« ECMらしいエレ・ジャズです | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・193 »

2020年11月30日 (月曜日)

気持ちの良いピアノ・トリオ盤

申し訳ない言い方だが、従来より、日本のレコード会社やレーベルが企画してリリースするジャズ盤は何か面白くない。内容は悪くない。でも、ワクワクする何かが足らないというか、オッと思うような意外性や注目ポイントが少ないというか、日本のレコード会社やレーベルが出す新盤って、聴く前から、内容が想像できるというか、ワンパターンというか、面白みに欠けるものが多い(これは、という盤もあるにはあるが・・・)。

とにかく「安全運転」な企画・プロデュースで、そこそこ売れて欲しい、という思いが見え隠れする。加えて、ジャズ雑誌のジャズ盤評論はこぞってこれら日本のレコード会社や日本のレーベルが出す新盤を好意的に評価する。「本当にこの盤の内容が良いと思ってんのかしら?」と疑義を持つ様な一部のジャズ評論にはちょっと呆れる。そういう訳で、今でも新盤については、日本制作盤は敬遠気味で、自分の経験と勘を基に、輸入盤を中心に選盤することが多い。

Christian Jacob『Contradictions "A Look At the Music of Michel Petrucciani"』(写真左)。2005年12月30日、2006年1月17, 30日の録音。ちなみにパーソネルは、Christian Jacob (p), Trey Henry (b), Ray Brinker (ds)。リーダーのChristian Jacob(クリスチャン・ジェイコブ)は、1958年、仏生まれのジャズ・ピアニスト。今年で62歳。バークリーの卒業生で、編曲家としても活躍、1年に1作程度のペースでコンスタントにリーダー作をリリースしている。 
  
気持ちの良いピアノ・トリオ盤である。この『Contradictions』は、副題「A Look At the Music of Michel Petrucciani」とあるように、ジェイコブによるペトルチアーニ曲集。「ジャズ・ピアノのミューズ」と呼ばれた、故ミシェル・ペトルチアーニの作曲した曲を中心に構成した、ピアノ・トリオ盤。
 
 
Contradictions_20201130182001  
 
 
この「ペトルチアーニ」のトリビュート盤という企画が良い。ジャズ・ピアノ者の「聴きたい」という気持ちに「刺さる」。特に、ペトルチアーニがお気に入りの僕としては、大いに期待して「そそくさ」とゲットした。

企画の方向性が良いのだろう。これが、期待に違わぬ素晴らしいピアノ・トリオ盤である。ジェイコブのピアノは、しっかりと芯のある柔らかなタッチが生み出す、明るく輝かしい音色。いきなり名曲「Looking Up」からのスタートなんて良い感じだ。ジェイコブのピアノの個性が良く判る。とにかく、ジェイコブのピアノがシンプルで判りやすくて、明るくて綺麗で申し分ない。

ペトルチアーニの曲は、明るくて軽快で心地よい旋律を伴った曲が多いので、ジェイコブの様に、ペトルチアーニのピアノに比べれば、ちょっと繊細で線が細いのだが、「シンプルで判りやすくて、明るく、綺麗なタッチ」がペトルチアーニの曲にしっかりフィットしている。

良いピアノ・トリオの企画盤です。日本のレコード会社やレーベルも、いつもいつも決まって「有名スタンダード曲中心」の企画盤を企図するのでは無く、こういう、ちょっと「キラッ」と光る企画盤を企図して欲しいですね。きっと実現できると思うし、こういう小粋な企画盤は売れると思うんですが、どうでしょうか。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
 
 
 ★ AORの風に吹かれて        【更新しました】 2020.10.07 更新。

  ・『Middle Man』 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2020.10.07 更新。

  ・The Band の「最高傑作」盤

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.10.07 更新。

  ・僕達はタツローの源へ遡った

 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から9年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ECMらしいエレ・ジャズです | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・193 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ECMらしいエレ・ジャズです | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・193 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2021年1月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー