだけ。ジャズにデフォルメされることなく、「Imagine」の原型はほぼ留めている。それだけ、ジョン・レノン作の楽曲は個性が強烈だ、ということだろう。
 
 
All_we_are_saying  
 
 
Bill Frisell『All We Are Saying』(写真左)。2011年6ー7月の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Greg Leisz (steel-g, ac-g), Jenny Scheinman (vln), Tony Scherr (b), Kenny Wollesen (ds)。ニュー・ジャズにおける変則捻れギタリスト、ビル・フリゼールの企画盤。「Lennon–McCartney」のカヴァー集である。

Lennon–McCartneyのカヴァー集だが、ジャケット・デザイン(ジョン・レノンの顔の線画イラスト)からも判る様に、ジョン・レノンの作曲作品を中心にカヴァーしている。全編ジョン・レノンの楽曲のカヴァー盤というのは、僕はこの盤以外、知らない。「Across the Universe」「Revolution」「Give Peace a Chance」「#9 (Number 9) Dream」など、ジャズではほぼカヴァーされたことの無い、ジョンの名曲がズラリと並ぶ。

原曲の雰囲気を踏襲すること無く、フリゼール自身が、ジョンの楽曲を解釈して、独特のアレンジを施している。「Please Please Me」「Come Together」「Woman」「Love」「Mother」「Strawberry Fields (Bonus Track)」などなど、どれもが「ほほぅ」と感心するような、なかなか優れたアレンジが施されていて、レノン作の楽曲に新しい魅力を与えている。

ジャズ好きのレノン者にとっては「マスト・アイテム」。フリゼールがニュー・ジャズのマナーの中、独特のくすんで捻れた音色のギターで、ジョン・レノン作の楽曲を個性的にカヴァーしていく。聴き応え十分。この企画盤、アレンジと演奏力の「賜」。ジョンの命日にしみじみと聴く「ジョン・レノンのカヴァー・ジャズ」。
 
 
 

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2020年12月 7日 (月曜日)

1993年の「米国西海岸ジャズ」

この盤は明らかに「ジャケ買い」。ジャジーな雰囲気溢れるイラスト。イラストのテイストは、1960年代の米国西海岸。イラストの二人、双頭リーダーの「ボブ・クーパー」と「コンテ・カンドリ」、どちらも、米国西海岸ジャズ(ウエストコースト・ジャズ)の人気ジャズマン。期待出来るよね、このジャケットだと・・・。

『Bob Cooper Conte Candoli Quintet』(写真左)。1993年6月25日、Newportでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bob Cooper (ts), Conte Candoli (tp), Ross Tompkins (p), John Leitham (b), Paul Kreibich (ds)。テナーのクーパーとトランペットのカンドリは判るが、リズム・セクションの3人は馴染みが無い。

しかし、このジャケットである。期待は全く裏切られない。1993年のライヴ録音に拘わらず、全編、極上の「米国西海岸ジャズ」が展開される。米国西海岸ジャズが下火になったのが、1960年代前半。ボサノバ・ジャズの大ブームと入れ替えに、米国西海岸ジャズは徐々に勢いを失っていった。が、このライヴ盤では「どっこい生きていた」である。
 
 
Bob-cooper-conte-candoli-quintet-1993  
 
  
1980年代半ばに始まった、純ジャズ復古のムーヴメント。演奏内容は、米国東海岸のハードバップを焼き直し〜深化させた「ネオ・ハードバップ」がメインで、米国西海岸ジャズは復活することは無かった。純ジャズ復古のムーヴメントは東海岸限定で推し進められた訳だが、どっこい、このライヴ盤を聴けば、しっかりと西海岸ジャズも部分的ではあるが、復活していたことが判る。

この盤を録音した時点で、クーパーは1925年生まれなので68歳。1993年8月5日に亡くなっているので、逝去する1ヶ月ちょっと前の「白鳥の歌」になる。かたや、カンドリは1927年生まれなので66歳。レジェンド級の大ベテランが、実に楽しそうに、実に心地よさそうに演奏している。アレンジも良好、アドリブ展開も小粋なフレーズの連発で、やっぱり西海岸ジャズも良いよな、と感心する。

とはいえ、米国西海岸ジャズが深化した形で、現代のネオ・ハードバップの一角に食い込んだ、ということは無く、米国西海岸ジャズは完全に過去のジャズ・トレンドとなっている。米国西海岸ジャズにはそんなに深化の「糊しろ」は無いのかなあ。優れたアレンジ、聴かせるジャズを現代のトレンドで再現するだけでも価値あるアプローチだと思うのだが。素人考えかな。ともあれ、このライヴ盤、良い感じです。好盤。
 
 
 

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2020年12月 6日 (日曜日)

聴き心地満点「ベーカーの休日」

ウエストコースト(米国西海岸)ジャズは「聴かせる」ことに重きを置いているように思える。優秀なアレンジ然り。テーマ部の魅力的なユニゾン&ハーモニー然り。流麗なアドリブ・フレーズ然り。東海岸ジャズの「飛び散る汗と煙」のイメージ、手に汗握る、テンションの高いアドリブとは全く正反対の演奏アプローチ。

Chet Baker『Baker's Holiday』(写真左)。1965年5月、なんとNYでの録音。ちなみにパーソネルは、Chet Baker (flh, vo), Leon Cohen, Henry Freeman, Wilford Holcombe, Seldon Powell, Alan Ross (reeds), Hank Jones (p), Everett Barksdale (g), Richard Davis (b), Connie Kay (ds), Jimmy Mundy (arr)。リーダーのチェット・ベイカーはここではフリューゲルホーンを吹いている。

ソニー・クリス盤の時にもコメントしたが、1965年の録音なので、ジャズの世界では西海岸ジャズ、東海岸ジャズの区別が無くなって、西海岸ジャズ出身のチェット・ベイカーが、東海岸のNYに出向いての録音になったのだろう。但し、演奏のテイストは「西海岸ジャズ」。優れたアレンジで「楽しく聴かせる」ジャズを表現しているところは見事だ。
 
 
Bakers-holiday-1965
 
 
まず、フロントのリード楽器5人でビッグバンドをイメージした、分厚い重厚なアンサンブルを実現している。一聴すると「ビッグバンドがバックかな」と思うのだが、切れ味良くブリリアントな金管楽器の音が薄い。逆に金管楽器の音が薄いので、バックの演奏が柔らく響いて、チェットのボーカルがしっかりと浮かび上がる。アレンジの勝利だろう。

金管楽器はチェットのフリューゲルホーン1本。このチェットのフリューゲルホーンが上手い。ボーカルの上手さは以前から定評があるのだが、チェットはトランペット&フリューゲルホーンを吹かせても上手い。音がしっかりと太く流麗で、切れ味良くブリリアント。速いテクニカルなフレーズは滅多に吹かないが、しっかりと1音1音を丁寧に押さえた、暖かで柔軟なフレーズが実に心地良く耳に響く。

ギターを加えたピアノ・トリオの「リズム隊」も良い伴奏を提供していて、とりわけチェットのボーカルを引き立てていて立派。さすが伴奏上手のハンク・ジョーンズのピアノである。聴かせる「西海岸ジャズ」の雰囲気全開のスタンダード集。リラックスして聴けるジャズ。要所要所でチェットのボーカルがキラリと輝き、要所要所でチェットのフリューゲルホーンがブリリアントに響く。味のある小粋なジャズ盤です。
 
 
 

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2020年12月 5日 (土曜日)

This Is Criss! とは言い得て妙

ライトで聴き易いジャズが聴きたくなって、ウエストコースト・ジャズ(西海岸ジャズ)である。サックス系のアルバムが聴きたくて、ソニー・クリス(Sonny Criss)のリーダー作を選盤する。ソニー・クリスは西海岸ジャズの中で、優秀なアルト・サックス奏者ではあるが、ちょっと躁状態のプレイが多くて、明るくてブリリアントで良いのだが、時々、耳に付くところがあって、選盤には注意が必要。

Sonny Criss『This Is Criss!』(写真左)。1966年10月21日、NYの Van Gelder Studio での録音。ちなみにパーソネルは、Sonny Criss (as), Walter Davis Jr. (p), Paul Chambers (b), Alan Dawson (ds)。1966年の録音なので、ジャズの世界では、西海岸ジャズ、東海岸ジャズの区別が無くなって、西海岸ジャズ出身のクリスが、東海岸のNYに出向いての録音になっている。

パーソネルが良い。ベースに名手ポール・チェンバース、ピアノに玄人好みの伴奏の達人、ウォルター・デイビス・ジュニア。ドラマーのアラン・ドーソンだけがちょっと聴き馴れない名前だが、当時、ボストンにおける代表的ドラマーだったそうだ。たまたまNYにいたのか、NYに呼んだのかは判らないが、聴けば、なかなか味のあるドラミングである。
 
 
This-is-criss
 
 
さて、この盤、冒頭の「Black Coffee」、なんとも言えない「女心」を表したジャズのスタンダード曲だが、まさかこの曲で、躁状態のクリスのアルト・サックスが元気よく出てくるのでは、と身構えたのだが、しっとりとした、情緒溢れる、抑制されたアルト・サックスの音色にホッとする。良い感じのクリスのアルト・サックス。これはいける、と座り直して、クリスのブロウに耳を傾ける。

全8曲中、6曲がスタンダード曲で占められている。この盤でのクリスは、躁状態の明るすぎるアルト・サックスを全く出さずに、情緒溢れる、耽美的でリリカルで、それでいて、ちょっと明るいフレーズを連発して、小粋なスタンダード曲に暖かい彩りを添えている。クリスの「明るい」音色のアルト・サックスが良い方向に作用している。

バックのリズム隊も優れた伴奏を展開していて、クリスのアルト・サックスをしっかりと支えている。クリスのワンホーン・カルテット、実に良い感じのパフォーマンスだ。タイトルが「This Is Criss!(これがクリスだ!)」。言い得て妙である。クリスの代表盤の1つに数えて良い好盤です。
 
 
 

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2020年12月 4日 (金曜日)

デジョネットのディレクションズ

Jack DeJohnette(ジャック・デジョネット)は、キースの「スタンダーズ」でのドラム担当として有名だが、ドラマー単体としての実績については意外と語られないことが多い。デジョネット=キースのスタンダーズのドラマー、という図式が出来あがってしまっていることが原因なのだが、メインストリーム系の好盤がフュージョン全盛の1970年代後半に偏っているので判り難い、ということもある。

Jack DeJohnette's Directions『Untitled』(写真)。1976年2月の録音。ECMの1074番。ちなみにパーソネルは、Jack DeJohnette (ds, ts), John Abercrombie (el-g, ac-g), Mike Richmond (el-b, ac-be), Alex Foster (ts, ss), Warren Bernhardt (el-p, ac-p, clavinet, cowbell)。デジョネットのメインストリーム系ニュー・ジャズのグループ「ディレクションズ」のECMレーベル第一弾。

デジョネットのドラミングは「ポリリズム」。ファンクネスは控えめで、品が良く切れ味の良い、クールなポリリズムが身上。帝王マイルスがデジョネットを見初めて、「ロスト・クインテット」でドラムを叩いたが、ツアーに出るのが嫌で、マイルスの許を辞した、ちょっと変わり種のドラマー。ロスト・クインテットは1969年辺りだから、それから6年経っての「ディレクションズ」でECMデビューである。
 
 
Untitled  
 
 
このディレクションズ名義のアルバム、聴いてみると面白い内容。ECMのニュー・ジャズに染まりそうなんだが、デジョネットは米国出身のドラマー。やはり、ドラミングの底にはファンクネスが漂い、モーダルなアプローチが見え隠れする。この盤の面白いところは、この盤の内容が「ECMレーベルでのモード・ジャズ」風になっているところ。

ECMレーベルのアルバムなのに、パーソネルのメンバー全員が米国人というのも面白い。確かにこの盤のモード・ジャズのフレーズの色は「欧州風」なのだが、底にファンクネスが漂い、音の重なりがジャジーなのだ。他のECMらしい音とは確実に「一線を画している」。切れ味の良い、欧州風味が加味されたモード・ジャズ、と言った感じの即興演奏が実にユニーク。

デジョネットの「ディレクションズ」って意外と人気が無い。忘れ去られた感の強いグループだが、こうやって聴き直してみると、意外と内容の濃い、真摯でメインストリームな純ジャズである。エレクトリックな楽器を大々的に導入しているが、クロスオーバー臭さが無いのも、この盤の、このグループの特徴。
 
 
 

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2020年12月 3日 (木曜日)

「メローなロンドンの週末」

もともとはマイルス・バンドに呼ばれる位に、先進的でロック寄りのジャズ・エレギを弾く新進気鋭のギタリストだった。そして、1970年代に入って、クロスオーバー・ジャズからフュージョン・ジャズの大ブームの中で、ソフト&メロウを「ウリ」にしたギタリストとして有名になる。そして、遂にはソフト&メロウなフュージョンの中で歌を披露するようになる。

で、この歌が「とても素晴らしい」。ギタリストなのに歌も上手い。唄って弾きまくるギタリストとなり、遂には、上手いギターも弾くボーカリストになった。しかし、この人、ギターを弾かせると超一流な腕前なんだけどなあ。僕は今でも、この人のギターが大好きで、ギター弾きまくりの1970年代のリーダー作を、今でも好んで聴いているくらい。

George Benson『Weekend in London』(写真左)。先月のリリース。ジャズ・ギターのレジェンド、ジョージ・ベンソンが2019年、ロンドンの老舗ジャズ・クラブ、Ronnie Scott'sで行ったライヴを収録。このジャズ・クラブのキャパは250人。小さなジャズ・クラブでのライブならではの、熱気がダイレクトに伝わる、デッドな音空間が素敵なライヴ盤である。
 
 
Weekend-in-london
 
 
収録曲はベンソンの「ベスト集+カヴァー集」的なもの。まず「Give Me The Night」からスタートするところが良い。1980年に全米TOP5ヒット曲、懐かしい。十八番の代表曲「Love X Love」や「In Your Eyes」の選曲も良い。カヴァー曲は渋い選曲で、ダニー・ハサウェイの「The Ghetto」なぞ、思わず感嘆の声を上げてしまう。

このライヴ盤のベンソンの基本的スタンスは「上手いギターも弾くボーカリスト」。冒頭から唄いまくっている。時々、間奏のレベルでギターを弾くが、これが流石に「上手い」のだが、物足りない。しかし、ラストの「Cruise Control」ではスキャットは入るが、久し振りにセミアコを弾きまくっている。これが圧巻。やっぱり、ベンソンには「ギター弾きまくり」だけのアルバムを出して欲しいなあ。

ベンソンは1943年生まれなので、今年で77歳。もう大御所も大御所、レジェンドもレジェンド過ぎる年齢ではあるが、このライヴ盤での歌声は「まだまだ現役バリバリ」。衰えは全く感じ無い。ギターについても堂々とした弾きっぷりで、指が縺れることは全く無い。いやはや、凄いジャズ・ギター&ボーカルのレジェンドである。
 
 
 

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2020年12月 2日 (水曜日)

久し振りに硬派なバンド発見

ジャズについては、コロナ禍で明け暮れた2020年についても、新しいミュージシャン、新しいグループがコンスタントに出現している。以前、ジャズは死んだ、とか、ジャズは過去の音楽、とか言われていたが、何だか、まだまだ活きているような、深化しているような気がしている。喜ばしいことである。

Black Art Jazz Collective『Ascension』(写真左)。2020年1月11日、NYのVan Gelder Recording Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Escoffery (ts), Jeremy Pelt (tp), James Burton III (tb), Victor Gould (p), Rashaan Carter (b), Mark Whitfield Jr. (ds)。う〜ん、知らない名前ばかり。ジャケ写とメンバーの経歴を見れば、どうも中堅ジャズマンの集団らしい。しかも、最近珍しい、ジャズの「バンド」名義のアルバムである。

テナー・サックス、トランペット、トロンボーンの3管がフロントの「正統派セクステット」構成。このメンバー構成だと一瞬、1960年代前半のアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースを想起するので、おもいっきしファンキー・ジャズな内容なのかな、と思ったら、むっちゃ硬派なモード・ジャズ、いわゆるモーダルな「ネオ・ハードバップ」である。
 
 
Ascension_black-art-jazz-collective  
 
 
まず、グループ名の「Black Art Jazz Collective」に馴染みが無い。ネットの情報によると2013年に結成されている。知らなかった。「アフリカン・アメリカンであるメンバーが自らのルーツを誇りとし、その文化とアイデンティティ、精神を未来に継承してゆくコンセプトを基本に結成されたグループ」とある。なるほど、そのジャズに対する意志は、1980年代後半、現れ出でたウィントン・マルサリス軍団と同じ「新伝承派」の意志を踏襲している様に感じる。

さて、この新盤であるが、全9曲、いずれも真摯で硬派なネオ・ハードバップな演奏で統一されている。ポップさや甘さは全く無い。切れ味の良い、どこか生真面目な、演奏全体に重力感溢れるモード・ジャズが展開される。といって、過去のモード・ジャズの模倣では無いことは確か。専門的な分析は出来ないが、今までのモード・ジャズとは少し違ったアプローチをしているように感じる。聴いていて「あ、あの盤の響きと同じや」という思いが無い。しっかりと最後まで飽きずに聴いてしまう。

2019年秋に相次いで 他界した偉大なピアニスト、ハロルド・メイバーンとラリー・ウィリスに捧げた「Iron Man」「Mr. Willis」、そして、ジャーキー・マクリーン作の「Twin Towers」など選曲も実に渋く、よくあるウケ狙いの「商業ジャズ」とは全く無縁の、ストイックで硬派な内容に好感が持てる。パーマネント・グループとして長く活動していくことを期待したい、久し振りに発見した、硬派なジャズの「バンド」である。
 
 
 

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2020年12月 1日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・193

ブルーノート・レーベルの素晴らしいところは色々あるが、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオン自らが自らの耳で、それまで無名だった優秀なジャズマンを見出して、リーダー作を録音させていたところが一番感じ入る。他のレーベルは優秀なのかどうかも判らず、売れるかどうかも判らないので見向きもしない(笑)。

そんな優秀ではあるが無名だったジャズマンを、ブルーノートはその才能を見出して、リーダー作を録音させたり、サイドマンとして、他のリーダー作に参加させていたりする。ブルーノートのお陰で、ハードバップ時代、人気ジャズマン以外にも優れたジャズマンは沢山いて、ジャズというのは演奏家のレベルで見ても、かなり裾野の広い音楽ジャンルだったことが良く判るのだ。

Clifford Jordan『Blowing In From Chicago』(写真左)。1957年3月3日の録音。ブルーノートの1549番。ちなみにパーソネルは、Clifford Jordan, John Gilmore (ts), Horace Silver (p), Curly Russell (b), Art Blakey (ds)。ブルースの街シカゴからニューヨークにやって来たクリフォード・ジョーダンとジョン・ギルモア、テナー・サックス2管がフロントの変則クインテット編成。
 
 
Blowing-in-from-chicago  
 
 
ホレス・シルヴァーが見出したそうだ。「シカゴに凄いテナーマンがいたぜ」とライオンに耳打ち。それでは、とブルーノートがリーダー作の録音をセットアップ。シルヴァー=ラッセル=ブレイキーの黒々としたリズム・セクションを用意し、素晴らしいセッションが実現した。無骨でバキバキゴツゴツと硬派なハードバップ、そして、マイナー・ブルース。

テクニックがどう、とか、フレーズの創造性がどう、とか、この盤を聴く時にはそんなものは「野暮」というもんだ。ハードバップの良いところがこの盤に詰まっている。ジャズっぽい、力強くブルージーなテナー2管の音がとても心地良い。そして、ブルース・ナンバーには、ニューヨークではない、どこかシカゴ・ジャズの雰囲気が漂う。

こういう盤を録音し、その音源が残っているから、ブルーノート・レーベルはジャズの老舗レーベルとしてリスペクトされ続けているのだ。ハードバップの宝の山であるブルーノートの1500番台の中でも、今でも有名盤では無いが、これはひときわ「ブルーノートらしい」1枚だと思っている。
 
 
 

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